中小企業が活用できる税額控除「雇用促進税制」のポイントを税理士が徹底解説 !

概要


前回の記事「中小企業が活用できる税額控除「子育て支援税制」のポイントを税理士が徹底解説 !」に引き続き、中小企業において使用できる税額控除制度のご紹介をさせていただきます。
今回は「雇用促進税制」について取り上げていきます。

毎回のおさらいにはなりますが、代表的な特別税額控除は下記のような種類があります。

■ 代表的な特別税額控除について
1. 中小企業等投資促進税制
└ 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除

2. 中小企業者等における教育訓練費の税額控除
└ 平成20年4月1日から平成24年3月31日までに開始した事業年度分

3. 中小企業技術基盤強化税制

4. 子育て支援税制
└ 事業所内託児施設等の割増償却

5. 雇用促進税制
└ 雇用者の数が増加した場合の税額控除

6. 所得拡大税制
└ 雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除

今回取り上げる「雇用促進税制」は適用できる事業がとても多いと思いますのでぜひチェックしてみてください。

5. 雇用促進税制(雇用者の数が増加した場合の税額控除)


雇用促進税制という名前からもわかるように雇用機会を拡大していく目的で設定された税制であり、今後事業規模の拡大を図っていくというような中小企業にとっては非常に有利な税制になります。
簡単に説明するとこれから雇用を拡大していきますと計画を前もってハローワークに提出した企業が、計画に従い採用を行った結果、正規雇用者が前期末比で2人以上(大企業では5人以上)増えており、その人数が10%を超える増加率に当たる場合には1人あたり40万円の税額控除を受けられますよという制度です。
それでは細かい条件についてみていきましょう。

条件


① 税額控除の適用の対象となる法人


a. 大小問わず、青色申告書を提出する事業主であること
b. 適用年度とその前の事業年度に事業主都合による離職者がいないこと
c. 適用年度に雇用者の数を5人以上(中小企業の場合は2人以上)
かつ10%以上増加させていること
※雇用者というのは雇用保険一般被保険者のことを言います
d. 適用年度における給与等の支給額が、比較給与等支給額以上であること
e. 風俗営業等を営む事業主ではないこと
f. 同意雇用開発促進地域内に所在する事務所において雇用した場合

さらに詳しく見ていきましょう

a. 白色申告を行っている場合は対象外です。

b. 事業主都合による離職者とは人員整理等リストラによる解雇や天災等により事業を休止せざるを得ない場合に解雇した場合や事業主が強く退職するようプレッシャーをかけた場合などを指します。本人都合の退職であればカウントされません。

c. 最新の税制においては正社員の雇用者のみで計算を行います。

d. 比較等給与支給額は下記の計算で算定される。
前事業年度の給与等の支給額+前事業年度の給与等の支給額×雇用増加割合×30%
たとえば全事業年度の給与等の支給額が2,000万円であり、当期従業員が5人から7人に増えた場合は
2,000万円+2,000万円×40%×30%=2,240万円を超える場合は適用対象となる
給与水準の引き下げがある場合や、新たに入社する方の給与水準が在籍する社員より非常に低い場合を除き適用は可能となります。

e. 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に定められている風俗営業および性風俗関連特殊営業(キャバレー、ナイトクラブ、麻雀店、パチンコ店など)については対象外となります。

f. 平成28年4月1日以降より有効求人倍率の高い地域については適用対象外となり同意雇用開発促進地域での雇い入れのみが対象となりました。つまり東京や大阪などではいくら雇用を増やしたとしても税額控除の対象とはなりません。

同意雇用開発促進地域については同意雇用開発促進地域一覧(28道府県 82地域)を参照してください。

② 対象となる事業年度


平成28年4月1日から平成30年3月31日までの期間内に始まる事業年度が対象となります。こちらは延長となる可能性もありますが現在のところ期間限定の税制となっています。

③ 税額控除できる金額


税額控除限度額は基準雇用者数に40万円を乗じた金額です。
ただし、その事業年度の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額が限度となります。

適用手続き


・適用年度開始後又は地方活力向上地域特定業務施設整備計画認定後2か月以内に主たる事業所を管轄するハローワークに雇用促進計画を提出します。
・適用年度終了後2か月以内(個人事業主は翌年の3月15日まで)に、主たる事業所を管轄するハローワークに雇用促進計画の達成状況の確認、計画終了時確認の押印をもらう。
・達成状況の確認を受けているホッチキス留めされた「雇用促進計画」の写しを確定申告書等に添付して、税務署に申告する

検討すべき企業


計画的に雇用を進める必要があり、手間もかかるものではありますがその分見返りも大きな税制となっています。こちらについては人を増やすことができれば、事業、利益も拡大する見込みのある成長途中の中小企業にはもってこいではないでしょうか。採用に係るコストは中小企業にとっては非常に大きな問題ですがキャリアアップ助成金等との併用をうまくできれば採用コストを賄いつつ、事業拡大し税額も抑えられる可能性がありますのでまずは親しい社労士さんや税理士さんへと相談してみましょう。

まとめ


いかがでしたでしょうか。
今回は適用にあたり事前準備の必要な税制の紹介となりました。
せっかく有利な税制が準備あるのに情報を知った時には後の祭り、そんな経験はしたくないと思います。
常日頃から税理士さんに仕訳や交際費の処理だけではなく、事業の計画等、将来にむけての話をしてみるとよいかもしれません。

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