ポイントを解説 ! 秘密保持契約書(NDA)を作成するべき3つのパターン
法務


この記事の目次

秘密保持契約書(NDA)を作成すべき人とは


今回は、秘密保持契約書について解説させていただきます。括弧書きにもありますように、秘密保持契約書は略称「NDA=Non-Disclosure Agreement」と称される契約書であり、最近の情報社会にとって切り離せない重要な種類の契約書です。

さて、秘密保持契約書は契約書における一つの条項として捉えられている方がまだまだ大多数ではあるのですが、実は業界・業務の種類によっては是非とも作成していただきたい契約書の一つでもあるのです。

それは、

① 製造委託
② 業務提携・資本提携
③ 事業コンサルティング

上記のような主に「業務委託・業務提携」に関するビジネスをされていらっしゃる方は是非秘密保持契約書を作成されることを強くオススメ致します。

なぜなら、ほんの十数年前であったならば、M&A関連業務や知的財産関連業務を除き、秘密保持契約書(あるいは秘密保持条項)は一般的ではなかったのですが、最近ではこれらの動きが活発化しており、企業間における新たな事業や取り組みの際には、必ずと言ってよいほど秘密保持契約書が取り交わされるようになったのです。
情報漏洩リスクを抱える取引をされる企業様は是非秘密保持契約書作成をご検討下さい。

参照文献 : 堀江泰夫『契約業務の実用知識』(2010)


秘密保持契約書の特徴について


では、秘密保持契約書はどのような取り決めを記載する契約書といえるのでしょうか。
秘密保持契約書には以下のような特徴をあげることが出来ます。

(1) 定義
後々トラブルとなることを避けるために、「第三者に知られたくない情報」をしっかりと定義し、文書において「㊙」や「Confidential」等の記載をきっちり行うこと。

(2) 秘密保持
契約内容によっては一方の当事者にのみ秘密保持義務を課すこともできます。
秘密保持契約書を締結して安心するのではなく、適切な管理・監督の下、しっかり実施すべきでしょう。

(3) 従業員教育
たいていの場合、契約書を交わす当事者は会社のトップクラスの方になるのが通常です。
しかしながら、実際に現場をみると秘密保持契約が交わされていたなんて全然知らなかったというのでは本末転倒です。現場の従業員レベルまでしっかり浸透させるべきでしょう。

(4) 返還等
たとえいったん秘密保持契約書を締結したとしても、その後に何らかの不審な動きが見られた場合には、相手方に対して秘密情報の返還を求めることが出来ます。これは契約期間中であっても可能です。

(5) 事故発生時の対応
万が一、秘密情報が漏洩してしまった危険が発生した場合には直ちに被害拡大の防止に努めなければなりません。
そのような場合に備えて、相手方に報告義務を課すことを記載すべきでしょう。

(6) 損害金
一般的に契約当事者に損害が発生した場合には、損害賠償請求権が発生します。
しかしながら、秘密情報漏洩による損害額を算定することというのは、現実的に極めて困難です。

そのため、あらかじめ損害賠償額の予定額を契約書にきっちりと記載しておくことで、何かあったときに有効に機能してくれる予防材となるのです。

(7) 存続期間
契約書の有効期間が終了してしまうと、秘密保持契約もそれに伴って終了することになると理解されがちです。
しかしながら、契約終了後の情報漏洩リスクに備えて、契約終了後の存続期間についても明記しておくべきです。

また、興味深いことに秘密保持契約書では収入印紙を貼付する必要はないことも大きな特徴の一つであります。理由としては、原則としてこの秘密保持契約書が課税文書に当たらないためなんですね。

ただし、内容によっては例外的に収入印紙を貼らないといけないケースもございますので、詳しくは行政書士等の身近な専門家にご相談ください。

参照文献 : 横張清威『ビジネス契約書の見方・つくり方・結び方』


秘密保持契約書作成手続きの流れ


最後に秘密保持契約書の作成手続きについておさらいしておきましょう。
他の契約書と同様に、ゆっくり慎重に作成していきましょう。

まずは自らたたき台を作りイニシアティブをとるために契約書を先に提示するようにしましょう。これは他の記事でも先生方が仰っている通りですね。先手必勝です。

秘密保持契約書としては、だれが義務を負っているのか、どのような取り決めがなされているのか等について話し合うための論点を一つ一つ整理していく作業も必要です。
最終的に当事者双方で納得できる妥協点まで到達すると、無事契約締結となります。双方所定欄に記名押印ないし署名捺印を行いましょう。


まとめ


さて、ここまで最後までお読みいただき誠にありがとうございました。今回の内容を簡単にまとめさせていただきます。

①まず、情報漏洩リスク防止のため、「業務委託・業務提携」をされている方、あるいはこれからご検討の方は是非秘密保持契約について理解を深めていただき、作成されることを強くお勧め致します。

②秘密保持契約の条項には次のような特徴があります。すなわち、(1)定義、(2)秘密保持、(3)従業員教育、(4)返還等、(5)事故発生時の対応、(6)損害金、(7)存続期間、また原則として秘密保持契約書は課税文書には当たらず、収入印紙を貼らなくてもよいことになっております。

③ ②の各事項に注意して慎重に秘密保持契約の作成を進めていきましょう。ここで、契約相手方よりも早期に提示することでイニシアティブをとり、交渉を有利に進めることができるので是非オススメです。

上記の内容につき、疑問点や不安な点は契約書作成の専門家である行政書士等に相談していただければと思います。秘密保持契約書を御社にとって有益なものとして捉えていただければ幸いです。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 行政書士 木村友紀のページ

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