設立登記に必要な書類とそれぞれの書き方を詳しく解説
法務



株式会社をはじめとする法人の多くは設立登記によって成立します。

ここでは主として株式会社の設立登記に必要な書類とそれぞれの書き方の概要について説明します。


この記事の目次

設立登記とは


株式会社の場合、会社法49条に以下のように規定されています。
「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する」

本店の所在地というのは本社のある場所であり、その場所の管轄法務局で登記の申請をします。法人登記の管轄がどこになるかは地域によって異なります。

例えば、千葉県では千葉地方法務局(本局)が千葉県全域の法人登記を管轄していますが、神奈川県では横浜地方法務局(本局)が横浜市・川崎市、湘南支局がこれ以外の神奈川県全域の法人登記を管轄しています。東京ではもっと細かく、例えば、東京都新宿区に会社を設立しようという場合は、東京法務局の新宿出張所に登記の申請をすることになります。
但し、各区に出張所があるわけでなく、千代田区・中央区・文京区は東京法務局の本局が管轄しますし、目黒区は渋谷区出張所が管轄するというように複数の区を管轄する出張所もあります。

管轄法務局(出張所)に必要な書類を持って行くと、窓口の担当者がさらさらと書類を見てざっとチェックし、受付番号と登記完了予定日が印刷された紙を渡してくれます。その後、審査が行われ、だいたい1週間から2週間程度の間に登記が完了します。書類に不備などがあるとその間に法務局から電話で連絡が来ます。補正可能なものであれば補正をします。

なお、会社が成立するのは、登記完了の日ではなく登記申請の日です。
ですから、例えば、会社の設立日を自分の誕生日にしたいという場合は、その日に登記申請をすれば良いわけです。但し、土日祝日、年末年始は登記申請を受け付けていません。従って、これらの日(例えば、元日)を会社設立日にすることはできません。

設立登記申請書を郵送することもできます。この場合は、法務局がその書類を受理した日が登記申請の日になります。従って、特定の日を会社の設立日にしたいという場合は、郵送ではなくその日に法務局に持参した方が無難です。


設立登記の必要書類とは


設立の態様によっても異なりますが、基本的に下記の書類は必要です。



詳細は以下です。

①設立登記申請書は、文字通り、設立登記の申請をする書面です。

②登録免許税貼付台紙は「登録免許税」相当額の収入印紙を貼り付けた紙です。特別なものではなくA4のコピー用紙などに収入印紙を貼り付けます。

③定款とはその株式会社の基本的な規則です。
定款は、作成後、公証役場で認証(会社法等の法律に反していない事の確認)を受ける必要があります。通常は「電子定款対応」の司法書士や行政書士に依頼すると「電子定款」の形で公証役場に申請し、CD-Rに納められた正本とそれを印刷した謄本が交付されます。定款の公証役場費用は謄本2部を含めて\52,000ほどです。

自分で定款を作成し、紙に印刷したものを公証役場に持ち込む事も可能ですが、この場合には4万円の印紙を貼付する必要があります。(電子定款では印紙貼付不要)
因みに電子定款に対応する為には電子証明書・電子署名などの事前申請、電子証明書組み込み用ソフトや公証役場への電子申請用ソフトなどの準備が必要ですので、個人で行うのは難しく、一回の申請ではコストがペイしません。

④登記すべき事項を記載したCD-R等は、「登記すべき事項」をテキストデータで記録した記録メディアです。

➄印鑑届書は設立した会社の実印を登録するための書面で、所定の書式があります。

⑥印鑑カード交付申請書は設立した会社の印鑑証明書を取得する際に必要となる印鑑カードの交付を受ける為に必要な書面で、これも所定の書式があります。

上記の他に、通常、以下の書類が必要です。これは、“複数の設立時取締役がいて、取締役会を設置しない株式会社を、発起人の現金出資のみで設立する場合”を想定しています。

⑦発起人決定書
定款には法人の本店所在地を最小行政区画(例えば、東京都新宿区)までしか記載しないケースがよくあります。これは例えば、町名や番地まで定款に記載すると、別の町名・番地に移転した程度のことでも定款変更が必要になってしまうからです(定款中の本店の住所を変更する場合、変更登記が必要になりコストも掛かる上に面倒です)。そこで、多くの場合、定款では法人の本店所在地を最小行政区画(例えば、東京都新宿区)までしか定めません。
ただ、登記住所は町名・番地を含めた住所なので本店の所在場所を町名・番地まで定める必要があります。これは具体的には発起人が指定して決定したというかたちを取ります。このため、設立登記申請には発起人が決定した事項を記載した発起人決定書が必要になります。

