弁護士が解説する ! お金の貸し借りで重要な金銭消費貸借契約
法務


この記事の目次

金銭消費貸借契約とは何か


「金銭消費貸借契約」は、お金の貸し借りをする際の契約です。
借用書という名称にすることもありますが、将来返済することを約束して、お金を消費する目的で借り入れる契約を金銭消費貸借契約といいます。

金銭消費貸借契約書は、企業間だけでなく、個人間でもお金の貸し借りをする際に作成することができます。
いつ、いくらのお金を貸し借りし、返済期限をいつにするのか(弁済期)、利息はどうするのか、返済期限を過ぎてしまった場合の遅延損害金はどうするのか等を記載して合意します。
特にお金を貸した側からすると、「お金を貸した」ということがしっかりと書面に残る金銭消費貸借契約を作成することは重要ですので、本稿ではお金を貸した側(債権者といいます)の視点から解説をさせていただきます。


約束の内容を明確にする


金銭消費貸借契約は、貸主がお金の貸し渡して、借主がこれを受け取り、将来返済することを約束することで成立します。
しかし、実際には、利息、返済方法、遅延損害金等も定める必要があります。特に知人間での個人的な貸し借りでは利息が発生することを定めておかないと利息が請求できません。利息は利息制限法に従う必要がありますので、注意してください。
特に分割払いでの返済の場合に、毎月返済を受けるにも拘わらず、元金が減らない前提で利息を定めてしまうと、結果として利息制限法に違反する可能性がありますので注意が必要です。元金が減少すれば、それに応じた利息が発生するように計算しなければなりません。

分割払いでの返済の場合、滞納があった場合には、期限の利益の喪失条項を設けたほうがよいでしょう。
これは、本来は分割払いで返済できたにも拘わらず、約束違反をしたことで、残金を一括で返済しなければならなくなる条項です。
例えば、「支払いを遅延したときには、当然に期限の利益を失い、直ちに残金を一括して返済しなければならない」というような条項です。

他には、連帯保証人や抵当権(根抵当権)の設定について定めることがあります。
連帯保証人をつける場合には、連帯保証人に契約書に当事者として関与してもらう必要がありますのでご注意ください。
不動産に抵当権等の担保を設定する場合には、その旨を明確にします。


金銭消費貸借契約は公正証書で作成する


公正証書というのは、公証役場で、公証人により作成してもらう書面のことをいいます。
金銭消費貸借契約を公正証書で作成する最大の理由は、借主(債務者)が約束を守らない際に、「直ちに強制執行に服する」という条項(強制執行受諾文言)を入れておけば、仮に、約束違反の場合には、差押等の強制執行ができるという点にあります。金銭消費貸借契約は公正証書を交わしていなくても法律的には有効です。しかし、公正証書にしていない場合には、約束違反の場合には、裁判手続をおこなわなければ、強制執行はできません。この場合、強制執行の必要性が生じた場合には、時間と費用をかけて裁判手続をしなければなりませんので、大きな負担になります。

これに対し、「直ちに強制執行に服する」という条項の入った公正証書を作成しておけば、裁判手続をせずに強制執行が可能となりますので、債権者にとっては大きなメリットになります。 また、借主からすれば、約束違反の場合には強制執行をされるリスクがありますので、「きちんと返済をしよう」と約束を守る動機付けになります。
公証人役場は各地にありますので、相談しやすい場所を利用すると良いでしょう。公正証書の作成には所定の手数料がかかりますが、メリットは非常に大きいです。


まとめ


金銭消費貸借契約はお金の貸し借りをする際にとても重要な契約となります。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

参照 : SHARES 弁護士 日向 一仁のページ

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