有利に取引をすすめることができる ! 契約書を戦略的なツールにするノウハウ
法務


ビジネスにおける契約書の役割


ビジネスでは、契約書を取り交わす場面が数多くありますが、契約書に記載されている内容によっては、トラブルを防いだり、逆にトラブルが起きてしまう原因になってしまうこともあります。
このように契約書は、「トラブル回避」「リスク回避」のためというイメージが一般的に持たれがちです。

もちろん、両社にとってトラブルなく取引がスムーズにおこなわれることは大事ですし、これがちゃんとした契約書を作成する大きな目的の一つであることは言うまでもありません。
契約書に、効果的な文言を盛り込むことで、取引先からの苦情や契約の打ち切り、その他のトラブルを最小限に抑えることもできます。

「ビジネスや取引を続けていく中で、ある程度の問題は避けられない」という考えもありますが、契約書に気をつけていればこんな問題は起きなかっただろうというケースは数え切れないほどあります。

いったんトラブルが発生してしまうと、その解決には多大な時間・労力・費用が必要になり、そうなると本来の業務ができなくなったり、重要な取引先を失ったり…という事態になりかねません。
円滑にビジネスを進めていくために、それぞれのビジネスや取引の内容、大きさ、力関係なども考慮した契約書が必要です。

しかし、契約書には、この他にも大きな役割がります。


自社に有利に取引をすすめていくためのツールとしての契約書


他の会社と取引を始めようとするとき、その取引の内容が少しでも自社に有利になっていたらいいな。。と誰しも考えると思います。

契約書は、前述のトラブル回避と同様に、適切で効果的な文言を盛り込むことができれば、ビジネスや取引も自社の思い通りに進めることが可能になります。
「取引を有利にするには交渉力やプレゼン力が必要」と思われる方も多いと思いますが、あらかじめこちらが有利に取引をすすめられるような内容の契約書を用意して交渉を開始すれば、容易に取引を有利にすすめることも可能です。


契約書の案を先に提示するメリット


こちら側で先に契約書の案を作成し、先方に提案することで下のようなメリットがうけられます。

(1) あらかじめ、こちらに有利になるような文言を盛り込むことができる。
さりげなくこちらに有利になるような文言を入れておくことができます。先方が見過ごしてそのまま契約してもらえる可能性が大いにあります。
ぱっと見ただけでは、どちらかが有利・不利になるように感じられない文言でも、実は大きな意味を持つことがあります。
もちろん、ここは契約書の作成者の力量にも大きく左右されますが、先方への誠意を感じさせるような文言にしながら、実はこちらに有利に取引をすすめる、なんてことも可能になります。

(2) 先方に、こちらの要望を一度検討させることができる。
先方から提示された契約書のたたき台を根本から覆すには相当の労力を要します。こちらが先にこちらの希望する条項を盛り込んだ契約書を提示することで、一度はこちらの希望する条項を検討してもらうことができます。
また、先方がどう修正してくるだろうか ? と考えて契約書を作成することにより、先方が修正依頼をしてきた際にもすばやく対応することができ、こちらが不利にならないようにすすめやすくなります。

(3) 取引開始まで時間がない場合は原案のまま合意に至りやすい。
契約を取り交わそうとするとき、取引開始まであまり時間がなく、早急に契約を締結しなければならない状況にあることは多くあります。
そんな場合、契約書全体を練り直す時間がないため、先方は重要視している点のみ修正を依頼し、その他の部分はよほど問題がない限りはそのまま合意に至るということがおうにしてあります。
こういったことから、取引を開始する際、どちらが契約書のたたき台を作成するのか?という話になったとき、こちらから案をまず作成し提示することで、その後の取引を大きく左右することになります。



まとめ


多種多様な取引が発生するビジネス環境の中で、契約書なしに事業を進めていくことはリスクが高すぎるので、誰もやりませんが、その契約の中身を皆が重視しているかといえば、そうではないのが現状かと思います。

先方が提示してきた契約書の案を大して確認もせずに署名捺印してしまい、自社に不利な取引となってしまった。。
インターネット上のひな形を真似て契約書を作成してみたが、自分たちの取引内容とそぐわず、まったく意味のない契約書になってしまった。。
契約でこういう失敗した経験がある方はもちろん、経営者の皆さんは、改めてビジネスにおける契約書の中身のチェックと、その必要性と重要性を意識しなければいけません。

また、前述のとおり、ビジネス取引は、すでに契約締結前(合意に至る前)から始まっています。このことを認識し、先方に先に契約書の案を提示させるのでなく、自社から(自社に有利にすすむように)提示し、少しでも自社に有利に、かつリスクをしっかり回避できる契約内容になるよう戦略的にビジネス取引をすすめていきましょう。

ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 行政書士 宮原健一朗のページ

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