ゴールデンウィーク明け!社員のメンタルヘルス対策に要注意

5月の大型連休が足早に過ぎ去り、例年、これから6月にかけて急増するのが、いわゆる「五月病社員への対応」に関して寄せられるご相談です。

労働政策研究・研修機構が2014年1~2月に実施した調査によると、
‘過去3年間で、落ち込み、やる気が起きないなどの精神的な不調(メンタルヘルス不調)を感じたことが「ある」人が、25.7%と4分の1を占めた。’
とのこと。事業主や人事担当者にとって、社員の精神疾患は決して他人事ではありません。

「どうも様子がおかしい社員がいる」「部下が連休明け、突然退職願を持ってきた」等、その兆候をつかんだとき、会社はどう対処するべきなのでしょうか?
今一度、考えてみましょう。

「個人の問題」で片付けるのはNG、会社として“一歩踏み込んだ”対応が求められます


精神面の不調というと、「個人的なことだから、会社が関与するのはどうか・・・」と思われがちな、非常にデリケートな問題です。また、「査定上不利になるだろう」「メンタル面のことはあまり言いたくない」「自覚症状がない」等として従業員本人がメンタル不調を公にしないことが多く、会社が対処しようにも把握しきれないケースも多々あります。

しかしながら、少しでも「おかしいな」と感じられる言動がある従業員がいれば、会社は適切に働きかけていかなければなりません。従業員のメンタル不調に対する会社の対応責任については、「東芝うつ病事件」の最高裁判決(平成26年3月24日)において示されています。

■ 東芝うつ病事件
労働者に過重な業務によって鬱病が発症し増悪した場合において,使用者の安全配慮義務違反等に基づく損害賠償の額を定めるに当たり,当該労働者が自らの精神的健康に関する一定の情報を使用者に申告しなかったことをもって過失相殺をすることができないとされた事例
参考:平成23年(受)第1259号 解雇無効確認等請求事件

この事件では、明らかな過重労働が鬱病の発症、増悪の原因となっており、休職期間満了で解雇となった従業員に対する解雇無効の訴えがすでに確定しているケースです。

そのうえで、精神疾患については一般的に“プライバシーに属する問題”“人事考課の際のマイナス要因”であることを鑑み、「労働者本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で,必要に応じてその業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める必要がある」とされました。

つまり、会社は従業員による申出の有無にかかわらず、個々の勤務実態や業務量を把握した上で、適切な対処を講じるべきであることが最高裁によって明示されたことになります。
判旨としては、「鬱について申告しなかったことを従業員の落ち度として、会社側の安全配慮義務違反に基づく賠償金を減額することはできない」という結論に至りました。

平成27年12月からストレスチェックが義務化されました

今日では、メンタルヘルス不調を未然に防止する一次予防と職場の改善を目的に、労働者が常時50名以上の全事業場(法人・個人)において「ストレスチェック」の実施義務が課せられています。厚生労働省によれば、「2015 年 12 月1日から 2016 年 11 月 30 日までの間に、全ての労働者に対して 1 回目のストレスチェックを実施する」ことが望ましいとされています。

皆さんの事業所では、すでにスタートされているでしょうか?

“義務”というと何やら煩わしいものに感じられてしまいますが、こうしたチェック機能がメンタルヘルス不調者の早期発見(=労務管理上のリスク回避)につながることを考慮すれば、会社はむしろ積極的に取り組んでいくべき仕事であると言えるでしょう。

また、労働者が50名未満の事業場については、当面の間「努力義務」となっていますが、経験上、小規模事業所においては「従業員個々への業務負担が大きい」「固定化された人間関係の中でストレスを抱えやすい」など、従業員のメンタルヘルス管理については特有の課題を抱えているケースが非常に多いのではないかと感じています。

小規模事業所において、ひとたび労務トラブルが生じれば、それはあらゆる意味で会社にとっての大打撃となることは明らかです。よって、ストレスチェックは事業所規模に関わらず、使用者の責任として制度導入を前向きに検討されることをお勧めします。

しかしながら、ストレスチェックについては未だ「何をすれば良いか分からない」「どのタイミングで取り組むべきか」等の疑問や不安を払拭できない会社も少なくありません。
次号ではこの制度について、もう少し掘り下げて解説をしていくことにいたしましょう!

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