今さら聞けない !? 社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)の基礎から納付方法まで徹底解説

社会保険とは


「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」を総称して社会保険と呼びます。広い意味で「労災保険」「雇用保険」も含めて社会保険と呼ばれる場合もあります。

株式会社などの法人は社会保険の加入が義務付けられており、個人経営の場合は使用する労働者の人数や業種によっては強制適用となります。

健康保険


健康保険は業務外でケガや病気をした場合や、出産・死亡した場合に給付を受けることができる公的医療保険です。保険証1枚で一部の金額を負担するだけで医療サービスを受けることができるのが身近な例ですが、他にも様々な給付が用意されています。

日本の医療制度は現在、国民皆保険制度が採られており、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入することとなっています。「健康保険」は会社員を加入対象とする保険制度です。(個人事業主などの自営業者は「国民健康保険」に加入することになります。)また、パートやアルバイトでも一週間の労働時間と労働日数が正社員の4分の3以上であれば加入対象となります。

厚生年金保険


民間企業で働く会社員が年を取ったり、障害の状態になったり、死亡した場合に、本人またはその遺族の生活の安定を図ることを目的とするのが厚生年金保険です。老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金などの給付があります。
20歳になると共通して国民年金に入ることとなりますが、厚生年金保険はその国民年金に上乗せして支給される制度であるため、会社勤めをして厚生年金保険料を支払った額が多いとその分将来の支給額は増えることになります。(個人事業主の場合は国民年金のみの加入となります。)

介護保険


寝たきりや認知症になるなど要介護状態であると認められた人に、必要な医療福祉サービスを提供することを目的とする保険です。65歳以上で要介護状態として認められると、原則として1割の負担で様々な介護サービスを受けることができます。(一定の場合は40歳から可能となります。)

扶養の範囲


「被扶養者届」を届け出ることにより、被保険者である会社員に扶養されている親族も被扶養者として保険給付を受けることができます。被扶養者は被保険者に扶養、すなわち生計を維持されている状態でなければならず、具体的には被扶養者の年収が130万円未満であることなどが要件とされております。

同居が必要な被扶養者


三親等内の親族、被保険者と内縁関係にある配偶者の父母、子

同居でなくてもいい被扶養者


被保険者の直系尊属、配偶者、子、孫、弟妹(兄姉は含まれません。)
※住居や家計を同じくしていれば『同居』とされ、同一戸籍の必要はありません。

保険料の決定と納付の方法


社会保険料は毎年4月~6月の3カ月分の給料の金額をベースに算定した標準報酬月額を用いて計算することになっています。報酬には労働の対価として受けるものすべてが含まれるため残業手当や通勤手当なども加えての算定となります。標準報酬月額は健康保険と厚生年金保険ごとにそれぞれの等級区分に分けられており、健康保険は第1級から第50級、厚生年金保険は第1級から第30級までと定められています。それぞれの等級ごとの保険料率を乗じて保険料は計算されます。

通常は7月にその年度分の保険料を決定するための届け出(定時決定)を出しますが、年の途中で昇給や降級により給与の金額が変更になる場合もあります。その変更が基本手当などの固定的賃金が大きく変動したことが理由によるものであるときは変更後の3か月間の金額をもとに随時改定手続きをとる必要があります。(変更後4カ月目から新しい標準報酬月額が適用されます。)

法人の役員・従業員は被保険者として保険料を支払いますが、通常は毎月の給与から負担額が天引きされ、事業主がまとめて納付をするかたちが採られています。また、保険料の半分は事業主が負担することになるため、新しく採用などを予定している場合は給与額に加えて保険料の予定負担額を固定費に組み込んでコストを検討する必要があります。おおよそ給与額の15%が社会保険料となるため、例えば25万円の給与を10人に支払っている場合、一月当たり37万5千円、年間で450万円の支出となります。経営上、社会保険料は避けて通ることはできないので、事業計画などを立てる際は慎重に計算していくことが必要です。

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