マタハラ防止策義務化へ、企業がとるべき対応は

先月、厚生労働省は、職場において妊娠や出産を理由とした不利益な取り扱い(マタニティー・ハラスメント)の防止策を企業に義務付ける方針を発表しました。来年の通常国会にて提出され、2017年には実施されることが予定されています。

マタニティー・ハラスメント、通称マタハラの問題は女性の社会進出に伴い、近年非常に騒がれています。特に雇用が不安定で立場の弱い派遣社員について問題が深刻化しています。

派遣社員の48%がマタハラを経験


今年の9月から10月にかけて、厚生労働省が初めてマタハラの実態調査を行いました。この調査委の結果、48%にも及ぶ派遣労働者がマタハラの被害を経験をしたことがあることが判明しました。(参照記事:マタハラ、派遣の48%「経験」 正社員は21% 厚労省調査)

現在、男女雇用機会均等法で、育休取得を理由に解雇や降格などのマタハラを行うことは禁止されています。しかし調査結果から、マタハラ被害を受けている労働者が多いことが判明したため、このような企業への対策を義務化する方針が発表されました。

また、これに伴って、マタハラ離職による失業の手当を、手厚くする方針も定められました。

マタハラ離職に対する手当が手厚く


マタハラによる被害が顕在化し、退職に追い込まれている労働者が多数いることも判明しました。このため、厚生労働省は、マタハラ離職に対する手当を厚くする方針を固めました。

マタハラ離職に対する手当が手厚くなることで、マタハラの被害を理由に会社を辞めた際に、雇用保険制度の特定受給資格を受けることができるようになります。従来は、マタハラの被害を理由に退職した場合、自己都合による退職という扱いとなったため、特定受給資格をもらうことができませんでした。特定受給資格を持っていないと、失業手当を長期間受けることはできなくなります。

しかしこれは、マタハラによる被害の根本的な解決には繋がりません。失業手当が手厚くなり、失業手当を長期間受けることができるようになったとしても、根本的なマタハラの問題は解決しません。また、マタハラの被害を理由とした退職がし易くなるので、離職率が上がり、企業側は労働力不足の問題に陥る可能性があります。

中小企業が人材不足に、経営にも大きなダメージ


今後、マタハラ離職に対する手当が手厚くなることにより、マタハラ被害による離職率が上がることが想定されます。これにより中小企業は大きなダメージを受けることになります。

大企業であれば、社員が1人に抜けたことによって致命的な人材不足となり、業務に甚大な被害が及ぶことは考えにくいと思います。しかし、中小企業や零細企業では、1人抜けることによって生じる負担は大きく、業務に大きな影響があるため致命傷となりえます。

また、1人抜けた穴をふさぐために人材を採用するコストがかかり、教育をする手間も発生するため、経営に大きな負担がかかります。このため企業はしっかりとしたマタハラ対策を行う必要があります。

育休支援をすることはデメリットではない


一般的に多くの企業は、従業員が妊娠・出産により産休・育休を取得することを嫌がります。育休による休業期間中の労働力が減り、復帰後もブランクが発生してしまうからです。しかし、従業員が休業することによる負担と、離職してしまうことによる負担とでは、どちらが会社にとってダメージが大きいかは一目瞭然です。

また、企業として育休取得を支援することにもメリットがあります。育休支援をすることで、企業のイメージアップに繋がり、新規に人材を採用する際も募集者が増え、優秀な人材を雇用することができるようになります。その他にも、育児休業制度促進のための助成金をもらうこともできます。これにより、育児休業中の代替要員を雇用する費用や、育休復帰後の教育の費用を抑えることができます。(参照記事:FacebookのCEOも推奨!企業が育休を支援する4つのメリット)

まとめ


今後の制度の改正に伴い、企業はマタハラに対して適切な防止策を打っていかねばなりません。対応に遅れれば、従業員の離職率が高まり、経営に致命的なダメージが及ぶことは考えるまでもありません。早期に対応して、育休取得を支援することで企業PRの効果も高まります。是非、企業として育休・産休を支援し、マタハラ防止に努めましょう。

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