今年8月に支給対象地域が全国に ! 最低賃金の改定に伴い要チェックの「業務改善助成金」

8月22日付でアップした『今年度は過去最高の引き上げに ! 平成28年10月改定の最低賃金に要注意』の記事の通り、来月10月1日から順次、各都道府県の最低賃金が改定されることになっています。

このタイミングにあわせて、「従業員の時給を見直そうか」とお考えの事業主様も多いのではないでしょうか?

従業員の賃金引き上げを検討されている場合、「業務改善助成金」の支給対象となるケースがあります。この助成金については、これまで支給対象地域が40の道県に限定されていたところ、今年8月24日(第二次補正予算閣議決定後)の申請より対象が47都道府県に拡大される等、格段に使い勝手が良くなっています。

そこで今回の記事では、過去最高額となる最低賃金増額改定を目前に控えた今、企業が注目すべき「業務改善助成金」についてご紹介することにいたしましょう。

キーワードは「事業場内の最低賃金引き上げ」と「生産性向上のための設備投資」


「業務改善助成金」は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。具体的には、“生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)”などを行い、“事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ”た場合に、その設備投資に関わる費用の一部が助成されます。

厚生労働省ホームページに挙げられている支給要件は、

1. 賃金引上計画を策定すること
2. 引上げ後の賃金額を支払うこと
3. 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
4. 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと
参照 : 業務改善助成金の概要 - 厚生労働省

とされており、申請にあたって「業務改善計画(設備投資などの実施計画)」と「賃金引上計画(事業場内最低賃金の引上計画)」を提出し、都道府県労働局において助成金交付決定通知を受けることが必要です。

その後、事前に申請した通り各計画を実施、事業実績を報告して内容が認められれば晴れて助成金支給確定となります。

事業場によっては「30円以上」の引き上げから支給対象に


助成金申請の対象となるためには、一体どの程度賃金を引き上げる必要があるのでしょうか?具体的な引き上げ額、対象となる事業場の要件、助成上限額が下記の資料にまとめてありますので、ご確認ください。

東京労働局『業務改善助成金の拡充のご案内』

従来は、「事業場内最低賃金が800円未満」の中小企業・小規模事業者が、「60 円以上」のの引き上げを行うことが条件でした。

この点について、平成28年8月24日以降申請分からは、

・事業場内最低賃金が 1,000 円未満の事業場まで対象となり、結果的に47都道府県すべてが対象地域となった

・現行の「60円以上引き上げ」に加え、引上げ額選択コースとして「30 円コース」、「40 円コース」、「90 円コース」、「120 円コース」が新設

となりました。ただし、それぞれの引上げ額選択コースについては、助成対象となる事業場に条件があります。どの会社でも30円以上引き上げればOK、というわけではありませんのでご注意ください。

「生産性向上のための設備投資」とは?


業務改善助成金の本来の目的は、設備投資等により生産性を向上した上で、従業員の賃金引上げを実現することです。ところが、「生産性向上のための設備投資」といっても、具体的にどんなことが該当するのか、事業主にとっては判断に困る部分でもあります。特に東京や大阪などの大都市は今回新たに助成金支給対象地域に加わったこともあり、業務改善計画の策定は余計に難しく感じられるかもしれません。

業務改善助成金の支給対象となった具体的な事例については、厚生労働省が事例集を出していますので参考にしてみてください。

例) 厚生労働省『生産性向上の事例集』
※ただし、上記冊子には今回の拡充内容が反映されていませんので、対象となる要件が旧制度のままとなっております。あくまで事例のみを参照する形でお役立てください。

また、今回の改正を受け、「人材育成・教育訓練費」「経営コンサルティング経費」も助成対象となりましたので、企業においてはより一層幅広い活用が想定できるものと思われます。


以上、今号では先日拡充されたばかりの「業務改善助成金」について、具体的な変更点を中心にご紹介してまいりました。ここではざっくりとした概要しかご紹介できていませんが、実際に申請する上ではマニュアルに沿って細かな点にまで配慮し、戦略的に準備を進めていく必要があります。

この助成金についてもう少し詳しく知りたい、具体的に申請を目指してみたい等のリクエストがございましたら、ぜひ個別にご相談いただけますと幸いです。

この記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

SHARESとは
現在1,500社以上のお客様にご利用いただいている
日本最大級の専門家相談サービスです。

月額費用ゼロ、手数料ゼロ、最短30分で無料見積

専門家からシステム利用料をいただくモデルですので、
月額費用、手数料などは一切かかりません。
実際に仕事を依頼した際に専門家への支払いが発生します。


SHARESトップページはこちら
依頼できる内容一覧はこちらをご確認ください。

関連記事