厚労省が公開 ! 無期転換対応のモデル就業規則(飲食、小売、製造、金融)

無期転換対応に必須となる「就業規則改訂」


早ければ来年4月にも対応の必要が生じることとなる、有期雇用労働者の「無期転換」。ルールを制度化するためには、就業規則の整備が不可欠となります。とはいえ、既存の就業規則のどこをどのように改訂するべきなのか、頭を悩ませるところではないでしょうか。

このたび、厚生労働省より一部業種向けに無期転換対応のモデル就業規則が公開されました。飲食業、小売業、製造業、金融業に該当する事業所ではぜひご確認いただき、制度の検討や就業規則の整備にご活用ください。


就業規則改訂のポイントは、「社員の定義」「労働条件」「転換制度」の3本柱


さっそく、厚生労働省が公開したモデル就業規則を見ていくことにいたしましょう !
厚生労働省「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」から、飲食業、小売業、製造業、金融業の各モデル就業規則にリンクできるようになっています。

参照 : 厚生労働省「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」(無期転換ルール及び「多様な正社員」に係るモデル就業規則と解説)

上記の資料では、無期転換制度の導入に伴い、整備すべき「社員の定義」「労働条件」「転換制度」の章を中心に解説されています。内容としては単なる規定の記載例だけでなく、「有期契約社員の活用状況」や「無期契約社員として導入すべき新たな社員制度」、その他検討すべきポイントについて、業界の実情を踏まえた情報提供がされている点に特長があります。各企業においては、漠然としていた課題を明確にさせるために、活用できそうです。

タイトルの通り、今回の就業規則改訂のポイントとしては概ね下記の内容となります。

■ 社員の定義
待遇は有期雇用のまま期間の定めのみを撤廃する「無期契約労働者」の他、配置転換や転勤、勤務時間、職務等の範囲が限定される「多様な正社員(限定社員)」導入の選択肢を検討する

■ 労働条件
無期転換後の勤務時間や賃金、待遇などの労働条件を検討する

■ 転換制度
無期転換を制度化として運用するために、転換の要件や時期、選考方法等の諸条件を検討する


無期転換制度の導入に向け、「何から始めれば良いか分からない」とお悩みの事業主様やご担当者様は決して少なくないでしょう。ですが、上記3本の柱を軸に検討を進めるべきことが明確になれば、ぐんと着手しやすくなるのではないでしょうか ?


モデル就業規則の丸写し、ではいけません !


今回のようにモデル就業規則がリリースされると、中には「時間もないし、厚労省が作った者なら安心だから」と安易に丸写しして届け出てしまう会社も出てくることでしょう。しかしながら、これでは会社の実情に合わない取決めが適用されてしまうため、社内ルールとして機能しないことはもちろんのこと、後々労使トラブルの原因ともなり得ます。

例えば、今回のモデル就業規則においては「多様な正社員」の積極的な活用が目指されていますが、すべての中小企業において、働き方が限定的となる特殊な正社員制度を導入できるとは限りません。ご紹介したモデル就業規則を軸に、自社における無期転換制度のあり方をしっかりと検討した上で、規程の改訂に取り組んでいきましょう。


まとめ

「就業規則の改訂作業」というと、つい「必要な部分だけ、法律に合うように書き直せばよい」と安易に考えられがちです。しかしながら、実際には「法改正を受けて社内体制をどう整備するか」をじっくり検討した上で、規定にまとめる必要があります。

ご紹介したモデル就業規則には、“検討すべきポイント”が分かりやすくまとめられていますので、これらを元に実情を踏まえた改訂を進めていくと良いと思います。

自社での対応が難しい場合には、ぜひ専門家である社会保険労務士にご相談ください !
参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

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