マイナンバーのプロによる法人番号徹底解説!

マイナンバー制度のもう一つの番号、法人番号が全法人に開示されました。

そもそも、法人番号とは


法人番号は、以下の団体に与えられる13桁の番号で、一つの法人にひとつ与えられます。マイナンバー(個人番号)とは異なり、利用範囲の制限が設けられていなく、一般に公開されている番号です。

1. 会社法その他の法令の規定により設立の登記をした法人
2. 国の機関
3. 地方公共団体
4. 上記1~3に該当しない法人又は人格のない社団等であって、法人税・消費税の申告納税義務又は給与等に係る所得税の源泉徴収義務を有することとなる団体

マイナンバーと同様に「行政の効率化」、「国民の利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」を目的としています。また、法人番号には利用範囲に制限がないことから、民間による法人番号の利活用が進むことで、新たな価値が創出されることを期待しています。

社会保障および税の分野での法人番号利用に備えた準備


法人番号もマイナンバーと同様に、平成28年1月から利用が開始され、実務面では、社会保障や税の分野の諸手続きに利用されるようになります。

社会保障の分野で、すぐに記載が必要となる手続きは、「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険適用事業所廃止届」の2つだけです。すでに適用事務所となっている企業は、この分野で法人番号が必要となる手続きは当面ないとみてよいようです。また、マイナンバーが必要となる手続きとして、「雇用保険被保険者資格取得届」などの雇用保険関連の手続きがあります。これらの手続きでは、対象となる被保険者のマイナンバーの記載は必要となりますが、事業主については法人番号の記載は不要となります。

一方、税の分野では[図1]のように法人税や消費税の申告書、法定調書などが法人番号記載の対象となります。

法人番号記載時期
[図1] 税務関係書類の法人番号記載時期
税務関係書類の番号記載時期(国税庁)より法人分のみ抜粋

法人税申告書や消費税申告書の作成をする際に、自社の法人番号の記載をする必要があります。そのため、通知された自社の法人番号の管理をしっかりと行っていなければなりません。また、地方税の分野では、償却資産申告書や法人地方税の申告書を作成する際、自社の法人番号を記載する必要があるのですが、特に償却資産申告書は1月末(2月1日)までに提出する必要があるため、法人番号が早速必要となってきます。

これらの申告書の作成を税理士に委託している場合は、必要な時期までに自社の法人番号を税理士に伝える必要があるので、注意が必要となります。

上述した申告書に関しては、自社の法人番号を記載するだけですが、法人番号を記載するだけですが、法定調書は異なります。支払調書に記載する支払先が個人事業主の場合、マイナンバーを記載する必要があります。また、支払先が法人の場合は、支払先の法人番号の記載が必要となります。

法人番号はマイナンバーと異なり公開される番号ですので、あらかじめ取引先から法人番号を知らせてもらうか、法人番号公表サイトで確認するなどの準備を行い、支払調書に法人番号の記載が必要となるまでに済ませておかねばなりません。

法人番号公表サイト 実運用スタート


法人番号公表サイトは、10月5日のマイナンバー制度施行と同時にオープンし、10月26日からは、通知された順に法人番号などが公表されています。

[図2]法人番号公表サイト
[図2]法人番号公表サイト

この法人番号公表サイトでは、このような団体の基本3情報が公開されています。
1. 商号または名称
2. 本店または主たる事務所の所在地
3. 法人番号

また、今後は公開後の変更履歴(商号の変更、本店の移転など)も、基本3情報とあわせて確認できるようになります。さらに、この法人番号公表サイトでは、検索機能・データダウンロード機能・Web-API機能が用意されています。

検索機能


検索機能では、法人番号から検索して商号や所在地を調べることや、法人の商号および所在地などから検索して法人番号を調べることができます。支払調書で必要となる取引先の法人番号については、この検索機能を用いることで、法人の商号および所在地などから法人番号を調べることができます。

ただし、似たような商号の法人がある場合や、移転後変更登記をしていないため所在地が実際の住所と異なる場合などもあります(*)。このサイトで調べると同時に、直接取引先にも確認をとることをお勧めします。

(*)法人番号の通知書は、登記している本店または主たる事務所の所在地に送られます。本店の移転後、変更登記を行っていなくとも、郵送物の転送サービスを利用していれば、通知書は現在の本店所在地に転送されます。このような場合は、法人番号公表サイトで公開されている所在地が、実際に所在地と異なるため注意が必要です。
取引先への信用を考えると、公開されてる所在地が取引先に知らせている所在地と一致していることも重要です。まだ本店の移転後、変更登記を行っていない法人は早めに法務局や税務署へ移転手続きをされることをお勧めします。

ダウンロード機能


ダウンロード機能では、法人の基本3情報について2種類の方法でデータファイルが提供されています。各月の月末時点での最新情報が都道府県別で作成される「全件データ」と、新規に法人番号指定された団体の情報や、名称・所在地の変更情報が日次で作成される「差分データ」をダウンロードすることができます。

新規設立法人にDMを送付するなどの営業活動を行う場合、この差分データファイルのダウンロード機能を利用することで、無料で新規設立法人の名称・住所データを入手することができます。こうした営業活動を行っている中小企業などには、利用価値のある機能となります。

Web-API機能


Web-API機能では、利用者のシステムからリクエストを送信することで、指定した法人番号の法人に関する情報や、指定した期間および地域で抽出した法人の差分情報を取得するための、システム間連携のインターフェースが提供されます。

法人番号を指定してダウンロードする機能では、条件指定することにより指定した法人の変更履歴も併せて取得することもできます。差分情報をダウンロードする機能では、取得期間を指定しリクエストすることで、指定した期間における法人番号指定、商号・所在地の変更および登記記録の閉鎖などの事由に係る情報を、取得することができます。また、所在地(都道府県・市区町村)および法人種別を条件に追加することで、取得する情報を絞り込むこともできます。

今後、DMの宛名書きに利用されるようなソフトウェアの分野では、このWeb-API機能に対応した製品が出てくることが予想されます。

法人番号特有の目的 新たな価値の創出とは


マイナンバー制度の目的として、「行政の効率化」、「国民の利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」が掲げられています。法人番号も同様の目的をもって導入されるわけですが、法人番号特有の目的として、『新たな価値の創出』ということが掲げられています。政府広報などでは、「民間による利活用を促進することにより、番号を活用した新たな価値の創出が期待される」としています。

全国のすべての法人の情報が、法人番号を含む基本3情報および変更履歴のデータベースとして公開されます。これをベースに、基本3情報以外の企業情報を独自に付加して利用価値の高いデータベースを提供する、そのようなサービスがでてくる可能性もあります。

さらに、EDI(電子データ交換)の推進といった分野での法人番号の利用が考えられます。すでに業界によってはデータ形式など規格が決められているEDIですが、企業コードとして現在利用されているものを法人番号に統一し、請求書などのデータに活用することで、EDI(電子データ交換)の利用がより広範囲に拡大します。これにより、企業間での紙の書類のやりとりが電子データに置き換えられていき、中小企業においても取引の効率化が進むといったことも期待されます。

いずれにしても、「新たな価値の創出」という目的は、民間での積極的な法人番号の活用があって初めて実現されるものであることは間違いありません。法人番号をめぐる今後の民間企業の動きに注目したいところです。

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