この記事の目次
- メリット1:出願する区分が正しいかチェックできる
- メリット2:類似商標が存在する場合に、商標の適切な変更を行うことができる
- メリット3:早期審査制度を利用すべきか判断してもらえる
- メリット4:出願すべきか判断する際にアドバイスがもらえる
- メリット5:英語表記や漢字表記の名前の読み方等の判断が難しい点に対応できる
- メリット6:拒絶理由通知の意図を理解した上で、意見書または手続補正書を提出できる
- メリット7:登録の更新時に最適な見直しを行うことができる
- デメリット:依頼による費用、手間の発生
- まとめ
商標登録までの手続きは、個人で行うことも可能ですが、弁理士に依頼してサポートをしてもらうケースも多くあります。この記事では、弁理士に依頼して商標登録を行うことのメリットとデメリットについて紹介していきます。弁理士への商標登録の依頼を検討されている方はご参考にしてください。
メリット1:出願する区分が正しいかチェックできる
商標登録の出願の際には、商品・サービスが45種類の区分のどれに該当するか定めたうえで、必要な区分に対して出願する必要があります。出願料は、出願する区分数に比例して高くなるので、不必要な区分にまで申請を行う必要はありません。
また、自社が業務上利用する可能性のある区分に対して申請漏れしてしまうと、業務に大きな支障が出てしまいます。そのため商標登録の際は、無駄なく、漏れなく、出願する区分を決める必要があり、商標の区分について詳しい弁理士に判断してもらうことで安心して区分を決定することができます。
メリット2:類似商標が存在する場合に、商標の適切な変更を行うことができる
自社の申請したい商標と類似する商標が既に存在する場合、そのままの状態で商標登録を行うことは非常に困難になります。このようなケースでは、自社の商標を少し変更することで、類似商標とは別物であることを主張する必要があります。弁理士に依頼することで、「商標の審査を通過するためには、どのような点を変更すべきか」等のアドバイスを受けることもできます。但し、類似商標が自社の出願する区分と異なる区分
で登録されている場合には、問題なく出願することができます。
個人で商標調査を行う場合は「特許情報プラットフォーム」をご活用ください。
メリット3:早期審査制度を利用すべきか判断してもらえる
商標登録の際に通常と比べて早期に審査し、登録することができる早期審査制度という制度が存在します。この制度では、通常より早く登録することができるメリットがありますが、デメリットも存在します。
早期審査制度を利用して出願する場合は、通常の出願と比べ、利用可能な権利の範囲が狭くなる可能性があります。そのため、将来的に幅広い事業に利用する予定がある商標の場合、早期審査制度を利用する際には注意が必要となります。このような判断を弁理士にしてもらうことができます。
メリット4:出願すべきか判断する際にアドバイスがもらえる
商標調査をした際に類似商標が既に存在する場合は、自社の商標を登録することは非常に困難となります。出願した際の可能性の有無を弁理士に判断してもらうことで、登録できる可能性が低い場合には”出願を諦める”という選択肢を選ぶことができます。これにより無駄な出願料を払わずに済みます。
メリット5:英語表記や漢字表記の名前の読み方等の判断が難しい点に対応できる
自社の商標と同じ漢字、英字表記の商標が既に登録されている場合、その読み方次第で商標登録ができる可能性が大きく左右されます。漢字表記や英字表記またはロゴなどの類似商標は、商標を”どのように解釈するか”が重要となります。弁理士は商標の解釈にも長けているので、このようなケースの場合弁理士に依頼するメリットは大きいです。
メリット6:拒絶理由通知の意図を理解した上で、意見書または手続補正書を提出できる
商標登録の出願をした際に、およそ半分近くの案件で拒絶理由通知が出されます。拒絶理由通知が届いた場合、通知書の発送日から40日以内に意見書または手続補正書出して、拒絶理由を解消することで商標登録を行うことができます。そのため提出する意見書や手続補正書は、拒絶理由通知が出された意図をしっかりと理解した上で、審査員の求めるものを作成する必要があります。
審査員の意図を的確に理解するためには、弁理士のような業務上の経験を持つ人のアドバイスがないと、非常に苦戦する可能性があります。
メリット7:登録の更新時に最適な見直しを行うことができる
商標登録を行った際の有効期限は10年であり、10年を超える場合は更新を行う必要があります。弁理士に依頼することによって、更新時に商標の利用する範囲に応じて、商標の区分について見直しを行うことができます。
デメリット:依頼による費用、手間の発生
個人で商標登録を行った場合は印紙代のみで済みますが、弁理士に依頼した場合は、印紙代以外に依頼料がかかります。また、弁理士によって見積りの書き方や対応が異なるため、単純に見積り書に記載されている価格だけで比較することができません。弁理士が商標登録の際に「どこまで対応してくれるか」の話し合いを行い、依頼内容を明確にする必要があります。このため、依頼する弁理士の選択や依頼内容の確認のための
手間がかかります。
まとめ
商標登録を弁理士に依頼することで依頼料がかかってしまいますが、依頼料を払うだけの多くのメリットがあります。商標調査や出願書類の作成、拒絶理由通知に従った意見書の提出など、商標登録の手続きには困難な点が多く、商標登録の際に失敗してしまうケースが多々あります。商標登録を行うのであれば、会社や商品・サービスの顔となる商標を失敗せずに確実に登録するためにも、弁理士に依頼することをおすすめしま
す。
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