3分でわかる!「特許」と「意匠」の違いについて解説します
知財


この記事の目次
新しい商品を開発して、いざ知的財産権を取得しようとしたとき、「あれ!?『特許』と『意匠』のどっちで権利を取ったらいいの??」と迷われた経験がある人も多いのではないでしょうか?
ここでは、「特許」と「意匠」の違いと、あなたの商品を保護するためには、どちらの権利を取得することが望ましいかについて解説します。

「特許」と「意匠」の違い


みなさんが新しい商品を開発したときに、その商品を独占的に製造したり販売したりするために、何か知的財産権を取得したいと思われることがあるでしょう。しかし、インターネットなどで調べてみると、一言で知的財産権といっても、「特許」「意匠」「商標」など様々な権利があることがわかります。

そのため、「『商標』がちょっと違うってことはわかるんだけど、自分たちの商品を保護するためには、『特許』と『意匠』とどっちの権利がいいんだろう?」とお悩みの人も多いかと思います。
それでは、「特許」と「意匠」の違いとは何なのでしょうか?

「特許」とは、科学的な技術を保護する権利です。「科学的な技術」というと、高度なコンピューターやiPS細胞などをイメージして、かなり難しく考えてしまいがちですが、そんなことはありません。

例えば、汚れがよく落ちるキッチンスポンジを開発したとしましょう。汚れがよく落ちる理由がスポンジ表面に設けられた複数の凹凸にあるといった場合には、その凹凸を設けたことにより汚れがよく落ちるといった効果を生み出していることになります。これは科学的な根拠にもとづいていますので、「科学的な技術」、いわゆる「発明」として、特許権で保護され得る対象となり得ます。

一方、「意匠」とは、商品のデザインを保護する権利です。自動車、家電製品、おもちゃ、運動器具、文房具やペットボトルのような包装容器のデザインに至るまで、ほとんどの工業製品(工業的に製造される製品のこと)のデザインは、意匠権で保護され得る対象となります。商品が売れるためには、その商品の機能や性能だけでなく、そのデザインの良さによることも多いため、工業製品のデザインも「発明」と同じように、知的財産権として保護することができるのです。

「特許」で保護するほうが適しているケース


これまで述べてきたように、みなさんが開発した新しい商品に形状がある場合は、「特許権」でも「意匠権」でも保護を受けることができます。 それでは、特許権で保護したほうが良いのは、どのようなケースでしょうか?

みなさんが開発した商品に、従来にはない新しい「科学的な技術」が含まれている場合には、特許での保護が適しています。 例えば、前述した「汚れがよく落ちるキッチンスポンジ」について、意匠登録のみしたとしましょう。意匠登録をすると、その工業製品のデザインと同じデザインのみならず、類似するデザインにまで意匠権の効力は及ぶのですが、この「類似」の範囲はそれほど広くはないのです。

つまり、複数の凹凸があるという同一の「科学的な技術」を有するスポンジであったとしても、その凹凸自体の形状・配置により全体的に異なる印象を与えるデザインのスポンジに対しては、意匠権の効力は及びません。
したがって、同じ「科学的な技術」を有しながら、デザイン変更が可能な商品の場合には、意匠登録するよりも、特許により権利保護を図ることが向いていることになります。

「意匠」で保護するほうが適しているケース


みなさんが開発した商品のデザインについて、新しい「科学的な技術」は含まれていない場合には、意匠での保護が適しています。

また、その商品に新しい「科学的な技術」が含まれている場合であっても、その「科学的な技術」と「デザイン」が密接な関係にある場合には、意匠での保護が適しているケースもあります。

例えば、先程お話した、「汚れがよく落ちるキッチンスポンジ」の場合は、汚れがよく落ちるという効果が、独特な凹凸形状・特定間隔での配置という「科学的な技術」≒「デザイン」により実現できるものであって、もしそのデザインを変更してしまったら、その効果も得られなくなってしまうようなときは、「意匠登録」をするだけで、間接的にその製品の「科学的な技術」も保護することができるということになります。

まとめ


「特許」と「意匠」の違いについて、ご理解いただけたでしょうか?
「特許」も「意匠」も、あなたが開発した大切な商品を保護するための大きな武器となります。大切な商品を「特許」で守るべきか、「意匠」で守るべきかを迷われたときは、ぜひ頼れる弁理士までご相談ください。

(執筆:ボングゥー特許商標事務所 弁理士 堀越真弓)

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。