自分でもできる!J-PlatPatを使用した特許調査(簡易検索)
知財


この記事では特許調査の方法をご紹介します。

この記事の目次

特許調査をする意味


特許調査(特許検索)とは、特許文献に記載された情報の中から必要な情報を探し出すことです。

特許文献には、大きく分けて2種類あります。「出願公開公報(公開公報)」と「特許掲載公報(特許公報)」です。
「公開公報」には、特許出願された(特許になる前の)発明の内容が記載されています。
「特許公報」には、既に特許となっている発明の内容が記載されています。

特許文献には、技術文献としての役割と、特許の権利書としての役割があります。
そのため、特許調査をすれば、他社が開発している技術の内容や他社が保有している特許の内容を知ることができるのです。

特許調査の種類とそれらのメリット


特許調査には目的に応じていくつかの種類があります。代表的なものとしては、「技術動向調査」、「特許性調査」、「侵害回避調査」などが挙げられます。

「技術動向調査」は、競合他社や業界全体の技術動向を把握するための調査です。
特許文献に記載された内容から他社が開発している技術の内容や傾向を把握することで、他社がまだ目をつけていない特許の穴を見出すことができ、事業計画や開発指針を策定する際に役立てることができます。また、技術者が他社の技術情報を見ることで、独自の技術を思いつくきっかけにもなります。

「特許性調査」は、新しい技術のアイデアを思いついた時にそれが特許を取れる可能性を評価するための調査です。
特許文献に記載されている発明(先行技術)と同じ発明や先行技術から簡単に思いつくような発明は特許を取ることができません。
先行技術と自社のアイデアを対比することで、そのアイデアが特許を取れる可能性を評価することができます。

「侵害回避調査」は、自社の技術が他社の特許権を侵害してしまう可能性を判断するための調査です。
他社の特許発明と同じ技術を使った製品を製造販売すれば特許権侵害で訴えられ、その製品の製造販売が差し止められたり、損害賠償金を請求されたり、或いはユーザーや取引先の信用を失ったりするリスクがあります。
他社の特許発明と自社の製品を対比することで、その製品が他社の特許権を侵害するか否かを判断することができます。

以上の説明からわかるように、自社製品を開発し、販売する企業であれば、特許を取るか否かに拘らず特許調査をするべきです。
また、特許を出願する時ではなく、製品の企画開発の段階から特許調査をする方が望ましいと言えます。

特許調査ができる!特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の使い方


特許調査は調査会社や特許事務所に依頼すればやってもらえます。但し、当然のことながらお金がかかります。

「特許性調査」や「侵害回避調査」のような高度な法律的判断を必要とする調査は専門家に依頼するにしても、「技術動向調査」のような日常的に行う特許調査に関しては自前で行いたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方に試して欲しいのが、「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」です。J-PlatPatは、特許・実用新案・意匠・商標の公報を無料で検索することができるデータベースです。

J-PlatPatは無料とは言え、かなり高度な検索を行うこともできます。しかし、今日は初心者向けに「簡易検索」という最も簡単な検索機能を例に使い方を説明します。

Googleで「特許情報プラットフォーム」を検索し、ページを開いてください。下のような画面が表示されるはずです。
この画面でそのまま簡易検索を行うことができます。



左から、検索する分野(特許・実用新案、意匠、商標)を選ぶ選択リスト、検索したい語を打ち込む検索窓、AND検索とOR検索を選択する選択リスト、検索ボタンです。
Google検索と同様に、検索したい語を検索窓にテキスト入力し、検索ボタンをクリックすれば検索することができます。

昨年、池井戸潤さん原作の小説「陸王」がドラマ化されました。
経営危機に陥った埼玉県の足袋業者が、新規事業として足袋の縫製技術を活かした足袋型のランニングシューズ「陸王」を企画し、この「陸王」の開発を契機として企業の再生を図っていく物語です。
この「陸王」のようなランニングシューズがないか検索してみましょう。

試しに、検索窓に「足袋 ランニングシューズ」と打ち込んで検索ボタンをクリックしてみてください。「足袋」と「ランニングシューズ」の間はスペースです。
デフォルトの設定はAND検索になっていますので、「足袋」と「ランニングシューズ」の両方の語を含んでいる特許文献が検索されるはずです。

その結果が下のような画面です。1件ヒットしました。



ヒット件数の右側にある「一覧表示」のボタンをクリックすると、下のような画面が表示されます。



この特許文献は、文献番号が「特開2009-148405」で、「地下足袋ランニングシューズの裏底」に関する発明について、「株式会社プロンテー」が出願したものであることがわかります。
文献番号をクリックすると、公開公報の全内容が表示されます。

簡易検索の注意点と限界


今回は初心者向けに「簡易検索」という最も簡単な検索機能を使っています。しかし、この「簡易検索」では十分な検索ができたとは言えません。「簡易検索」は検索を簡単にするため、かなり機能が制限されているからです。

以下に、簡易検索の注意点を挙げておきます。

① 検索語の選択を誤ると目的とする文献がヒットしない。


テキスト検索しかできません。例えば、「足袋 ランニングシューズ」で検索すると、「ジョギングシューズ」、「シューズ」、「靴」等の語を含む文献があってもヒットしません。

② 特許になっている発明だけを調べることはできない。


検索対象公報は公開公報等の一部の公報だけで、特許公報は検索対象となっていません。

③ 明細書に記載されている語を検索することはできない。


検索範囲は「要約」、「請求の範囲」、「発明の名称」等であり、「明細書」は含まれていません。また、「請求の範囲」だけを検索する等の範囲指定もできません。

まとめ


特許調査の重要性はご理解いただけたかと思います。ご興味のある方はJ-PlatPatを使ってみてください。まずは簡易検索からトライし、徐々に高度な検索にもチャレンジしていただければと思います。
ご自分で特許調査をするのは難しいという方は、弁理士をはじめとする専門家にご相談ください。

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