「保育園落ちた!」ママのために、会社は何ができる? 〜連載②:従業員が妊娠!会社は何をすべき?〜

さて、前号に引き続き、テーマは『育児休業』。今号では実務上、具体的な取扱いについてのお話です。育児休業給付金の支給申請をするための届出と、妊娠・出産を迎える従業員について会社が把握しておくべき事柄について、ご紹介します。

「期限」に留意し、必要な手続きを確実に

本号では、「育休=育児休業給付金の支給対象」を前提にお話を進めることにしますが、手続そのものについては下記URLに紹介されている通りです。

育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて

実務上、会社は育児休業給付の受給資格確認と初回支給申請手続きを「出産日から起算して58日目にあたる日」以降4ヵ月を経過する日の属する月の末日までに行います。

「出産の日から2ヵ月後に育休給付の手続き」と覚えておくと分かりやすいと思います。必要書式と添付書類は、上記URLにある通りです。

この手続きにより無事に受給の決定があったら、以降はハローワークから交付される「育児休業給付次回支給申請日指定通知」にある支給申請日にあわせて手続を行っていくことになります。

また、併せて社会保険関連の手続きも忘れてはなりません。

<参考URL>
出産で会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
保険料の免除等(育児休業関係等)|日本年金機構

このように、産休・育休に伴う手続きは多岐に渡り、いずれも重要。手落ちがあれば、もらえるはずのお金が支給されないこともあります。

専門家である社会保険労務士は、手続きに関わるスケジュールを管理する、手続き自体を代行するなど必要に応じたサポートが可能ですので、ぜひご相談いただければと思います。

妊娠・出産を迎える従業員との「対話」が重要

従業員に育児休業を取得させる際、十分行っておくべきは「育休取得者本人との打ち合わせ」です。妊娠・出産に起因する従業員と会社とのトラブル事例は後を絶ちませんが、その多くが両者の認識の相違によるもの。

少なくとも、「妊娠の報告を受けた際」「産休に入る前」「育児休業終了前」には、下記の内容について打ち合わせておく必要があります。

<妊娠の報告を受けた際>
・出産予定日の確認と産休、育休取得希望の有無
・産休、育休取得希望が「有」の場合には、産休開始日や復帰予定日の確認
・妊娠中の働き方について、医師の指導の有無や本人の希望、緊急時の連絡先(夫や実家等)
・復帰後の働き方の希望(時短勤務や配置転換を希望するか)

妊娠報告に伴い確認すべき事項は多岐に渡ります。社内に届出書を準備し、必要な情報を漏れなくヒアリングできるようにしておくとスムーズです。
また、復帰後の希望の働き方については早期に確認しておいた方が、会社としての体制作りや人事に取り組みやすくなります。

<産休に入る前>(概ね1ヵ月前)
・産休、育休に伴う手続きやスケジュールの説明
(出産育児一時金、出産手当金、産休・育休中の社会保険料免除、育児休業給付金の支給等)
・必要な報告事項、提出書類の説明
・出産育児一時金について、直接支払制度か受取代理制度のどちらを利用するかの確認
・子供を従業員本人の扶養に入れるか、配偶者の扶養に入れるかの確認

産休、育休の取得にあたり、必要な手続きは多岐に渡ります。手続を怠ったり、期限に遅れたりすると受給できないお金が生じることもあります。本人と会社の双方が、正しくスケジュールを把握しておくことが大切です。

<育児休業終了前>(概ね3ヵ月前)
・予定通りの復帰が可能かどうか
・育休延長を希望する場合、復帰がいつ頃になりそうか
・保育園の状況の確認(無認可や保育ママなども含め)
・復帰後の育児サポートの有無
・妊娠報告時にヒアリングした復帰後の働き方について、希望に変更があるかどうかの確認と、会社がどの程度対応可能かについての説明

「いよいよ復帰!」という段階になって、「保育園に入れそうもない」「復帰は可能だが出来れば働き方を変えたい」「やっぱり子供のそばにいたい」等、問題や気持ちの変化が出てくる方も多くいらっしゃいます。まずは従業員の話をしっかり聞いてあげましょう。
もしも社内に産休・育休経験者がいれば、その方と話をさせてあげることで、復帰前の様々な不安が軽減されるかもしれません。

育児休業給付金については、「子が1歳6ヵ月に達する日前までの期間」を限度に支給期限の延長が可能なので、申請があれば会社は手続しましょう。その際には市区町村が発行した「入所不承諾通知」を添付する必要があるのですが、その内容は「満1歳の誕生日の前日に保育所に入所できていない」ことを示すものでなければなりません。

例えば「区のホームページを見て、空きが“0”だった」「市の担当者から口頭で空きがない旨言われた」等で入園申込をしないうちに子が1歳の誕生日を迎えてしまうと、育児休業給付金の延長が出来ないことになります。また、市区町村によっては月の途中に入園申込を受け付けていないことがあるので、その旨も併せ、早めに入園申込をするよう勧めてください。

妊娠・出産を迎える従業員は、何かと不安を抱えているもの。会社として出来ることは、「手続によってもらえるお金を正しくアナウンスし、受給できるようにすること」と「今後の働き方について相談にのること」です。もちろん、本人の希望すべてを叶える必要はありませんが、極力親身になって話を聞き、事業主は会社として出来ること、出来ないことをしっかり検討して本人に伝えることが大切です。

さて、次号ではついに、育休延長後もなお「保育園に入園できない!」というケースについての対処法をご紹介します。

この場合、従業員自身、かなり追い詰められた状況であると同時に、労使トラブルが生じやすいタイミングであるとも言えます。会社としてどう対応するのが得策なのか、ご一緒に検討してまいりましょう。

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