泣き寝入りしない!債権回収の極意を弁護士が徹底解説

「取引先に注文の商品を納品したのに、支払期限がきても代金を払ってくれない」「お客様にサービスを提供したのに、代金未払いのまま連絡が取れない」「取引先に貸し付けた融資が、期限を過ぎても返済してもらえない」など、まさに経営にとって大きな痛手。

このように売掛金が回収できない、融資の貸付金が回収できないなど、債権の回収に不安が生じた場合、どうすればいいのでしょうか。

売掛金・貸付金の回収に不安を感じたら、早急に弁護士へ相談を!


債権が不良債権化しないように回収するためには、弁護士にご相談いただくのがベストです。その理由は、相手が支払ってくれない債権を強制的に取り立てるには、法的手続によらざるを得ないからです。

債権回収のタイミングを逃すと回収困難となります。不安が生じたら早急に弁護士にご相談されることをお勧めします。

債権回収のアプローチは3つの戦略から


売掛金や貸付金を弁護士に依頼して回収する場合、大きく分けて次の3つのアプローチがあります。それぞれメリット・デメリットがありますので、債権の金額や相手の資産状況などを踏まえて、ベストな方法を選ぶことが必要です。

1.低額&スピード解決も可能! 弁護士が直接交渉
訴訟等の法的手続きをとらず、代理人弁護士が直接相手と交渉して債権を回収する方法です。通常は、支払を督促する通知を内容証明郵便で送り、回収交渉を行います。

■ メリット
①相手が支払いに応じれば、スピード解決が可能(訴訟だと1年近くかかることも)。
②訴訟等の法的手続きに比べて、弁護士費用を低額にすることができる(訴訟外での交渉のみの弁護士費用は、一般的に訴訟代理を委任する場合より低額)。

■ デメリット
①相手が交渉で支払う気がない場合、支払いを強制できない。
②こちらが債権回収に動いていることを気づかれてしまうので、資産隠しをされるリスクがある。


2.訴訟を起こして和解or強制的に回収
裁判所に訴訟を起こし、勝訴後に相手の資産(不動産や預金など)差押えなど強制執行をして、強制的に債権を回収する方法です。

■ メリット
①訴訟を起こすことで、相手が支払いについて真剣になり、判決が出る前に和解し回収できる可能性がある(和解の場合は通常いくらか減額される)。
②判決が出た場合には、強制執行による回収ができる(差し押さえる資産があることが前提)。

■ デメリット
①交渉の場合に比べ、弁護士費用がかかる(全額回収できた場合の弁護士費用は、通常総額で2割程度)。
②時間がかかる(和解がされず判決まで至る場合、事案にもよるが、一審判決が出るまで半年から1年くらいかかるのが通常)。
③判決が出ても差し押さえる資産がない場合は、絵に描いた餅になってしまう。


3.相手の資産がなくなる前に、仮差押えしてしまう
訴訟は時間がかかるのが通常で、判決が出ても相手の資産がなくなっていれば、債権の強制的回収が不可能になってしまいます。元々相手に資産がない場合は仕方ないのですが、訴訟継続中に相手の資産が散逸して差し押さえができなくなる可能性もあります。

そのようなリスクを回避するために、訴訟を起こす前に、相手の資産を仮差押えしておくのです。勝訴後に差し押さえで回収する財産を確保しておけば、「勝訴したものの、肝心の資産がない」なんてことにならず、心配せずに訴訟に専念できます。

■ メリット
①迅速(申立てから通常1週間程度で発令される)
②相手に債権回収の動きがばれない(基本的に相手の関与なく、こちらの申立てだけで仮差押決定が出て、対象資産を仮に差し押さえることができるので、相手にはこちらの動きが分からない)。
③仮差押は弁護士費用が訴訟に比べて低額。
④仮差押をかけることで、訴訟に至る前に和解で解決できる可能性がある(メインバンクや主要取引先へ差押の通知が送達されると信用不安が生じるので、相手は早期に解決する必要に迫られる)。

