知的財産を収益化するライセンス契約とは

企業が新商品の研究開発を実施する際は、より高品質のものを作り出すために、他者が所有する特許権や実用新案権を利用する必要が生じることがあります。逆に、自社が特許権や実用新案権などの知的財産権を所有する場合は、ライセンス化することでライセンス料をもらうことができます。

知的財産権による4パターンの収益化


企業が特許権や実用新案権などの知的財産権を保有する場合、これをビジネスに利用し、収益化するための手段は4パターンあります。

1.自社単独での製品開発
自社単独での製品開発をおこなう場合は、保有する知的財産を利用して製品を開発するだけの技術力や開発環境・設備を保有している必要があります。また、単独で製品開発をするため、製品化するためにかかる初期コストやリスクなどが、他の収益化の手段に比べて非常に高いといえます。

ただ当然、単独で製品開発をおこなうため、この製品による収益をすべて自社だけで享受することができます。また、将来的にも、継続的に収益を上げることができるという利点があります。

2.他社と提携をして製品開発
他者と業務提携を行い製品開発をおこなう場合は、単独で研究開発をすることに比べて、初期コストやリスクが軽減されます。また、業務提携により他者が所有する特許や実用新案も利用することができるというメリットがあります。

しかし、他者と提携して開発をしているため、得られた収益は分割されてしまい、単独で製品開発をおこなった場合に比べて多くの収益は見込めません。また、提携による自社の秘密情報の漏洩リスクや、製品開発によって得られた収益の配分をめぐったトラブルなどが、生じる可能性があります。

3.知的財産権の売却
自社にとって利用価値がない知的財産を売却することで収益を上げる手段です。自社にとって利用価値がない技術であったとしても、他の業種の会社にとっては利用価値がある場合があります。しかし、この手段による収益化は知的財産権を売却してしまうため、将来的に権利を利用する機会が生まれた際に、利用できないというデメリットが存在します。

4.知的財産権のライセンス化
自社の所有する知的財産権をライセンス化することで、それを利用した他社からライセンス料を受け取ることができます。ライセンス化する場合は、自社単独や他社との提携による研究開発をおこなう手段に比べて、初期コストやリスクが低いというメリットがあります。また、自社に知的財産を有効活用するだけの技術力や環境・設備がない場合は、他社にライセンスの許可を出すことで、自社で運用するよりも多くの収益を上げることができます。

知的財産のライセンス化は、売却とは異なり権利を放棄しているわけではないので、自社で研究開発のために知的財産を利用することもできるというメリットもあります。

ライセンス契約による3つのメリット


自社が保有する特許技術や実用新案、意匠などの知的財産のライセンス化をすることで、それを利用する他社からライセンス料を支払ってもらう契約のことを、ライセンス契約と呼びます。ライセンス契約では、ライセンスの許可を行う許諾者のことをライセンサー、ライセンスの許可を受ける者のことをライセンシーと呼びます。

ライセンス契約を行うことは、ライセンサーにとって3つのメリットがあります。

1.収益の獲得・研究開発資金の早期回収
ライセンス契約をした企業からライセンス料を受け取ることができるので、製品開発・販売以外の手段で収益化を図ることができます。自社に知的財産を有効活用するだけの技術力や環境・設備がない場合にも、ライセンス料によって収益を享受することができます。

また、ライセンス料収入によって早期に研究開発資金を回収することができ、次の研究開発費にも充てることができる場合があります。

2.自社技術のスタンダード化
特許技術や実用新案などをライセンス化して提供することで、自社技術を利用した製品が市場に出回るようになるため、業界内での自社技術のスタンダード化を狙うことができます。

3.クロスライセンス契約による他社技術の取得
互いにライセンスを提供し合うクロスライセンス契約を結ぶことで、他社が所有する特許などの知的財産権を無償、または安い対価で利用することができます。これにより自社技術を補完することができ、自社の研究開発にかかるコストを抑えることができます。

まとめ


知的財産権をライセンス化することで、自社内での製品開発への利用を併用しつつ、早期に収益を上げることができます。また、クロスライセンス契約により、自社の研究開発にも役立ちます。しかし、ライセンス契約は大きな利益を生むがゆえに、契約をめぐってトラブルが生じることがあります。ライセンス契約をするのであれば、専門家に相談した上でおこなうことをおすすめします。

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