また、設立時取締役は定款中で定めることもできますが、定款中に定めていない場合は、発起人決定書中に記載します。
この他、発起人が割当てを受けるべき株式数及び払い込むべき金額、株式発行事項又は発行可能株式総数の内容、資本金及び資本準備金の額が定款に定められていない場合にも発起人全員の同意による決定書が必要になります。

⑧払込みを証する書面
これは資本金が、発起人から口座に振り込まれていることを証明する書面です。発起人が現金を出資して会社を設立する場合(通常はこのパターンです)には必要になります。 もっとも、会社設立登記前ですから会社じたいは存在していません。そこで、このお金は発起人の個人名義の口座に振り込みます。

払込みを証する書面は、「払込みがあったことを証明する」という設立時代表取締役名義の証明書に通帳の表紙、見開き1頁目、振り込み金額が記載されている記帳欄のコピーを綴じてつくります。 尚、払込の日付は発起人が割当てを受けるべき株式数及び払い込むべき金額を決めた書類の日付(定款作成日または発起人決定書の日付)より後である必要があります。

⑨就任承諾書
これは各設立時取締役が「その就任を承諾する」と記載して記名押印したものです。設立時代表取締役についても必要になります(これらの就任承諾書は省略できるケースもありますが、添付書面が変わってくる等細心の注意が必要ですので説明省略)。
この日付も、設立時取締役を定めた定款の作成日または発起人決定書の日付よりも後である必要があります。

⑩取締役決定書
設立時代表取締役を設立時取締役の互選で決定する場合は取締役決定書も必要になります。
この日付は、設立時取締役の地位が確定するのが払込があった後となり、また就任承諾の後であるべきなので、特に注意が必要です。

⑪印鑑証明書
設立時取締役の就任承諾書には、取締役の印鑑として個人の実印を用いる市町村長発行の印鑑証明書の添付が必要になります。



必要書類の書き方


①設立登記申請書は、株式会社であれば、「株式会社設立登記申請書」というタイトルにして、

・設立する会社の商号
・本店所在地
・登記の事由
・登記すべき事項
・課税標準金額
・登録免許税の金額
・添付書類リスト

等を記載したものです。

設立する会社の商号は定款にも記載されていますが、もちろん、両者は同じでなければなりませんし、(株)等の略称は用いず、「株式会社○○」または「○○株式会社」のように記載します。
本店所在地は番地まで記載します。ビル名や部屋番号については記載してもしなくてもどちらでも構いませんが、発起人決定書で定めた通りに記載します。この住所から管轄法務局が決まります。
登記の事由は「平成○○年○月○日 発起設立の手続終了」のように記載します。この日付は、実際に必要な手続きが終了した日であれば問題ありません。設立登記申請日でも構いません。 課税標準金額は資本金額になります。

登録免許税は資本金の7/1000と決められていますが、この金額が15万円以下の場合は15万円になります。具体的には資本金が2142万円までは15万円、それ以上は 資本金×7/1000 の金額が登録免許税額です。

添付書類リストは、登録免許税貼付台紙以外で申請書と合わせて提出すべき書類のリストです。登録免許税貼付台紙は設立登記申請書にホチキス留めしてこれと一体にするので、添付書類ではありません。印鑑届書と印鑑カード交付申請書も会社実印の登録をするためのもので、設立登記申請書の添付書類ではありませんので、これも添付書類リストには記載しません。
従って、具体的には、定款、発起人決定書、設立時取締役の就任承諾書、取締役の印鑑証明書、払込みがあったことを証する書面等が添付書類です。

②登録免許税貼付台紙は「登録免許税」分の収入印紙を貼り付けた紙です。他の書類については前節で説明した通りです。

なお、これらの書類には日付を記載しますが、この日付は矛盾がないようにしなければなりません。
例えば、払込みを証する書面で払込みを証するのは設立時代表取締役です。従って、払込みを証する書面の作成日付の時点では設立時代表取締役が就任していないとおかしいわけです。このため、設立時代表取締役の就任承諾書は、払込みを証する書面の日付と同日かそれより前でなければなりません。


まとめ


会社設立登記の申請書じたいは通常は紙1枚か2枚です。しかし、添付書類は会社設立の態様や定款の記載に応じて様々に変わるし、日付の整合性等にも注意が必要です。

会社を設立する時はなるべくコストを下げたいので、自分で書類作成や申請をしたいという方も多いのですが、自分で定款を作成し、紙で公証役場に持ち込むと印紙代4万円が余分にかかってしまうので、電子定款に対応している司法書士事務所などに頼んだ方が安くかつ、確実にできる場合も多いのです。
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それでも是非自分でやってみたいという方は、法務省のホームページを熟読しましょう。
法務局「商業・法人登記の申請書様式」

ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 司法書士 清原 正承のページ

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