商標登録は自分のため3割お客様のため7割 ! 正しいヨガの商標登録
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この記事の目次

ヨガの名前を商標登録した方が良いのか


ヨガの教室やインストラクターをやっている全ての方が商標登録が必要なわけではありませんが、オリジナルのスクール名、教室名、メソッド名などを使っている方は、商標登録についてきちんと検討する必要があります。

これは、「必ず、今すぐ商標登録しなければならない」ということではありません。そうではなくて、現在自分が「〇〇ヨガ」という言葉を使ってビジネスしている行為が、まず、誰かの権利を侵害していないのか。そして、将来、「〇〇ヨガ」という言葉が使用できなくなる恐れはないのか、そういった「現状」について、まずは把握することが大切だと考えています。

商標登録という制度は一種の「保険」に似ています。商標登録するメリットというよりも、商標登録しない「リスク」についてきちんと知っておかなければならないのです。 オリジナルの名前を使っている場合は、一度、商標登録についてきちんと相談しましょう


あなたが使用しているヨガの名前が、将来使えなくなる可能性があります


一番わかりやすいリスクとして、商標登録をしないでビジネスをしていた場合、今使っているスクールの名前や、オリジナルメソッドの名前などが、将来急に使えなくなる可能性があることを認識しておきましょう。

これはなぜかと言いますと、商標登録という制度が、「早い者勝ち」だからです。「早い者勝ち」ということは、もしあなたが先に「〇〇ヨガ」という名前を使用していたとしても、他の同業者が「〇〇ヨガ」を先に商標登録してしまった場合、あなたは、それ以降「〇〇ヨガ」という名前を使用できなくなるとういことなのです。


普通名称化という怖い現象も


また、商標登録しないことには、もう一つ、わかりづらいリスクもあります。これは、「普通名称化」と呼ばれているものです。

例えば、ヨガの業界では、「ホットヨガ」「アロマヨガ」といったメソッド名があると思います。 商標法では、「ホットヨガ」や「アロマヨガ」のように、すでに多くの人が使う一般的な言葉になっている言葉は、商標登録することはできないというルールがあります。

しかし、実は、こういった一般的な言葉も、最初は誰かが個人的に使い出した言葉なのだと思います。それが、商標登録しないで使い続けた結果、誰もが使うことができる、一般的な言葉になってしまったのです(これを、商標の普通名称といいいます)。

美容や健康に関する分野は、普通名称化のスピードが速い傾向にあります。あなたが現在使っているオリジナルの「〇〇ヨガ」といった名前も、商標登録しないで使用していれば、あっという間に広がり、誰もが勝手に使う名前になる可能性があるのです。


商標登録するのは自分のため3割お客様のため7割


さて、上では、商標登録しないと、「その商標を使えなくなる可能性がある」ことや、「誰もが勝手に使う名前になる」恐れがあることをご説明しました。

これを読んだ皆さんは、なんとなく「それは嫌だな」と思ったと思うのですが、実は、商標登録を怠ったために嫌な思いをするのは、自分だけではありません。 あなたの「お客様」も、困ることになる可能性があるのです。


商標登録をしないことで、お客様が困ることも


例えば、もし、あなたの「〇〇ヨガ」という独自のメソッドが素晴らしいものだと信頼してくれて、あなたのスクールに通ってくれるお客様が、「〇〇ヨガ」という名前をきちんと商標登録していなかったために急に使えなくなった、と知ったらどうでしょうか。きっと、がっかりすることだと思います。

さらに、一般のお客さんだけでなく、プロのインストラクターを養成する講座を開いて資格の認定をしている場合であれば、問題はもっと深刻です。生徒さんは、「〇〇ヨガ」を学んでそれを使ってビジネスをしますので、その名前が急に使えなくなるようなことがあったら、そのせいで急にビジネスが成り立たなくなるのです。

このように、実は、商標登録という制度は、経営者が自分の利益を守る意味もありますが、お客様との関係性を守るためのものでもあることを知っておきましょう。

これから先ビジネスを続けていると、「これは商標登録する必要があるか否か」を判断する場面が出てくると思います。そういう時は、必ず、「商標登録をしないことで、お客様が困ることはないか」を考えてみてください。



お客様が、あなたのサービスと粗悪な同業他社を間違えないために


商標登録をしないリスクの2つ目に記載した、「普通名称化」とも関係がありますが、もし、あなたが考案した「〇〇ヨガ」という名前を、多くの同業者が使用するようになったら、どうなるでしょうか。その中には、必ず、質の悪いサービスだったり、間違ったことを指導する同意業者もいると思います。

商標登録をしないで、あなたのメソッド名を誰もが使える状態になった場合、あなたのお客様がインターネットで「〇〇ヨガ」と検索して、こういった質の悪い同業者のサイトで間違った健康法を学んで実践してしまう可能性があります。

これは、商標などの知的財産に関して基本的で重要な考え方なのですが、「広く広めるには、適切に管理する必要がある」という考え方があります。

つまり、あなたの考えた「〇〇ヨガ」というメソッドを、誰もが知っているくらい世の中に広く広めたいと思うのであれば、「誰でも勝手に使っていいよ」と言うのではなく、このメソッドについて一番正しく理解しているあなたが、「このメソッドが正しく使われるように管理する」必要がある。と言うことなのです。商標権の、独占権には、そういう効果があります。


