商標を出願する際にポイントになる類似群コードとは?商標調査において商品が類似する場合とは?
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商標の世界には「類似群コード」というものが存在します。この類似群コードは、指定商品やサービス(商標を使用する商品やサービス)に付けられているものであり、商標調査や特許庁で商標の登録可能性を審査する際にとても重要なものとなります。
そこで、今回の記事では「類似群コード」について説明していきたいと思います。

この記事の目次

商標調査を行ううえでの2つのポイントとは?

類似群コードは商標調査を行ううえで重要なものであると説明しましたが、商標が類似すると判断される基準についてご存知でしょうか?
マーク自体が類似する場合に商標が類似すると判断されると思っている方も多いと思いますが、実はこれだけでは商標が類似するとは言い切れません。 「マーク自体が似ていること」も一つの条件ですが、商標が類似するというには、「商標を使用する商品やサービスが似ている」という条件も満たす必要があります。

これをまとめますと、以下の2つの条件を満たした場合にのみ、商標が類似しているということができます。

●マーク自体が似ている
●商標を使用する商品やサービスが似ている
(逆から考えますと、仮にマーク自体が似ていても、そのマークを付する商品やサービスが似ていない場合には、その商標を登録することができます。)



マークが似ているかの判断基準につきましては別の記事で詳しく説明しましたので、今回は「商品やサービスが似ているか」を判断するための基準について詳しく書いていきたいと思います。

指定商品・役務が類似するかどうかは「類似群コード」で判断します

類似群コードの説明をする前に、まずは商標出願をする際によく耳にする「区分」について説明します。
特許庁は、世の中にある商品やサービスを45のグループに分けており、このグループのことを区分といいます。例えば、「パソコンなどの電化製品」は第9類に分類され、「レストランサービス」は第43類に分類されます。この「第9類」や「第43類」のことを区分と呼んでおり、第1類から第45類まで存在します。

この区分の中に細かい商品やサービスが列挙されております。
例えば、「被服」という大きい概念は「第25類」に分類されて、この「被服」という大きいグループの中に「シャツ・パンツ・セーター」などの具体的な商品が列挙されています。

この具体的な商品の一つ一つに特許庁がコードを付しており、そのことを「類似群コード」と呼んでおります。具体的には、5ケタのアルファベットと数字から構成されており、「01A01」や「17A01」といったコードになります。
この類似群コードを使って、商品やサービスが類似するかを機械的に判断しております。すなわち、この類似群コードが同一の商品やサービスは互いに類似すると一律に判断されることになります。

類似群コードの調べ方とは?

次に類似群コードの調べ方について説明します。 ここでは、「財布」という商品の類似群コードの調べ方を説明します。
まずは、このページにアクセスして下さい。

そして、このページの上部にある「商標」という文字のところにマウスを持っていくと、1~10のメニューが表れますので、「6.商品・役務名検索」を選んでください。そうすると、以下の画面が出てくるので、画面下部にある商品・役務名の欄に「財布」と打ち込んでみて下さい。
そして、画面下部にある「検索」というボタンをクリックするとヒット件数が表示され、その横にある「一覧表示」という部分をクリックすると、以下のような一覧画面が出てきます。
この検索結果一覧の一番右の欄に、類似群コードが記載されています。 上記の画面ですと、19番以降に「財布」が出てきており、財布という指定商品の類似群コードは「21C01」となります。 そのため、特許庁が21C01という類似群コードを付している商品は、全て類似すると判断されます。

ちなみに21C01という類似群コードが付されている商品には、以下のものがあります。

「かばん類・袋物・スーツケース・ボストンバッグ・トランク・ランドセル・リュックサック・キーケース・名刺入れ・革製肩掛けベルト・スーツケース用取っ手・スポーツバッグ・通学用かばん・キーケース等」
(上記の商品は一例で、もっとたくさんの商品があります。)



仮にあなたが「財布」という商品について商標を取りたくても、上記の商品のいずれかを指定した類似商標がすでに登録されていた場合には、商標を取得することができません。
例えば、あなたが出願しようとしているマークと類似するマークがすでに登録されていて、そのマークの指定商品が「スーツケース」(類似群コードが21C01の商品)である場合には商標の取得は困難になります。

まとめ

今回は、商標の中でも取っつきにくいと思われる類似群コードについて説明しました。マークが似ていると判断される基準に加えて、類似群コードの考え方を理解することで、自力でもある程度の商標調査をすることが可能になります。

そのため、この調査方法を理解しておくことで、貴社の障害となりそうな商標が無いかを調べながら新しいブランド名の候補を決めることもできます。スクリーニングを行いながらブランド名の候補を出せることになりますので、最終的に特許事務所に支払う調査費用を抑えることも可能になります。

例えば、商標に詳しい企業の場合には、自社で商標調査を行いながらブランド名の候補を3つに絞り、その3つの商標についてのみ特許事務所に調査を依頼したりします。「その3つの商標の中で、どのブランド名が一番登録される可能性が高いか」について特許事務所に見解を求める場合も多いです。
この場合、すべてのブランド名の候補を特許事務所に調査してもらうよりも安価な料金で対応してもらえる場合が多いので、ぜひこのような方法も参考にしてみてください。

なお、よほど商標調査に精通している場合は別ですが、出願前の最終的な商標調査については特許事務所に依頼することを強くお奨め致します。商標調査の正確さは経験による部分が大きく、商標同士が似ているか似ていないかの判断については微妙なケースも多いです。

そのため、出願する商標を決定する段階では、商標専門の弁理士の見解を得ることをお奨め致します。特許事務所によって、登録可能性についての見解が分かれることも多々ありますので、もし最初に相談した事務所で断られた場合でも、セカンドオピニオンを他の事務所に求めることで商標を登録できるケースもあります。

弊所でも、別の特許事務所では登録できないと言われ出願を断れた案件を、登録に導いた経験もありますので、お気軽にセカンドオピニオンを求めていただければ幸いです。

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