■ デメリット
①担保金(請求債権額の2~3割)が必要(相手の関与なしに仮差押が発令されるので、相手が損害を被った場合の保証金)。
②仮差押後に本訴判決を得なければ、強制的な回収はできない。
③最終的に訴訟まで進んだ場合は、仮差押と訴訟の両方の弁護士費用が必要になり、弁護士費用が高額となる可能性がある。


3つの回収アプローチには、それぞれメリット、デメリットがあります。債権の金額、把握している相手の保有資産、回収のためのコストとして用意できる金額等のご事情に応じて、決める必要があります。

取引の内容、支払義務を証明することが必要


たとえ相手が支払い義務を認めなくても、こちら側が「相手とは取引をしたし、支払いの義務は発生している」ことを立証しなくてはなりません。それは3つのアプローチのいずれにおいても同様です。立証のポイントについて、以下でご説明します。

1.取引の合意内容を立証・・・FAXやメールでも証拠になる
まず、当該取引についての支払いの合意内容を立証する必要があります。要するに、「この商品を納品したら、相手がいつまでにいくらをこちらに支払わなければならない」「○円を貸し付けたから、○年○月○日までに相手がこちらに返金しなければならない」といった合意内容です。

立証するための証拠としては、契約書が最もスタンダードなものです。しかし、いちいち契約書を作らないこともあります。そのような場合でも、支払いについての合意内容を示す資料があれば立証可能です。

例えば、見積書、発注書があれば、合意内容についての有力な立証資料となりますし、相手との書面(FAXやメール、LINEメッセージでも可)でのやり取りなどでも、合意内容が明らかであれば有効です。

ただし、議事録やメモのようにこちらだけで作成した書面では証拠力が弱いため、合意内容について相手とのやりとりが見える形で残すことが必要です。メールの引用返信などがあれば、双方のやりとりを把握しやすいので、有力な立証資料にできます。

また、書面の立証資料だけでは足りない場合は、証人尋問などの人証で補充することもできます。

2.支払義務の発生の立証・・・納品書や振込み明細で証明
相手の支払義務についての合意内容の立証の次に、支払義務があることを立証する必要があります。具体的には、こちらが商品を納品し支払期限がきたことや、貸付金についての支払期限がきたことを立証する必要があります。

立証資料としては、上記「1.取引合意内容」の立証資料と重複するものもありますが、売買契約の場合の納品書や、貸付契約の場合の振込みの明細書や通帳の記録などがあります。

以上、立証についてのポイントを簡単に説明させていただきました。なお、仮差押の場合は、簡易・迅速な審理で判断する手続きの性質上、客観的な資料がある程度揃っていなければ、裁判所に決定を出してもらえませんので注意が必要です。

相手の取引銀行や取引先を把握しておこう


相手に資産が全くない場合には、債権回収はできません。

債権回収では、まずは相手が有している資産内容を把握することが重要です。なお、相手が法人である場合、保証契約を締結していない限り、代表者個人に対しては履行請求できないので、代表者個人の資産は対象外となります。

相手の資産としては、不動産、預金、売掛債権、貸付債権などがあります。具体的にいくらの預金や売掛債権があるのかまで把握するのは容易ではありませんが、相手の取引銀行(できれば支店まで)や取引先情報が分かっていれば、そこからの回収が期待できます。

なお、現実的にはメインバンクや主要取引先に対する差押・仮差押をかけると、相手の信用に対するダメージは大きいので、空振りであっても回収に結びつく可能性があります。

タイミングを逃すと債権回収が困難になることも


債権を回収して不良債権化しないために必要な基礎知識の概要を説明させていただきました。実際には、どの回収アプローチをどのタイミングで取るべきかを、取引形態、相手の資産状況に応じて臨機応変に判断し、ベストな回収手段を選ぶ必要があります。

債権回収については、タイミングを逃すと回収困難となりますので、回収不安が生じたら早急に弁護士にご相談されることをお勧めします。

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