民泊事業を始める前に要確認!ごみの処理についてのポイントまとめ

最近テレビや雑誌でなにかと話題の「民泊」。ニュースなどで知って実際に民泊事業を始めてみよう、と考えている方も多いかもしれません。
ただし、事業としてやるからには一定のルールを守る必要があります。今回は「掃除」という観点から民泊事業に関連する法律などを行政書士の戸川大冊先生にご説明いただきます。

1.注意!掃除代行業者がゴミを持ち帰ると違法

民泊事業を始めると、ゲストからのメッセージ対応から予約管理、ゲストの入室対応(チェックイン)や部屋の清掃など、多くの作業が発生します。民泊事業を効率よく運営するために、これらのゲスト対応業務を専門の代行業者(民泊代行業者)に依頼するケースが多いようです。
民泊の市場規模の拡大に伴い、民泊代行業者の数も増えてきています。

そこで今回は、民泊代行業者が物件の清掃を行った場合に出たゴミ(廃棄物)の処理方法について、特区民泊の認定審査基準との関連させて考察していきたいと思います。
民泊代行業者のサービス案内を見ると、ゲストが出したゴミ(廃棄物)は代行業者が清掃する際に家庭ゴミと一緒にゴミ集積場に出しているケースが多いようです。また、民泊代行業者によっては、ゴミ(廃棄物)を持ち帰ってくれる場合もあるようです。

しかし、このような廃棄物の処理方法はいずれも違法になります。
つまり、民泊事業で排出された廃棄物を家庭ごみの集積場にそのまま出すことも、清掃業者が持ち帰ることも違法なのです。

大田区の特区民泊認定申請審査基準では、「廃棄物の処理方法」について以下のように規定されています。

■ 廃棄物の処理方法
適切な廃棄物処理がなされるように、必要な措置、体制がとられていること。
例)・廃棄物は滞在者が適切に集め、居室の廃棄物の排出は、事業者(委託者)が行う。

ポイントなるのは「適切な廃棄物処理」という部分です。ここを掘り下げて解説します。

2.民泊事業者が注意すべき廃棄物処理のポイント

特区民泊の届出や簡易宿所営業の許可を取得して「民泊サービス」を提供することは、「事業」にあたります。つまり、民泊サービスを提供することによって生じたゴミは事業活動によって生じた廃棄物、ということになります。
法や条例により、事業活動に伴って生じた廃棄物(事業系廃棄物)は、事業者の責任で適正に処理すること(自己処理責任)が義務づけられています。処理については以下の点に注意が必要です。

■ 適正な分別が必要
事業系廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に適正に分別する必要があります。「一般廃棄物」と「産業廃棄物」は処理方法が異なるため、両者を一緒に処理すると罰せられます。

■ 処理に責任を持つ
事業系廃棄物は適正に分別した後、自ら処理できない場合は、責任を持って許可業者に処理を委託する必要があります。前述のように、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」では処理方法が異なります。適切な処理業者に委託しないと罰せられます。

3.事業系廃棄物とは

一般の家庭から出る廃棄物は「家庭系廃棄物」、会社やお店などの事業活動に伴って生じる廃棄物は「事業系廃棄物」に区分されます。
さらに、事業系廃棄物は、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分かれます。産業廃棄物は、法令により20種類が指定され、一般廃棄物は、「産業廃棄物以外のもの」をいいます。

ちなみに、プラスチックや金属・ガラスからできた製品は、どの事業所から出ても産業廃棄物となります。「プラスチック」は家庭から出れば一般廃棄物なので清掃工場で焼却できますが、事業所から出る場合は産業廃棄物ですので清掃工場には持ち込めません。
次に実際の処理方法についてまとめてみます。

4.事業系廃棄物の処理方法

1)分別
民泊事業で出た廃棄物のうち、リサイクルできるものは資源として活用します。廃棄するものは、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分別します。

2)一般廃棄物の収集運搬
清掃工場等の処理施設への収集運搬には、①許可業者に委託する、②大田区の収集に出す、③自分で運ぶ、の3つの方法があります。

・許可業者に委託
一般廃棄物の収集運搬を他人に依頼する場合には、大田区の許可を持つ一般廃棄物処理業者へ委託する必要があります。その際には、処理する一般廃棄物の種類の許可を持つ業者と処理委託契約を交わします。
大田区の許可を持っていない業者に委託してしまった場合や、異なる種類の一般廃棄物処理の許可を持つ業者に委託してしまった場合は、5年以下の懲役か1千万円以下の罰金、又はその両方が科せられる場合があります。排出者である事業者の責任は重いので注意が必要です。

・大田区の収集を利用(事業系有料ごみ処理券を貼り、集積所に出す)
排出量が少ない事業者の場合は、家庭ごみの収集に支障がないと区が認める範囲で、事業系有料ごみ処理券(シール)を貼付し、区の収集に有料で排出することができます。この場合の可燃ごみ、不燃ごみ、資源の分別は家庭ごみと同じになります。
法第 11 条第1項は、「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない」と規定していますが、第2項で、「区市町村が一廃とあわせて処理することができる産廃」と「区市町村が処理することが必要であると認める産廃」の2つについては、区市町村が処理することができることになっています(「あわせ産廃」)。

※「あわせ産廃」とは?
東京23区では、次の5品目の産業廃棄物に限り、一般廃棄物とあわせて収集しています。
①紙くず、②木くず、③ガラスくず及び陶磁器くず、④金属くず(廃油等の付着している物を除く。)、 ⑤廃プラスチック(原則としてプラスチックの製造、加工業から排出されるものを除く。)
なお、清掃工場等に直接持ち込む場合は、この5品目は産業廃棄物となり、「あわせ産廃」にはなりません。

・自己持込みにより清掃工場等へ搬入
清掃工場等に自己で持ち込むことも可能です。詳細は清掃工場へ問い合わせをしてください。

3)産業廃棄物の収集運搬
産業廃棄物の処理施設への収集運搬には、①許可業者に委託する、②自分で運ぶ、の2つの方法があります。通常は許可業者に委託すると思われますが、ここで注意が必要です。「産業廃棄物」に関する許可と「一般廃棄物」に関する許可は別です。したがって、産業廃棄物の許可しか持たない業者に一般廃棄物の収集運搬を委託するのは違法です。注意して下さい。

※ 廃棄物処理業許可
・一般廃棄物処理業許可と産業廃棄物処理業許可は別物。
・産業廃棄物処理業許可しか持たない業者に一般廃棄物の処理を委託すると違法。排出者も責任を問われる。

以上のように、一般廃棄物と産業廃棄物は異なることを正確に理解して、適性に処理することが必要です。
また、「適切な廃棄物処理がなされるように、必要な措置、体制がとられていること」を区に届け出る必要があります。

まとめ

民泊は「事業」であるということを認識して、ごみの処理方法についてもしっかり対応しておく必要があります。また、外国人の宿泊客はごみの分別を知らないケースも多いので、そのあたりの対応なども必要になってくると思います。

民泊の文化はまだ始まったばかりです。今後みんなで民泊を盛り上げていくためにもこういったルールをしっかり守っていくことが大事だと思います。

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