いよいよ来年1月から!育児・介護休業法はどう変わる? ~育児休業編~

先週に引き続き、平成29年1月1日より施行される改正育児・介護休業法をテーマに、現行制度の概要と改正ポイントの確認をしていきたいと思います。

今週は育児休業制度についてのお話です。

育児休業制度の概要を整理しておきましょう


まずは現行制度の確認からまいりましょう。育児休業については、企業における事例として介護休業の取得よりも多く見られることから、事業主や人事担当者であれば既にご存じの方が多いかもしれません。

介護休業について同様、下記の厚生労働省資料が参考になります。

参考:厚生労働省『仕事と家庭の両立支援対策の充実について(12月21日労働政策審議会雇用均等分科会報告書)概要』
※ 5ページ 「妊娠・出産・育児期の両立支援制度(現行制度)」参照

ポイントを以下にまとめておきます。

・育児休業の取得
期間は1歳の誕生日の前日(子の養育の事情に応じて最長1歳6か月)まで
取得可能となる労働者の要件は下記の通り
① 申出時点で1年以上継続して雇用されていること
② 1歳以降も雇用継続の見込みがあること
③ 2歳までの間に更新されないことが明らかである者を除く
※ ②と③は、申出時点(①の時点)で判断

・所定労働時間の短縮措置等
原則として「短時間勤務制度(1日の所定労働時間が6時間以下)」の導入
ただし、短時間勤務制度を講じることが困難な場合には、下記の代替措置をとること
- 育児休業に関する制度に準じる措置
- フレックスタイムの制度
- 始業又は終業時間を繰り上げ、繰り下げる制度(時差出勤)
- 保育施設の設置運営、その他これに準ずる便宜の供与

・所定外労働の制限

・子の看護休暇
子供1人につき年5日、2人以上の場合は年10日付与

・時間外労働・深夜業の制限

上記のうち、混同されがちなのが「所定外労働の制限」と「時間外労働の制限」です。

そもそも「所定内労働」とは就業規則等で定められている会社独自の労働時間を指し、これを超過すると「所定外労働」となります。
「時間外労働」は法定労働時間(1日8時間、週40時間)の枠を超えた労働時間を指します。

9時~18時(うち1時間休憩)の会社であれば、所定外労働=時間外労働となるためさほど混乱はないでしょう。

一方で、例えば9時~17時(うち休憩1時間)の様な1日7時間就業の会社で通常の時間よりも多く働いた場合、17時~18時間は所定外労働となり、18時以降が時間外労働となるわけです。

少しややこしいですが、育児・介護休業法では本人の申出により、両方もしくはいずれかの就業を制限することが可能となります。

また、意外と知られていないのが「子の看護休暇」でしょう。子供の病気などで労働者が突発的に休む場合、実務上、有給休暇の取得として処理するケースが多いと思います。ですがこの場合、法律上は「子の看護休暇」の取得が可能です。ちなみに、「子の看護休暇」を有給にするか無給にするかは会社に委ねられており、その取扱いを就業規則内に定めておく必要があります。

「育児休業制度をより使いやすく」が今回の法改正の目的


これまで挙げてきたように、ひと口に“育児休業制度”といっても、単に産後に休暇を取得させれば良いというだけではなく、出産・育児と職業生活との両立のため、復帰後に働きやすい環境作りを目指していくこともまた、重要な狙いであると言えます。

今回の法改正では、従来の育児休業制度を一層実用的なものにすべく、下記の4点について変更されます。

✓ 子の看護休暇が半日単位でも取得可能に
これまでは「1日単位」での取得とされていた子の看護休暇について、「半日(所定労働時間の1/2)」単位での取得が可能になりました。これにより、「午前中に子供を病院に連れて行ってから出社」「保育園からお迎えの依頼が来て早退」といった際にも柔軟に取得できるようになります。

✓ 有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和有期契約労働者の育児休業について、
①当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること
②子が1歳6ヶ月に達する日までの間に労働契約が満了し、かつ、契約の更新がないことが明らかな者を除く
という要件に緩和されます。つまり、
・「子が1歳以降も雇用継続の見込みがあること」→廃止
・「子が2歳までの間に更新されないことが明らかである者を除く」→「2歳」が「1歳6ヵ月」に変更される
と変更されることになります。

✓ 育児休業等の対象となる子の範囲
従来は、法律上の親子関係である実子のみが対象でしたが、改正によって、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子といった「法律上の親子関係に準じるといえるような関係にある子」も対象となります。

✓ 不利益取扱い防止措置の義務 ≪新設≫
「上司・同僚など」が職場において、妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする就業環境を害する行為をすることがないよう防止措置を講じなければならない旨が、事業主の義務となりました。
これまでは、事業主に対する不利益取扱い禁止義務として「妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱いをしてはならない」という定めにとどまっていましたが、これに加え、新たに防止措置の義務が課せられることになりました。

上記の内容は、下記の資料にまとめられています。

参考:厚生労働省『育児・介護休業法が改正されます! -平成29年1月1日施行-』
※ 3~4ページ参照

さて、前号そして今号と2週にわたり、改正育児介護休業法のポイントをご紹介してまいりました。これらを踏まえ、まずは既存の規程を改定し、社内での周知を徹底する必要があります。

改正法の施行は来年年明け早々ですので、遅くとも今のタイミングから着手し、年内には対応を完了させるようなスケジューリングが必須であると言えます。

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