エンドユーザーだけでなく、ビジネスパートナーや取引先にも気を配りましょう


さて、ここまでで、商標登録について考えるときは、「お客様が困ることにならないか」という目線が重要だとご説明してきました。

ところで、この「お客様」は、あなたのスクールの生徒さんのようないわゆる「エンドユーザー」だけでなく、あなたのビジネスの集客を手伝ってくれるビジネスパートナーや、あなたの提携している取引先なども含まれることに注意しましょう。

サービス業なので、「小売店」のような存在はないかと思いますが、似たような形で一緒にビジネスをしている取引先があるかと思います。もし、あなたのスクールの名前やメソッドの名前が急に使えなくなった場合、こういう方々は、経済的な損失を受ける場合があります。最初の頃、自分一人だけでビジネスをしている頃は気にしないことですが、少しビジネスが大きくなり、関わる人が多くなってきたらこういうこともきっちり気を配らなくてはなりません。


商標登録する方法~弁理士に相談してみよう~


商標登録する方法ですが、基本的には、弁理士に依頼することをお勧めいたします。もちろん、自分で手続きすることもできるのですが、やはり弁理士に依頼した方が圧倒的に確実で楽です。

ここで、思い出していただきたいのは、「商標登録は保険と似ている」というお話です。例えば、生命保険に入るときに、全く専門家に相談しないで、自分で全て手続きしたら、どうなるでしょうか。おそらく、生命保険に入ることは、できると思います。しかし、その補償内容がどうなっているかは全く定かでないし、不安になるのではないでしょうか。

商標登録も同じです。商標登録を自分で手続きすることの怖いところは、案外「商標登録になる」だけなら簡単だということなのです。

つまり、商標登録になったとしても、その権利範囲などが適切かどうかはまた別の話、ということです。私は、商標登録しないことも怖いですが、自分で「商標登録したつもりになる」のはそれ以上に怖いということを、何度も経験しています。


ヨガの商標登録の費用、区分とは


商標登録をするときは、その商標を何の「業種」に使うかもあわせて登録するのですが、その業種の広さによって、費用が変わります。

そして、その業種の広さは、45の「区分」で表されています。1区分だと印紙代は概ね4万円程度ですが、区分数が増えると、この印紙代がざっくりと4万円の倍数で増えていきます(正確な数字は別途お問い合わせください)。

ところで、費用に関して言うと、ヨガは、運が良い(?)といえます。なぜかと言いますと、ヨガの教室名からヨガの手法、ヨガインストラクターの育成まで、ヨガ関連のサービスはだいたい「第41類」という区分に入っているからです。つまり、第41類1区分、最低限の金額で済むということになります。


商標登録した後


商標登録をすると、「 ® 」(マルアールマーク)をつけることができます。これは、「レジストレーション(登録)」の略で、商標登録されていることを示すマークです。

ぜひ、商標登録をした後は、その名前を使う時に、このマークをつけてください。これは、®マークをつけると、「きちんとしている」「信頼できる」と見られるから、ということもありますが、最大の理由はそこではありません。

®をつける最大のメリットは、このマークを付けていると、周りの人が「あ、この名前は商標登録されているから、勝手に使ってはいけないんだな」と思って、自然と使うのを止めてくれることにあります。

法律的には、商標登録をした後は商標権というものが発生しますので、他人が勝手に同じ名前を使っていたら、これをやめさせることができます。しかし、法律上そういう権利があっても、使っている人を見つけて「やめさせる」というのは、それなりに労力がかかるものです。

それよりも、®をつけることによって、自然と周りの人が使うのを止めてくれるのが一番効率が良いことなのです。

®をつける最大のメリットは周りの人が自然と使うのを止めてくれること




まとめ


いかがでしたでしょうか ? 最近ご相談の多い、ヨガインストラクターの方の商標登録について、詳しく説明してみました。

最初はただ好きでヨガを始めたけれど、いつの間にか起業して仕事にするようになり、お客さんも増えてきた。そろそろ、ビジネスとして色々なことをきちんと考えていかなくてはならない。そんなお客様からのご相談が多いです。

そんな方にとって、もちろん、商標登録は、最優先事項・・・では、ありません(笑)。ビジネスとして軌道に乗せるために大事なことは、他にもいろいろあります。

しかし、お客様に長く愛されるブランドを作るためには、商標登録ははじめの一歩とも言えます。ぜひ、早い段階で検討してみてください。そして、検討するときはぜひ、信頼出来る弁理士に相談することをお勧めいたします。

私たちの事務所では、初めて商標登録する方に、「そもそも今すぐ商標登録する必要があるのか ? 」ということから、易しく丁寧にご説明しております。 ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

参照 : SHARES 特許業務法⼈アイリンク国際特許商標事務所 井上 暁彦のページ


その他商標登録に関することは以前掲載した下記記事をご参照ください。
インストラクターの方必見 ! 美容に関する商標登録をするべきポイント2選

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