中小企業が活用できる税額控除「子育て支援税制」のポイントを税理士が徹底解説 !

概要


前回の記事「中小企業が活用できる税額控除「中小企業技術基盤強化税制」を徹底解説 !」に引き続き、中小企業において使用できる税額控除制度のご紹介をさせていただきます。
今回は「子育て支援税制」について取り上げていきます。

毎回のおさらいにはなりますが、代表的な特別税額控除は下記のような種類があります。

■ 代表的な特別税額控除について
1. 中小企業等投資促進税制
└ 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除

2. 中小企業者等における教育訓練費の税額控除
└ 平成20年4月1日から平成24年3月31日までに開始した事業年度分

3. 中小企業技術基盤強化税制

4. 子育て支援税制
└ 事業所内託児施設等の割増償却

5. 雇用促進税制
└ 雇用者の数が増加した場合の税額控除

6. 所得拡大税制
└ 雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除

今回の子育て支援税制については非常に対象となる事業者が少ないニッチな制度かつ税額控除ではなくあくまで課税の繰り延べができるという制度のため、簡単に確認していきます。

4. 子育て支援税制(事業所内託児施設等の割増償却)


近年、個人の所得税についても子育て支援に要する税制措置の創設にむけての税制改正の要望がだされており、特定支出控除の対象にベビーシッター等子育て支援に要する費用を追加することやベビーシッター等子育て支援に要する費用を対象とする新たな控除制度を創設することなどが強く望まれております。

これらは保育サービス等を利用できない場合でも、子育てしやすい環境や女性が働きやすい環境の整備をすることで若い世代が安心して結婚し子供を産める環境を目指すものでありますが、残念ながらまだ採用されるには至っておりません。

一方で子育て家庭を支援する企業については政府としても応援をしようとして設立されたのがこの子育て支援税制です。

この制度では事業所内託児施設を設置する企業に対し事業所内託児施設や同時に取得した遊戯具等について割増償却が認められ、一時的に課税を繰り延べることが可能となります。

それでは対象となる条件を見ていきましょう。

条件


① 税法上に記載されている税額控除の適用の対象となる法人


・次世代育成支援対策推進法に規定する一般事業主行動計画(託児施設の設置及び運営に関する事項が定められているもの)を厚生労働大臣に届け出ている青色申告法人
・中小事業主以外の法人にあっては行動計画の内容を公表していることも要件
・平成23年6月30日前に対象資産を取得等している法人

② 対象となる事業年度


適用対象資産を使用開始したその日を含む事業年度開始の日以後5年を経過した日の前日までの期間内の日を含む各事業年度で、かつ、その事業年度終了の日においてその適用対象資産を有している各事業年度

平成23年6月30日前に対象資産を取得等している必要があるので、対象となる法人にとっては税制を適用できる最終年度となりますので要注意です。

③ 対象となる資産


(1) 事業所(社宅を含みます。)の敷地内、事業所の近接地又はその法人の雇用する労働者の通常の通勤経路に設置されるもので、継続的にその用に供されることが見込まれるものであること。
(2) 託児施設の規模が基準を満たしていること。
(3) 託児施設の構造及び設備が基準を満たしていること。
(4) 保育士の数は、乳児おおむね3人につき1人以上、満1歳以上満3歳未満の幼児おおむね6人につき1人以上、満3歳以上満4歳未満の幼児おおむね20人につき1人以上、満4歳以上の幼児おおむね30人につき1人以上とすること。
(5) 医療を受けることができる体制が確保されていること。
(6) 託児施設の利用者の総数のうちその法人の雇用する労働者の占める割合が二分の一以上であること。
上記の要件を満たす必要があり、要件は厳格になっています。

※(2)(3)の基準については割愛させていただきますが、国税庁HPにて確認できます。

④ 割増償却できる金額


事業所内託児施設等の普通償却限度額とその普通償却限度額の20%(中小事業主は30%)相当額との合計額を償却限度額とすることが可能です。

適用手続き


償却限度額の計算に関する明細書と都道府県知事等が適用対象となる事業所内託児施設に該当するものである旨を確認した書類及びその確認に係る申請書の写しを添付して申告する必要があります。

以上が子育て支援税制となります。
対象となるケースが少なく、本当に支援となっているのかは難しい問題ですね。

次回は、適用できる事業所の多いであろう雇用促進税制について、どういった税制なのかを確認していきます。

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