法人の決算期はいつにすべき ? 様々な観点から決算月の決め方を解説

事業を始めるときに決めなければならないのが決算月ですが、決算月には決まりがなく会社で自由に設定することができます。

ルールとしては1年を超える期間は設定することができません。例えば2月2日に設立登記を終えて事業を開始したとすると、最長で翌年の2月1日を決算日にすることができます。実務的には区切りのいい日取りが選ばれ、「2月2日~12月31日」であったり「2月2日~翌年1月31日」とされるケースが多いです。

繁忙期は避ける


季節ごとに売上額に変動がある業種の場合、繁忙期を決算月にすると忙しすぎて決算対策の時間を充分にとれないリスクがあります。業種によって異なりますが、商品棚卸や次期予算策定など重要な処理を決算で行わなければなりません。

そのため、スーパーやデパートの小売店は比較的商品の動きが多くない2月や8月を決算に選ぶケースが多く、建設業や土木業については市区町村との関係上役所に合わせ3月が選ばれるケースが多いです。

税務からの観点でも、期末に向けて売上が上がっていく状態になると納税予測や対策を立てるのが難しく、思わぬキャッシュアウトを招く危険性もあります。反対に業績が思った通りの数字になっていない場合には、翌期からの経営方針を見直し何らかの対策をとることも可能です。決算月を決めるときは繁忙期を避けて決めることが大切です。

資金繰りの面から考える


主に納税からの観点になりますが、申告納付の期限は決算月以後2カ月以内と定められています。

特に利益が計上された期における納税額は多額となるため、決算月後2カ月以内に納税のための資金を準備する必要があります。消費税については赤字の場合でも納税額が生じるケースが多いので注意が必要です。

売掛金の入金が少ない月を避けたり、賞与や源泉所得税、社会保険料などの支払いが生じない月を選ぶなど、入出金のタイミングを踏まえて決算月を決めることが必要です。

消費税の観点から考える


設立時の資本金が1,000万円未満の会社は、第1期目は消費税を納める義務がない事業者、いわゆる免税事業者となります。そのため、設立事業年度を1年の期間とすると免税期間が長くなるため恩恵を受けることができます。第2期目についての判定基準は、第1期目の最初の6カ月の課税売上高もしくは給与支払額が1,000万円を超えると消費税を納める義務が生じます。

ただし、第1期目の期間が7カ月以下の場合などでは課税売上高もしくは給与支払額が1,000万円を超えても納税義務は生じません。第3期目以降については前々事業年度の課税売上高に基づいて納税義務が判定されることになります。消費税の観点からみると、第1期目を長くすることで消費税を納めなくてよい期間が増えるため有利に働くこととなります。

決算月変更について


最初に決めた決算月が後々に経営上マイナスに働くことになった場合は、決算月変更の手続きをとることが可能です。その場合には定款を変更しなければなりません。

定款変更は臨時株主総会を開いた上で株主の特別決議が必要となります。登記簿には決算月の情報は記載されないため登記の必要はありません。税務署へは決算月を変更した旨の届出書を提出します。

まとめ


決算月を決めるにあたりいくつかのポイントをご紹介しました。決算月をいつにするかは将来の経営の進め方にも影響を及ぼします。
どこに重点を置くかは会社によって異なりますが、やみくもに決めるのではなく設立前に充分に考慮して決定することが大切です。

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