育休取得・復帰で60万受給!今すぐ活用すべき『中小企業両立支援助成金(育休復帰支援プランコース)』


前号では、無料で使える両立支援として「育児プランナー」を活用した育児支援プランをご紹介しました。今後、育休が最長2年へと延長される流れの中で、企業はいよいよ育児と仕事との両立支援に本格的に乗り出していく必要があります。そのためには、育児プランナーによるサポートを積極的に活用し、円滑な育休取得・復帰に向け、体制を整えていくのが得策です。

これから育休取得予定の従業員を抱える中小企業であれば、育児プランナーによる支援を受けることで助成金受給の可能性も出てまいります。「今すぐにはまだ・・・」という場合にもひとまず今、育休復帰支援の向けたルールを作っておくことで、今後該当者が出た際に助成金申請ができるようになります。

さっそく、『中小企業両立支援助成金(育休復帰支援プランコース)』について見ていくことにいたしましょう。

申請には「育児プランナーによる支援を受けること」が必須


2015年2月に新設された『中小企業両立支援助成金(育休復帰支援プランコース)』は、中小企業における育休取得・職場復帰を支援するための助成金です。1事業主につき 1 回限りの受給となりますが、育児プランナーの無料支援を受けて育休プランを策定し、実際にそのプラン通りに育休取得・職場復帰をさせることで申請可能となっており、他の助成金と比較しても申請の要件は緩やかであると言えます。

『中小企業両立支援助成金(育休復帰支援プランコース)』で受給できる額は、

・育休取得時:1事業主あたり2人まで(※1):1人につき30万円
・職場復帰時(※2):1事業主あたり2人まで(※1):1人につき30万円
※1期間雇用者、雇用期間の定めのない労働者1人ずつ
※2育休復帰支援プランコース(育休取得時)と同一の育休取得者である場合に対象となる

となっています。

助成金受給のポイントは「育休取得者とのコミュニケーション」


それでは、『中小企業両立支援助成金(育休復帰支援プランコース)』について、受給までの流れをご紹介しましょう。

① 育児プランナーによる支援の申込をする
まずは育休復帰支援プランの策定のために、育児プランナーによる支援を受けるための申込をしましょう。
支援申込ページ

② プランナーによるアドバイスを受ける
①の申込受付後、育児プランナーが会社を訪問し、「育休取得・復帰を円滑にする業務改善指導」や「育休復帰支援プランの策定支援」についてアドバイスを行います。御社の現状を元に、どのような計画が必要なのか、どのように社内体制を整えていくべきかを明確にしていきます。

③ 育児休業の取得・復帰支援に関するマニュアルや規程の作成、改訂を行う
育児プランナーによるアドバイスを元に、社内体制の整備を進めていきます。その際、育児休業の取得対象については様々なケースを想定して、検討していくことが必要です。具体的には、人手不足の部署における場合や男性もしくは役職者が育休取得する場合等、あらゆる事例を考えておくことで、万が一の時にもプランがしっかり機能してくれます。
また、完成したマニュアルや規程は作っただけで満足せず、従業員に周知しておかなければなりません。

④ 育休取得予定者との面談を行う
従業員から妊娠の報告、もしくは配偶者の妊娠に伴う育休取得の希望を受けたら、面談を行いましょう。面談は「妊娠報告後(男性従業員の場合は育児休業取得希望の連絡後)」と「休業2ヵ月前」を目安に、休業前には少なくとも2回は実施します。

⑤ 育休取得予定者ごとに育休復帰支援プランを策定する
休業前面談の内容、その他会社や業務の具体的な状況をふまえ、育休取得予定者ごとに育休復帰支援プランを検討します。業務引継ぎの手順の他、休業中の体制、復帰後当面の働き方についてを休業開始前までに明らかにし、本人に通知します。

⑥ 第一回目(育休取得時)の支給申請を行う
育児休業を開始した日から、【3ヵ月経過する日の翌日より2ヵ月以内】に第一回目の支給申請ができます。

⑦ 育児休業期間中の情報提供を行う
育児休業取得中の従業員に対し、定期的に、職場や業務に就いて必要な情報提供を行います。人事異動の内容や業務ルールの変更、新規企画についてなど本人が休業している間に変わったこと、その他業界の動向等を知らせておくことで、休業中の不安軽減と円滑な職場復帰につなげることができます。

⑧ 休業中の面談を実施する
職場復帰予定2ヵ月前を目途に、再度面談を実施します。主に復帰プランの確認と、育休取得者からの要望等ヒアリングを進めます。

⑨ 職場復帰後の面談を実施する
職場復帰後2ヵ月を目安に、復帰後の就業状況について話し合いの場を設けましょう。当初の計画通りの支援がされているか、問題は生じていないか、本人から何か希望があるか等を確認します。

⑩ 第二回目(職場復帰時)の支給申請を行う
育休が終了した日の翌日(職場復帰日)から起算して【 6ヵ月を経過する日の翌日から 2ヵ月以内】に第二回目の支給申請ができます。
※本コースについては、育休復帰支援プランコース(育休取得時)と同一の支給対象者である場合に支給されます。
参照 : 厚生労働省『両立支援等助成金 支給申請の手引き(平成28年度版)』 (P.23~31)

『中小企業両立支援助成金(育休復帰支援プランコース)』の支給申請におけるポイントは、「育休取得者との複数回にわたる面談の実施」と「休業中の情報提供」です。育休取得・職場復帰をスムーズに進める上で、「職場と本人とのコミュニケーション」はとても重要な要素となります。本助成金の申請に向け、ぜひ意識的に取り組まれることをお勧めします。

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