商標登録料が値上がりする?!
知財


先日(令和3年5月21日)、「特許法等の一部を改正する法律(令和3年5月21日法律第42号)」が公布されました。 この法改正の改正項目は、主に「新型コロナウイルスの感染拡大に対応したデジタル化等の手続の整備」が中心となりますが、その他にも改正項目があります。

本稿で取り上げるのは、商標登録料(印紙代)の値上がりについてです。

経済産業省や特許庁の説明では、「審査負担の増加など定常的に必要となる経費が増加し、また、情報システムの大規模刷新や庁舎改修など投資的な経費も増加しており、近年、特許特別会計が毎年度連続して赤字決算になっている」ということで、商標登録料などの値上げに踏み切ったようです。

この記事の目次

何が値上がりするの?

商標の登録料と更新登録料です。(ちなみに、特許料や国際出願関係の費用等も値上がりしますが、ここでは割愛します。) 商標出願(申請)時にかかる印紙代は、値上がりしません。

現在、商標登録料は、10年分納付する場合は、28,200円×区分の数で計算されますが、改定後は、32,900円×区分の数で計算されるようになります。

また、5年分毎に分割して登録料を納付する場合、現在は、16,400円×区分の数で計算されますが、改定後は、17,200円×区分の数で計算されるようになります。

商標登録から10年が経過して、11年目以降も商標登録を維持したい場合は、商標登録を更新します。更新をするには、特許庁に更新登録料を納付しますが、こちらも値上がりの対象です。

更新登録料も10年分まとめて、または5年分毎に分割して納付することができます。

更新登録料10年分は、現在、38,800円×区分の数で計算されますが、改定後は、43,600円×区分の数で計算されるようになります。

更新登録料5年分は、現在、22,600円×区分の数で計算されますが、改定後は、22,800円×区分の数で計算されるようになります。

今回の値上がりのポイントは?

今回の登録料の改定で、個人的に最も印象的なのは、商標登録料にしても更新登録料にしても、10年分まとめて納付する場合の方が値上がり幅が大きく、5年分の分割納付の場合の方が値上がり幅が小さい点です。

例えば、1区分10年分の商標登録料は、現在28,200円です。1区分5年分分割納付の商標登録料は16,400円です。そのため、5年の分割納付を2回繰り返して10年商標登録する場合の登録料は、32,800円となり、10年一括納付と比較して4,600円割高になっていました。

ところが、改定後は、1区分10年一括納付の商標登録料が32,900円、1区分5年分割納付の商標登録料が17,200円になります。したがって、5年分割納付を2回繰り返して10年商標登録する場合の登録料は34,400円になり、10年一括納付と1,500円しか変わらなくなります。依然として、5年分割納付の方が割高であることに変わりはありませんが、その差は小さくなりますので、費用の発生の分散化というメリットも享受できますので、5年分割納付の利用が増加するかもしれません。

いつから値上がりするの?

令和4年4月1日からです。



令和4年4月1日から、改定後の高い新料金が適用されることになりますが、1つ問題があります。

この日付は、何が基準になるか?という問題です。

具体的には、商標出願(申請)日を基準にするのか、登録料の納付日を基準にするのか、という問題です。

もし、商標出願(申請)日を基準にするのなら、令和4年3月31日までに出願(申請)した案件は、安い料金が適用されることになり、ユーザーフレンドリーです。

しかし、登録料の納付日基準であれば、令和4年4月1日よりも前に出願(申請)した案件でも、登録料を納付する日が令和4年4月1日以降になれば、改定後の高い新料金が適用されてしまうことになります。
仮に、納付日基準だと、今(令和3年7月)商標出願(申請)しても、通常審査では、近年の特許庁の商標審査のスピードでは、登録料の納付は令和4年4月1日以降になる可能性が高いです。いわゆる、「早期審査」や「ファストトラック審査」の適用を受けることができれば、令和4年4月1日よりも前に登録料を納付できるかもしれません。

なお、令和3年7月中旬に、小職が特許庁に出願日基準になるのか、納付日基準になるのか、聴いてみましたところ、未だ決定していないものの、非公式に、現状では納付日基準になりそうだということでした。

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