特許庁のデータベースは難解な指定商品・役務もずばり提示 ! その検索ポイントを解説します

前回の記事「自分でできる商標調査 ! 特許庁のデータベースの活用方法を弁理士が解説」では特許庁のデータベースを用いてどのような商標が登録されているのか検索方法について説明いたしました。

今回は、どのような指定商品、指定役務が登録になるのかについて、特許情報プラットフォーム(以下、J-PlatPat)を使って調べる方法を説明いたします。

指定商品・指定役務とは。


調査方法の説明の前に、指定商品・指定役務について、まずはおさらいです。

登録商標は登録された商標(マーク)と指定した商品・役務(サービス)とのセットで権利となります。
登録商標ならどの商品・サービスについて権利となるわけではなく、決められた商品・サービスで独占的に使用でき、他人の使用を排除できるのです。

決められた商品・サービスというのは、商標登録の願書に記載した指定商品・指定役務となります。正しく指定商品・指定役務を記載していなければ、意味のない登録商標を持っていることになると言っても過言ではありません。
自分の登録商標の権利範囲だと思って使用をしていても、そのサービスが指定役務に含まれないものだった場合は、他人の商標権侵害ということもあり得ます。
商標が似ているか似ていないかの類否判断も大切ですが、適切な指定商品・指定役務を選択しているかという点もとても大事なことと言えます。

分かり難い商品・役務の範囲


商品・役務の指定については、自分が独占的に使用したい範囲の商品・サービスを書くわけですから、自由に記載することができます。
しかし、何の制限もなく自由に記載してしまうと、とても広い範囲を指定してしまうことも考えられます。例えば、商品「家庭電化製品」と記載してしまうと、「冷蔵庫」も「洗濯機」も「エアコン」も含まれてしまいます。この指定の仕方ですと、実際はどの商品に使用したいのかが不明確であるとして、審査官から指定範囲をより明確にするように補正指令が掛かってしまいます。

一方で、商品「被服」を指定した場合は「洋服」も「着物」も「下着」も含まれ、「家庭電化製品」と同様商品が不明確であるとなりそうですが、こちらは補正指令がかかりません。商品「被服」での指定は認められているからです。

正当に商標を使用する上で、せっかく権利を取るなら広い範囲で権利を取りたいと思うのが常です。しかし、どのような商品・サービスの記載までが許されるのかは分り難いです。
そこで役立つのがJ-PlatPatでの検索なのです。

J-PlatPatでの商品・役務検索方法


前置きが長くなりましたが、ここからJ-PlatPatでの商品・役務検索方法について説明いたします。

まず、特許庁のサイトを開きます。
右側上部に『目的別メニュー』の枠があり、その中に『特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)』がありますので、そこをクリックします。



画面が切り替わり、J-PlatPatの画面になります。
そこではカーソルをナビゲーションバーの中央にある『®商標』にもっていきます。
1番から10番までの項目がでますのでの、今回は『6.商品・役務名検索』を選択します。



商品・役務名の検索窓(「例」コーヒー))と表示されているところに、指定したいと考えている商品名やサービス名を入力します。
今回は商品「文房具」を用いて紹介いたします。





検索窓に「文房具」と入れて、検索ボタンを押すと146件がヒットしました。
一覧表示をクリックすると、文字「文房具」が含まれる商品・役務のリストが表示されます。
この表示された商品・役務を選んで願書に記載すれば商品・役務が不明確であると言われることはありません。





ここで「基」「N」「T」「審」「M」のマークについてワンポイントアドバス。
「基」・・・類似商品・役務審査基準
「N」・・・商品・サービス国際分類表(ニース分類)
「T」・・・TM5 IDリスト
「審」・・・審査において採用された商品・役務名(日本語又は英語表記のみ)
「M」・・・WIPO Madrid Goods and Services Manager
各表示の詳細な説明は同画面上にある『利用上の注意』を参照ください。

商標権は登録された国(地域)でしか効力がありません。また国ごとに商品・役務の指定の幅が異なります。「T」や「M」では、外国でどのような記載表現が認められたかを知ることができ、海外に出願する際はとても参考になるものです。
ですが、ヒット数があまりにも多くなりすぎてリストを見るのが大変ということきは、「基」「審」「N」に絞って検索してみるとよいでしょう。
特に「基」は、特許庁が定めている類似商品・役務審査基準に書かれている商品名・役務名ですので、まずはこの「基」が付された商品名・役務名を検討されるとよいでしょう。上述しました商品「被服」も審査基準に載っているので、適切な商品として指定できるのです。



文字「文房具」を含む商品名・役務名の中から、自分が権利を取りたいものと同一またはそれに近いものを探していきます。
今回の「文房具」は文房具一般を指すものであった場合、リストの中から「文房具類」というものを見つけることができます。
ということで、願書には、第16類指定商品「文房具類」と記載すればよいということになります。
合わせて、文房具類に含まれていますが商品「鉛筆」「消しゴム」なども積極的に書くことができます。J-PlatPatでその商品名が認められるか検索して、リスト一覧に挙っていることを確認した上で、願書に記載するとよいでしょう。

その場合は指定商品(指定役務)の欄には、
文房具類,鉛筆,消しゴム
とカンマで区切って記載する点に注意してください。



まとめ


類似商品・役務審査基準に記載されている商品名・役務名をまずは検討するとよいと紹介しました。これで願書の指定商品(指定役務)の欄は埋まります。個人で商標登録出願をされる際はぜひ参考にしてください。

ただ、今までにない商品やサービスについて権利を取りたいときは、どのように記載(指定)したらよいのかわからない場合もあるかと思います。そんなときはお気軽にご相談いただければと思います。

せっかく取れた商標権が適切な指定商品・役務を押さえていなかったために、十分な効力を発揮できないケースがあります。そのようにならないために最適な申請方法をアドバイスさせていただきます。

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