3分で分かる!工業デザインを守る意匠権について解説!

ビジネス上で、特許権や商標権といった知的財産権についてはよく話題に上がりますが、同じ知的財産権である意匠権については話題に上がりません。そのため、意匠権についての認知度が低く、意匠権の侵害についてあまり危機感を抱いていない人が多いように感じられます。

しかしながら、2011年から起きているAppleとサムスンの知的財産権をめぐる訴訟問題では、大半が意匠権に関する侵害についての訴訟であり、数百億円という賠償額の支払いが求められています。意匠権は商品開発を行っていく上で、無視できない知的財産権であるといえます。(参照記事:「アップル対サムスン訴訟、賠償の大半が”意匠権侵害”」)

意匠権とは


意匠権によって守られる意匠とは、物品の形状・模様・色彩のデザインのことです。ただし、デザインといっても、絵画や彫刻などの美術品のデザインは意匠権によって保護されません。ポールペンやPC、机、ソファなどの工業的に大量生産が可能な製品のデザイン(工業デザイン)を保護するための権利です。例えば、スマートフォンの保護カバーのデザインも意匠権によって保護されています。

意匠とならないデザインの代表的な例としては以下のものがあります。

1.ロゴマーク
ロゴマークもデザインではありますが、意匠登録を行うのは相当困難であるといえます。ロゴマークの場合、それ自身が価値を有しており、物品に結びついていません。意匠法では物品に結びついたデザインを保護するため、物品が特定できない抽象的なデザインは意匠として認められません。

2.不動産
スカイツリーや建築家がデザインした住宅や橋などの不動産のデザインは、工業的に大量生産をすることができないので、意匠として認められません。しかし、組立家屋や電話ボックスなどの、設置前は運搬可能であり「動産」として扱うことができるもののデザインは、意匠登録をすることができます。

3.無機物
電気や光、熱などは物ではないため、花火やネオンサインなどのデザインは意匠として認められません。

意匠登録をする3つのメリット


工業デザインを意匠登録することには、以下の3つのメリットがあります。

1.模倣品対策
自社製品の安価な模倣品が出回ることによって、自社製品の市場価値が下落してしまいます。意匠登録をすることで、同一または類似したデザインの製品が市場に出回ることを防ぐことができ、ブランド力を強化することもできます。

2.他社の意匠権侵害を回避
意匠登録をせずに製品の製造を行っていた場合、意匠権を持つ他社の類似デザインを侵害してしまう可能性があります。意匠登録をすることで、他社の意匠を侵害していないことが証明できます。

3.技術保護の補完
技術を特許権で保護するだけでなく、形状を意匠権で保護することにより、製品を多面的に保護することができます。また、意匠権は出願から登録までの期間が短いため、技術が外観に現れるようなものであれば、登録までに期間を要する特許権の代わりに自社の技術を保護することができます。

意匠登録をするための5つの条件


工業デザインの中でも、意匠権として登録することができるものは限られており、以下の5つの条件をすべて満たしている必要があります。

1.先願意匠の一部と同一・類似でない
先に出願されていて、すでに登録されている意匠の一部と、同一または類似している意匠は登録することができません。

2.新規性がある
出願する意匠と同一または類似の意匠がすでに存在する場合は新規性がないため、登録することができません。

3.創作非容易性がある
新規性が確保されていても、創作が容易であると判断されるデザインは登録することができません。例えば、公知となっている形状や模様などを単に結合させただけのデザインは、創作非容易性がないと判断されます。

4.1つの出願に複数の意匠が含まれていない
複数の意匠をまとめて出願することはできません。ただし、一定の要件を満たしている物品は「組物の意匠」として、まとめて出願することができます。

5.意匠登録を受けることができない意匠ではない
①公序良俗に反する意匠
②物品の機能を確保するために必要不可欠な形状の意匠

まとめ


意匠権は、自社製品のデザインが、勝手に他社にコピーされることを防ぐために存在します。仮に、自社製品が爆発的なヒットを出すことができたとしても、意匠登録を行っていなければすぐに模倣品が作られてしまい、自社製品のデザインによる優位性が失われてしまいます。また、自社が開発したデザインを模倣した企業が、意匠権を自社よりも先に取得してしまえば、自社が訴訟されることも考えられます。まだ意匠登録を行っていない工業デザインがあるのであれば、意匠登録の出願をすることをおすすめします。

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