中国の知的財産に関する状況
知財

近年、海外—特に中国—で知的財産権を確保する必要性が高まっています。
中国で知的財産権を取得していないと、利益を得ることができないだけでなく、リスクにもさらされてしまいます。
日本国内でのみ知的財産権を保有している方や、まだご自身の技術を知的財産権で保護されていない方に向けて、実際のケースを挙げながら、”中国で”知的財産権を取るべき理由についてご説明したいと思います。

この記事の目次

1.知的財産権とは

まず中国でのお話の前に、知的財産権についての基礎的な部分について説明します。
そもそも知的財産権とは、「創作や研究開発により達成された発明などの人間の精神活動の成果として得られる財産の総称」です。そして、よく言われる発明とは、この知的財産権のうちの1種であり、発明に対して与えられる特許に基づく権利を特許権と呼びます。

次に知財の目的についてご紹介します。
知的財産は、「人間の独創的な知的創造活動、例えば独自商品や研究開発の成果、あるいはブランドなどに一定期間権利を保障し、独占的な使用を認める制度」です。

この制度があるおかげで、私たちは模倣品が出回ることを抑制したり、独占的な使用をしたりでき、このことから、ブランドに信用力が発生し、安定的な商取引ができています。
そして、知的財産権はその使用方法によって大きな利益を発生させることができます。独占使用をはじめとして、近年では知的財産権の売買やライセンス契約によって莫大な収入を得ている企業がたくさんあります。

まず、知的財産権の原則として、その権力の効果は出願した国の中に限られる、というものがあります。そのため、日本で取得した特許権は日本の領域内でしか効力を持ちません。これを専門的には属地主義と言います。

2.海外で知的財産権を取るべき理由

次に、なぜ海外で知的財産権を確保すべきなのか、についてご説明します。
もし、腕時計の会社を経営していて新しい腕時計に関する技術を開発し、日本で特許を取得したとします。販売開始すると商品は大ヒットし、今後海外でも展開したいと思ったとき、我々は何をすべきか。
実はここに大きなリスクが潜んでいます。実際に現地工場で委託生産をし、販売を開始したとしましょう。このケースにおいて考えられるリスクは大きく2つあります。

1つ目は、現地ですでに類似した商品が特許を取得し、販売されていた場合です。日本で特許を取得できたとして、それは日本国内でのみ占有可能であり、また海外において同じ発明がないことを証明するものではありません。ですから、海外進出が自社の利益にならないだけでなく、他社の特許侵害で損害賠償をしなければならない可能性もあります。

2つ目のリスクは、現地の工場がさらに安いコストで同じ商品を生産販売して、利益を略奪された場合です。この場合、現地で特許を持っていないと模倣品として特許侵害を訴えることもできませんし、最悪の場合、現地企業に特許を奪われる可能性もあります。そうなれば、得られるはずだった海外での利益と研究開発に費やした費用を回収できなくなってしまいます。

このような事態に陥らないために、

自分の利益を守ることと他人の権利を侵害しないために海外においても知的財産権を確保しておくことをおすすめします。


現状で海外進出の予定が無くとも、その商品や技術の将来性を考慮して先回りしておくことが重要です。

3.中国で知的財産を取るべき理由

次に、知的財産権を“中国”で確保しておくべき理由についてご説明いたします。
近年、中国の知財マーケットは右肩上がりを続けており、2019年のデータにはなりますが、PCTという多国間での特許協力条約に基づく出願では、アメリカを抜いて世界1位になっています。


出典:特許庁「特許行政年次報告書2020年」

また、科学技術論文の発表数ではすでに中国が世界トップで今後も知財の増加が見込まれております。特許出願数は日本の5倍で中国の総知財件数は日本の20倍にも達しています。

このように、データから見ても中国は知財大国であり、またそれを支える産業力や技術水準を持ち合わせていると言って良いでしょう。ですから、今後も成長を続ける中国で知的財産を確保するということはメーカーや国内特許権者にとって非常に重要なことだと考えられます。

4.まとめ

以上より、知的財産権を海外で確保しておくと、知的財産権をその国内で占有できるため自社サービスの展開のリスクを減らすとともにコピー品等に対して一定の抑止力となります。

さらに、特に中国では、知的財産に関する制度が先進国並みに整備されているため日本の知財を移行しやすくなります。
中国での権利獲得についてご相談やご不明点などございましたら、お気軽にご相談ください。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。