ストレスチェックだけじゃない ! 「従業員数50名以上」になったらやるべきことリスト ~前編~

「来期で社員数が50名を超えそうなのですが、会社としてやるべきことが増えますよね」

こちらは先日、ある社長さんからいただいたご相談です。社長お一人からスタートされ、順調に事業を拡大し、社員数は今や50名目前とのこと。創業当初からのお付き合いなので、サポートする側にとっても嬉しいご相談でした。

しかしながら、規模が大きくなるということは、それだけ会社の責任は重くなるということ。当然、会社としてはこれまで以上に体制を整えていく必要があります。
とはいえ、具体的に何をどうするべきかと問われれば、途端に「???」となってしまう事業主様は少なくないように思います。

そこで今号、そして次号と2週に渡り「従業員数50名以上になったらやらなくてはならないこと」をテーマに、具体的な事柄を解説することにいたします。
もうすぐ50名に達しそうな会社はもちろん、これから事業拡大を狙っていく会社も、ぜひチェックしてください。

従業員50名以上になったらやるべきこと5つ(平成28年9月16日現在)


✔ 産業医の選任
✔ 衛生管理者の選任および衛生委員会の設置
✔ 定期健康診断結果報告書の提出
✔ 障害者1名以上の雇用・障害者雇用状況の報告
✔ ストレスチェックの実施

上記の他、業種(林業・鉱業・建設業・運送業など)によっては「安全管理者の選任」も必要になりますが、ひとまず全業種共通のチェック項目としては上記5点となります。

さっそく、一つひとつを具体的に解説していくことにいたしましょう。

産業医の選任


産業医とは、簡単にいうと「会社の顧問医」のことです。会社の実態を把握した上で、そこで働く労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導やアドバイスを行う医師のことを指します。労働安全衛生法では、「常時 50 人以上の労働者を使用する事業場において選任義務あり」と定められています。
産業医についての説明は、厚生労働省から資料が出ているので参考にしてみてください。

参照 : 厚生労働省「産業医について」

産業医選任にあたり、まずは健康診断でお世話になっている医療機関や、事業所所在地の都道府県医師会または郡市区医師会に相談してみることをお勧めします。

衛生管理者の選任および衛生委員会の設置


<衛生管理者とは?>
衛生管理者の位置付けは「職場における頼れる相談役」といったところでしょう。働く人の健康やメンタルヘルスを管理し、さらに職場環境が快適かつ安全かどうか常に気を配ることが主な役目です。
職場の衛生管理については本来産業医の管轄となりますが、そもそも専任ではない状態ですべてを把握し、必要なケアを行っていくのはなかなか困難でしょう。そういった意味で、企業には現場をよく知る指導員的役割を担う人が必要だということから、衛生管理者の設置が義務づけられるようになったようです。

衛生管理者に関する具体的な要件や職務については、下記をご参照ください。
参照 : 東京労働局「「総括安全衛生管理者」 「安全管理者」 「衛生管理者」 「産業医」のあらまし」

専任義務のある衛生管理者については、企業の人事・総務担当者が業務にあたるケースが多いようです。それなりに長く会社に在籍する中堅以上の社員で、皆からの信頼が厚く、気軽に相談できるような方を選んで、衛生管理者免許を取得してもらうよう打診してみましょう。

下記は、よくあるケースではありますが、衛生管理者の選出として相応しくない例です。

・現場で人事権を持っている方・・・相談相手に重要な権限があるとすれば、社員はたとえ何かあっても気軽に相談できませんね

・人事総務には全く関係ない部署だけど、とりあえず資格だけ持っている方・・・登録者が実務にあたっておらず、名義のみの登録となれば処罰対象となります。

上記を加味した上で、御社における適任を検討してみてください。

衛生委員会とは?


衛生委員会とは、職場環境や労働者の健康管理など衛生に関するテーマについて労使が一緒になって検討し、労働災害防止に取り組む場を指します。
具体的な目的や構成、委員会のテーマについては、下記の資料が参考になります。

参照 : 厚生労働省『安全衛生委員会を設置しましょう』

ここでは、具体的な衛生委員会設置手順の流れをご紹介しておきます。

① 衛生委員会規程の作成
委員会を設置するにあたり、委員会の目的、構成、運営方法、調査・審議する事項等をまとめておきましょう。
規程の作成については、東京労働局からひな形がでているのでこちらを元にして作成する、社会保険労務士にご依頼いただくといった方法がありますが、ひな形を使う場合、会社の状況にそぐわないケースがあるため適宜修正を施す必要があります。

参照 : 東京労働局『安全衛生関係のパンフレット等(東京労働局版)』

② 構成委員の選出
衛生委員会の構成員は、
1. 総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者等
2. 衛生管理者
3. 産業医
4. 労働者(衛生に関する経験を有する者)
です。

「1. 総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者等」については議長となる人で、事業主や支店長、工場長、人事・総務部長などがそれにあたるケースがほとんどです。

「4. 労働者」については、労働者の過半数で組織する労働組合(労働組合がない場合は、労働者の過半数代表者)の推薦に基づき会社が指名した者となっています。もちろん、衛生管理の実務に携わっている者の中から選ばれる必要があります。

③ 委員会の開催
衛生委員会の開催において、ポイントとなるのは「最低月1回以上の開催」「法定事項(労働安全衛生規則21条、22条)の調査審議」「議事録作成と3年保存」「労働者に向けた議事内容の周知」となります。
会の開催自体がくれぐれも形骸化しないよう、その時々で旬のテーマを扱う、出来るだけ具体的な話題を議論する、社外専門家を招く等の工夫が必要です。


さて、長くなりましたので、続きは次号で解説することにいたします。
今号では、参照資料となるURLを多数ご紹介いたしました。まずはそれらに目を通していただき、ご質問やご相談等ある場合には社会保険労務士にお問い合わせいただけますと幸いです。


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