【助成金を上手に活用】海外進出を思い立ったら最初にすべき「外国商標登録」とそのポイント
知財


いつかは海外に進出したい・・・そう考えられる方も多いのではないでしょうか。日本でのビジネスが順調・不調のいずれであっても、海外進出は魅力的だと思います。しかし、そんな海外進出で気をつけたいのが商標トラブルです。今回はそんな海外進出にまつわる商標の注意点をお伝えしつつ、最新の助成金の情報をご紹介します(令和4年4月時点)。

この記事の目次

商標権の効力はその国ごと(属地主義)

日本では、商標権は商標登録を受けることで発生します。これは、日本の商標法に規定がされているものですので、その効力は日本の領域(領土・領空・領海)内に限られます。これは、世界各国の原則となっていて、「属地主義」と言います。このため、たとえ自国で商標権を保有しているからといって、その権利の効力が外国に及ぶことはありません。外国企業が日本でビジネスを行おうとする場合、外国企業が自国で商標登録を受けていても、日本の特許庁に商標出願をし、日本でも商標登録を受けているというのも、こうした理由からです。

このことの裏返しとして考えて頂くと想像がつきやすいかと思いますが、日本でビジネスを行っているあなたが海外に進出しようとする場合には、進出しようとしている国・地域で商標登録を受けておかなければ、外国で他人の商標権を侵害してしまうことにもなりかねないということです。

海外進出をする時には、その国・地域で商標登録を受けておくというのがその第一歩であることを覚えておいてください。



他人の商標権の有無(先願主義)

さて、それでは進出しようとする国・地域が決まったら商標出願をすることになるのですが、その際に気をつけなければならないことは、一体どういったことでしょうか。日本をはじめ、中国、韓国、その他の多くの国で、一番先に商標出願をした人が優先するという「先願主義」を採用しています。また前述のとおり、日本での商標権が外国で効力を発揮するものではありませんので、たとえ日本で商標登録を受けているからといっても安心することはできません。つまり、その国ごとにいち早い出願が必要になります。

なお、日本にした商標出願の日から6ヶ月以内であれば、その商標と同一の商標について、日本でした商標出願の日を基準に審査を受けることができるという「優先権」という制度がありますが、この適用にはいくつか条件(国によっては付加条件も)がありますので、海外展開を見据えた日本の出願を行うということが大切です。

先取り商標の問題(冒認出願)

いざ海外進出を考えたところ、進出先の国で全く知らない第三者に自社ブランドの商標登録を先取りされていた、なんてことを見聞きしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。前述のように、商標権の効力はその国ごとであり、かつ商標権の取得は先に出願をした方が優先する国が多い状況ですので、日本のブランドを先に登録してしまい、あわよくば買い取ってもらおうとする人が現実にいるというのは否定し難いと言えます。

もちろん、言われるがままに買い取ることばかりが解決策ではありません。しかし、海外進出が具体化した時点では既に取られてしまっていたがために、海外進出が頓挫したとか難航したということは決して珍しい話ではありません。

海外で商標出願をしてから登録を受けるまでには、早くても数ヶ月、国によっては年単位で時間がかかるところもありますので、他人に先取りされてしまうリスクを考えたら、「海外進出があるかもしれないな・・・」という時点から、まず商標権を確保しておく(商標出願をしておく)という姿勢が大切ではないでしょうか。

最大500万円の助成金もある

それでは先に商標権を確保しておこうと言っても、やはりそのためにも費用はかかってしまいます。もっとも、かつては全ての国・地域に直接出願をしなければならなかった時代があり、それこそ馬鹿にならない費用がかかっていたのですが、今では条約加盟国に一括して出願することができる国際出願(マドプロ出願)の制度が整備されていますので、当時と比べればかなりの費用を圧縮できるようになったと言えます。

また、日本貿易振興機構(JETRO)や都道府県などの自治体では外国での商標登録のための費用の助成事業が行われています。この助成事業を活用することで、中小企業者(会社・個人)の方の負担がかなり軽減できるようになっています。

例えば、令和4年度の東京都知的財産総合センターの外国商標出願の費用助成は、最大で60万円、助成率は2分の1となっています。また、先取りされた商標登録の無効や取消しを求めて争っていくための係争費用(調査、審判、訴訟など)の助成として、3か年で最大500万円、助成率は2分の1(令和4年度)というものも用意されています。
助成内容やその条件は提供機関によって様々ですし、募集期間もそれぞれです。詳しくは弊所までお問い合わせを頂ければと思います。

まとめ

外国での商標登録というと、「ますます難しそう」とか「コストが・・・」と言ったような声が聞こえてきそうですが、外国に進出してから商標トラブルに巻き込まれた場合を考えれば、先手を打っておいた方が圧倒的に簡単、安心、そしてコスト安です。
外国商標に詳しい弁理士をお探しでしたら、弊所代表弁理士は、東アジアはもちろん、東南アジア・南アジア・中東アジア・ヨーロッパ・北米・中南米・オセアニア・アフリカと、数多くの国・地域での商標登録の支援実績を有しますので、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

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