要注意 ! 専門家が教える商標登録と商号登記の違い
知財


会社のブランドの商標登録のお話をしていると、たまにこうおっしゃる方がいます。

「ウチは、商号の登記ができているから、似たような名前の会社は存在しないはずだから、会社のブランドを商標登録しなくても大丈夫。」

これは間違いです。今回は商標登録と商号登記の違いを解説します。


この記事の目次

商標登録と商号登記は全くの別物です


商号登記に関しては、商業登記法に「既に登記されている他の会社と同一の商号であり、かつ本店所在地も同一である場合には、登記することができない。」と規定されています。この規定からすると、「同一の商号」ということなので、類似の商号は登記できそうです。

また、「かつ本店所在地も同一」なので、本店所在地が異なれば、同一の商号の登記もできる、ということになりそうです。なので、商号の登記ができたからといって、似たような商号の会社が存在しないとは限らない訳です。

そもそも、商標登録制度と商業登記制度は全く異なる制度なので、商号の登記をしていなくても、他の会社の商号と同じ名称の商標登録をすることも可能です。

ですので、商号の登記をしていることは、商標的に問題ないということにはなりません。


商標権の及ぶ地域的範囲


また、東京で商標登録したら、その効力は、大阪にも及ぶのか ? といったご質問を受けることもあります。

もしかすると、このご質問も商標登録が商号登記的な制度と思われているからなのかもしれません。

結論的には、商標登録をすれば、それは日本国内全体に効力が及びます。ですので、北海道の会社があるブランドを商標登録すれば、沖縄県の会社が同じブランドを商標登録することはできません(両者の指定商品・指定役務が同一又は類似であるとします)。つまり、商標権は、それほど強力な権利といえます。

まとめ


商標登録と商号登記の違いについて、皆様のお役に立てれば幸いです。
重要なことなので少しでもわからない点がある場合は、専門家にご相談することをおすすめいたします。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお相談ください。
参照 : SHARES 弁理士 宮下桂輔のページ

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