平成27年法改正で厳格化 ! 労働者派遣事業許可申請に向けてのスケジュールチェック

平成27年の通常国会で成立した改正労働者派遣法。施行に伴い、派遣の根本的なルールが大きく変更されることになりました。派遣労働者そのものの働き方への多大な影響はもちろん、派遣元、派遣先双方の企業にとっても、経営上、実務上に大きな影響を及ぼす大改正であったと言われています。

SHARESでも、社会保険労務士へのご依頼案件の中に、労働者派遣事業の申請に関わるものを多く見かけるようになりました。そこで今回は、労働者派遣事業の許可申請をご検討中の事業主様に向け、申請に伴う具体的な手続きの流れをご紹介することにいたしましょう。

労働者派遣事業の許可申請には、時間的に余裕をもって臨みましょう


労働者派遣事業の許可申請そのものについて、必要書類の作成や労働局への提出自体はさほど難しいものではありません。ただし、そもそも申請に必要な要件を満たしていない場合、不足する事項についてイチから検討し、要件をクリアできる様に対応していかなければならず、その点に時間を要する場合があります。
また、必要な体制を整えて書類を準備し、ようやく申請に進んだとしても、労働局への提出から審査を経て、実際に許可が下りるまでには3ヵ月ほどの期間を想定しなければなりません。

よって、労働者派遣事業の許可申請を予定されている事業主の皆さんは、充分な準備期間の確保をされた上でご検討いただくことをお勧めします。

具体的な申請スケジュールを把握しましょう


それでは、さっそく具体的な申請のスケジュールを確認していきましょう。

1. 許可基準の自己チェックをしましょう


労働者派遣事業の許可要件については、下記の様式第15号「労働者派遣事業の許可申請にあたっての自己チェックの結果について」に必要事項が挙げられています。
まずは一読の上、自社に足りない要件の有無と具体的な内容を確認しましょう。

東京労働局ホームページ「労働者派遣事業関係」ページ内でダウンロードできる様式第15号「労働者派遣事業の許可申請にあたっての自己チェックの結果について」をご参照ください。

まずは大前提として「欠格事由に該当しないこと」があります。
参照 : 欠格事由

上記を満たした上で、下記①~③の要件を充たす必要があります。

①財産的基礎
1) 資産の総額から負債の総額を控除した金額(基準資産額)が、[2,000万円 × 派遣を行う事業所数]以上であること
2) 上記の基準資産額が、負債総額の7分の1以上であること
3) 現預金額が、[1,500万円 × 派遣を行う事業所数]以上であること
※ただし、「1事業所かつ常時派遣する労働者数が10人以下の事業所」では、現状、特例措置があります。詳細は様式第15号「労働者派遣事業の許可申請にあたっての自己チェックの結果について」の該当箇所参照

②事業所
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)で規制する風俗営業や性風俗特殊営業等が密集するなど事業の運営に好ましくない位置にないこと。
・事業に使用し得る面積がおおむね20㎡以上あること。

③キャリア形成支援制度
平成27年派遣法改正の目玉の一つが、「派遣労働者のキャリア形成支援制度」に関する許可基準の追加です。
具体的には様式第15号「労働者派遣事業の許可申請にあたっての自己チェックの結果について」の2枚目「派遣労働者のキャリア形成支援制度の事項」で充たすべき要件が挙げられています。

主な柱としては下記があります。

・派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定めていること
・キャリアコンサルティングの相談窓口を設置しており、雇用するすべての派遣労働者が利用できること
・キャリア形成を念頭に置いた派遣先提供のための事務手引、マニュアル等が整備されていること
・教育訓練の時期や一定の期間ごとに、一定の教育訓練が用意されていること

これらの点に関しては、キャリアコンサルティングをリードしていく担当を立てる必要があり、自社内での選任又は外部委託の検討等が必要になります。労働者派遣事業申請に伴い、事業主様からご相談の多いテーマですので、具体的な内容については社会保険労務士にお問い合わせいただければと思います。

上記の他、下記についても適正な状態を整えておかなければなりません。

・派遣元責任者講習の受講手配
・労働保険・社会保険への加入適正化
・個人情報適正管理規定の整備
・定款の変更
・就業規則、労働契約の記載事項の確認と追記
・安全衛生教育の実施体制の整備

社会保険労務士が要件のチェックや各要件に対するサポートをいたしますので、お気軽にご依頼ください。
申請に先立ち、事前準備として諸々整備するべき事項、要する時間は会社によって様々です。事前に不足する要件をご確認いただいた上で、専門家にご相談いただけるとスムーズです。

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★ 派遣元責任者講習の受講については、講習の予約が取りにくい場合がありますので、取り急ぎ手配だけは早めに進めておくのが得策です。

★ 就業規則未作成の会社では、この申請に伴い新たに作成することをお勧めします。その際は、派遣労働者向けに内容を整備しておくと良いでしょう。

2. 添付書類を準備しましょう


許可申請に必要な要件が整ったら、申請に必要な書類を手配します。添付書類については、下記URLの通りです。

労働者派遣事業許可申請 添付書類一覧

「③代表者・役員の住民票の写し」「④代表者・役員の履歴書」等、取り寄せに時間を要する書類も含まれているので、こちらも早めの手配を心がけましょう。

3. 許可申請書、事業計画書を作成しましょう


許可要件の確認と添付書類の手配が整ったら、いよいよ許可申請書と事業計画書の作成を進めてまいりましょう。様式は下記URLからご参照いただけます。

参照 : 東京労働局ホームページ「労働者派遣事業関係」ページ内の「2 労働者派遣の許可(新規・更新)について」→「◆ 許可申請にかかる様式について」をご参照ください。

これらは実際の審査において特に重視される書類となるため、作成には注意を要します。ご依頼により、社会保険労務士が代行することも可能です。

4. 許可申請書一式を提出しましょう


無事に許可申請書類一式が揃ったら、事業主の主たる事業所を管轄する都道府県労働局に提出します。例えば、本社が東京で派遣事業は大阪の支店で行う場合には、とうきょうの労働局あての提出になるのでご注意ください。

5. 許可審査の結果を待ちましょう


提出された許可申請書は、厚生労働省による審査と労働政策審議会の意見聴取を経ることになります。このため、手続きに2~3ヵ月ほどの期間を要するため、ゆとりを持った提出を心がけましょう。不足書類等があればこのときに連絡がありますので、都度対応します。

6. 許可証の交付を受けましょう


審査等を経て問題なければ、ようやく許可証が交付されます。

まとめ


以上、長くなりましたが、労働派遣事業許可申請のスケジュールをご紹介しました。平成27年改正に伴い、許可要件は一層厳しくなっていますが、派遣事業開始の準備を通じて事業全体を見直すチャンスともなり得ます。
この機会にじっくり見直しの時間をとってみてはいかがでしょうか?

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