「同一労働同一賃金」への取り組みをする際に活用すべきキャリアアップ助成金をご紹介 !
労務

前号では、いよいよ実現に向けて動き出す“同一労働同一賃金”について、政府から提示されたガイドライン案をご紹介しました。その中で、企業は「正規・非正規という雇用形態の別を問わず、これからは実態重視で待遇を考えるべきであること」、そして「非正規雇用の労働者にもキャリア形成や福利厚生といった処遇が改善されるべきであること」に取り組むべきであることが明示されています。

とはいえ、非正規雇用労働者の待遇を見直したり、キャリアアップのための教育を施したり等、具体的な行動を起こすことはそう簡単なことではありません。特に中小企業においては、高騰する人件費負担が、会社収益を直接的に圧迫します。長期的には会社にとってプラスになることも、一時的であれ負担増としてのしかかるとなれば、なかなか一歩踏み出せないケースも多々あるでしょう。

そこで企業が積極的に活用すべきは、「キャリアアップ助成金」です。今号では、“同一労働同一賃金”の実現に向け、注目すべきこの「キャリアアップ助成金」についてご紹介することにいたしましょう。

「有期雇用→正規雇用」で60万円、「有期契約労働者等の賃金2%増額」で30万円


ひと口に「キャリアアップ助成金」と言っても、実際にはいくつかのコースに分かれています。会社としてどのような取り組みをするかに応じて、申請手順や準備すべきもの、受給額が異なります。

<正社員化コース>
有期契約労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等への転換等を助成す

<人材育成コース>
有期契約労働者等に対する職業訓練を助成する

<処遇改善コース>
有期契約労働者等の賃金規定等の改定、健康診断制度の導入、賃金規定等の共通化、週所定労働時間を延長し、社会保険加入ができるようにすることを助成する

キャリアアップ助成金の申請については、SHARES経由でのご依頼の中でも特にニーズの高い助成金なので、それぞれのコースについてはすでにご存じの方も多いでしょうか。
他にも、取り組みに応じた支給の設定が様々ありますので各コースの詳細な内容については、厚生労働省のパンフレットでぜひご確認ください。

参考 : 厚生労働省『キャリアアップ助成金パンフレット』

助成金申請というと、「難しそう」というイメージが先行しがちですが、実際の申請手順は各コースで概ね共通しており、そう難しいものではありません。

■ 助成金の申請手順
① キャリアアップ計画の作成・提出
② 就業規則等に取り組みの内容を規定
③ 計画の実施
④ 支給申請


ただし、計画書の作成や就業規則の整備、実際の取り組みについては、やはり専門家の支援を受けた方がスムーズであると言えます。また、「××までに○○をやる」といったスケジュール管理も、助成金申請においては非常に重要です。

雇用関係助成金は併給が可能


ところで、「助成金っていくつか同時に申請することは出来ないの?」というご質問は、弊事務所に寄せられるお問い合わせの中でも特に多いように思います。

結論からいえば、雇用関係の助成金は併給可能な組み合わせがあります。例えば、キャリアアップ助成金の中だけでみても、「人材育成コース」と「正社員化コース」の併給が可能です。「有期実習型訓練を修了→正規雇用等に転換」で要件を充たすことができる場合、どちらのコースの助成金申請も可能となります。

ただし、併給できない組み合わせが存在すること、そもそも雇用関係助成金自体非常に数が多く複雑なことから、やはりこのあたりの判断は専門家に委ねるのが得策であると言えます。一応、参考になる資料はありますが、これがなかなか・・・

参考 : 厚生労働省『雇用関係助成金併給調整一覧表』

もちろん、社会保険労務士にご相談いただければ、助成金同士の併給の可能性を鑑みた上で、適切な取り組みをご提案いたします。まずは助成金診断のご相談から、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

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