中小企業が活用できる税額控除「中小企業等投資促進税制」を徹底解説 !

概要


法人税法の改正について前回、記載した中で租税特別措置法の縮減についても少し触れたのですが、そもそも中小企業で使える税額控除とは何かという点について解説していきたいと思います。

税額控除とは


法人税については会社が該当する決算期で生み出した利益をベースとした課税所得に対し税率が掛けられ計算されます。その計算で算出された所得税額から直接一定の金額を控除できるというものが税額控除であります。 個人でいえば住宅ローン控除などが税額控除の代表的な存在であり、節税効果が高いものとなります。

代表的な特別税額控除について


ここでは現在、中小企業において選択することができうる特別税額控除について該当する会社の多い代表的なものをいくつかご紹介します。

■ 代表的な特別税額控除について
1. 中小企業等投資促進税制
└ 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除

2. 中小企業者等における教育訓練費の税額控除
└ 平成20年4月1日から平成24年3月31日までに開始した事業年度分

3. 中小企業技術基盤強化税制

4. 子育て支援税制
└ 事業所内託児施設等の割増償却

5. 雇用促進税制
└ 雇用者の数が増加した場合の税額控除

6. 所得拡大税制
└ 雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除

全4回に分けて解説をしていきます。

まず今回は1. 中小企業等投資促進税制についてとりあげたいと思います。

1. 中小企業等投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)


中小企業投資促進税制とは


中小企業が、新品の機械や装置などの税制対象の設備を購入または制作して指定の事業において使用した場合に特別償却又は税額控除が認められる制度です。

さらに一定の場合(特定生産性向上設等に該当する資産の取得の場合)にはより上乗せをして節税ができる制度となっております。こちらは生産性向上設備投資促進税制と非常に似ていますが中小企業投資促進税制の利用の方が一般的には有利となっています。

それでは税額控除の対象となる条件を見ていきましょう。

条件


① 対象となる法人
税法上に記載されている税額控除の適用の対象となる法人において税額控除の対象となります。対象となる条件は下記です。

・資本金又は出資金の額が3,000万円以下の法人
・資本金又は出資金をもたない法人のうちで、常時使用する従業員が1,000人以下の法人
・農業協同組合など


② 対象となる事業
下記が対象となる事業の一覧です。

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業・その他の飲食店業(料亭、バー、ナイトクラブその他これらに類する事業は除きます。)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業及び沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、通信業、損害保険代理業、サービス業(映画業、通信業以外の情報通信業、駐車場業、宿泊業、医療・福祉業、教育・学習支援業、自動車整備業、機械・家具等修理業、その他の事業サービス業、廃棄物処理業)

出典:中小企業の経理担当者のみなさまへ(P.12) - 中小企業税制

対象外となっている事業でないことの確認は必須です。

③ 対象となる資産
下記設備が対象となります。ただし新品であることが要件である点に注意が必要です。

設備 要件
機械装置 すべて(1台 160 万円以上)
器具備品、工具 ・一定の電子計算機(複数台計 120 万円以上)
・一定のデジタル複合機(1台 120 万円以上)
・一定の試験又は測定機器、測定工具・検査工具(1台30 万円以上かつ複数台計 120 万円以上)
ソフトウエア 一定のソフトウエア(複数基計 70 万円以上)
貨物自動車 車両総重量 3.5t以上
内航船舶 取得価額の 75%が対象

出典:中小企業の経理担当者のみなさまへ(P.11) - 中小企業税制

また「先端設備」(通称:A類型)または「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」(通称:B類型)の要件を満たしている設備については上乗せ措置の対象となります。上乗せ措置が可能な場合は税額控除できる金額が3%増加し取得価額の10%までの税額控除が受けられることとなります。

上乗せ措置が適用できる対象資産については下記にまとめております。

設備 取得価額 A類型 B類型
機械装置 1台160万円以上 適用有り 適用有り
一定の電子計算機 複数台計120万円以上 適用有り 適用有り
一定のデジタル複合機 1台120万円以上 適用無し 適用有り
一定の試験または測定機器 1台30万円以上かつ複数台計120万円以上 適用有り 適用有り
一定のソフトウェア 複数合計70万円以上 適用有り 適用有り
普通貨物自動車 車両総重量3.5t以上 適用無し 適用無し
内航船舶 取得価額の75%を対象 適用無し 適用無し

ここまでで税額控除の適用が可能かもしれない ! と思いましたら、さらにA類型、B類型にあてはまるのか顧問税理士等に確認してみましょう。

④ 税額控除できる金額
基準取得価額の7%相当額の控除が可能です。 ただしその額が該当事業年度の法人税額の20%相当額を超える場合には、控除を受けることのできる金額は、その20%相当額が限度となります。20%を超えた分については翌年まで繰越することが可能です。

適用手続き


税額控除の場合、法人税の確定申告書に「別表六(十二)」と「適用額明細書」を添付することで税額控除の適用を受けることができます。

検討すべき企業


大きな設備投資を行う予定がある会社ではまず投資対象が対象設備であるかどうかを確認する事が重要です。税額控除については通常期末前に資産を買った時に発生する費用の期間按分という悩みは発生しません。取得タイミングに関係なく該当する決算期で税額控除をしっかりとうけることができるのもメリットの一つです。そのため特に期末時に大きな設備投資を行う予定がある企業についてはこういった税額控除の適用を真剣に検討していただいてはいかがでしょうか。

まとめ


法人税額控除は直接税額が控除できるという点で重要性が非常に高いものとなります。たとえば5万円の税額控除をうけられるとしたらだいたい15万円分程度の経費が認められることと同様の価値があるといえますし、薄利多売の商売であれば100万円程度の売上に匹敵するような場合もございます。
中小企業にとって税額控除はとても有効な税制ですのでうまく利用することは経営の健全化にとって大きなポイントとなります。次回以降でも様々な税額控除についてご紹介していきますので対象となるものはないか、十分ご検討いただければと思います。


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