【サンプル付き】利用規約って何 ? ! おさえておきたい利用規約の基本を弁護士が解説
法務


皆さん、利用規約と聞いてどう思われますか?

利用規約は身近なものですが、内容を良く理解しないまま受け入れていることが多くはないでしょうか?今回は、利用規約について解説しますので、法律的に利用規約とはどのようなものかご理解頂ければと思います。

この記事の目次

そもそも利用規約とは ?


利用規約は、自動車保険、生命保険、そしてTwitter、FacebookなどのSNS、その他インターネット上のウェブサービスなどで必ず目にするものです。末尾に一般的な利用規約のサンプルを記載しましたが、規約の量が多く、細かい文字で記載されていることから熟読するのが面倒という理由で、あまり注意せずに署名又は「確認しました」という欄をチェックしてしまうのではないでしょうか?

利用規約とは読んで字のごとく利用の規約、すなわち利用にあたっての条件、規則、約束事が記載されたものです。法律的には民法上の契約となります。

契約は、当事者(サービスの利用者とサービスの提供者)の間で自由な意思により内容を決定できます(契約自由の原則)。そして、当事者の申込と承諾という意思の合致により契約は成立します。

これらの原則からすると、当事者間で自由に契約内容を決定することが可能ですから、利用規約の内容についても利用者が承諾さえすれば、提示された利用規約の内容で契約が成立します。

したがって、利用規約の内容をよく理解しないまま署名又は「確認しました」という欄をチェックすると、後々予想もしていなかったような義務を負っていたことが判明するという事態に陥ることもあるわけです。

一方で、個人の利用者は、事業者に比べて規約や契約に関する知識が豊富にあるわけでもないですし、商品、サービスについても詳しいわけでもないので、契約に関して一律に契約自由の原則を適用すると、利用者に大きな不利益が生じてしまう可能性があります。

そこで、民法の特別法である消費者契約法により、極端に一方に有利な規定は無効とするなど契約内容に一定の制限をかけて利用者の保護を図るなど、契約自由の原則を一部修正しています。したがって、サービス提供者として自らに極めて有利な内容の利用規約を作成したとしても、一部の条項が無効とされ想定していた利益を享受できない又は予期しない負担を負うということもあるわけです。

利用規約と民法改正


上記のとおり利用約款ではトラブルが生じることも多かったため、今般の民法改正により、利用規約に関する規定が新設されました。
参照 : 平成29年5月、改正民法が成立しました。

改正民法では、「定型約款」として規定されており、預金規定、クレジットカード規約、保険約款、サービス利用規約などがこれに該当するでしょう。

消費者契約法では、一方的な条項も契約として成立するものの無効であるという考え方でしたが、改正民法では、そのような条項はそもそも契約の内容に組み込まれないという考え方を採用しています。さらに、改正民法では、契約締結の態様、取引慣行等を広く考慮に入れて条項の不当性が判断されることになります(消費者契約法では、各当事者が有する情報の質や量の格差が不当性判断の基礎でした。)。

このように、改正民法では、契約締結のプロセスも含めて条項の不当性が判断されますので、利用規約を作成する場合も、利用規約に署名又は「確認しました」という欄をチェックするまでのプロセスが適切であるかどうかを意識して作成していくことが必要になります(末尾の利用規約サンプルにも適切に修正を入れていく必要があります。)。

作成時のポイントと注意点


利用規約を作り込む方法はいろいろありますが、少なくとも以下については特に意識する必要があります。

・Webサイトなどは、不特定多数の利用者、訪問者がアクセスしてくることが想定されますので、サービスを利用するユーザーのカテゴリーに応じた複数の利用規約を作成しておくと良いでしょう。なお、個人情報を扱う観点から、個人情報保護の認識を遵守していることを利用者に伝えることも重要です。

・会員サイト、ポイントサイトなど、具体的な取引が発生する場合は、会員の権利、義務や利用できるサービス、ポイント等を使用してどのようなことができるのかなどについて明確化する必要があるでしょう。

・利用規約締結のプロセスが適切であることを確保するために、利用規約へのリンクボタン、「確認しました」というチェックボックスを目立たない場所に設置する又は意図的に小さく分かりづらくするのはやめましょう。

・また、利用規約の締結に至るまでのフローとして、利用規約にアクセスし、規約を読んだと思われる作動がなければ、「確認しました」というボックスにチェックを入れられないようにするなどの措置を講じれば、サービスを利用するという利用者の意思を推認することに資するでしょう。

まとめ


ここまで利用規約の注意点を説明してきました。利用規約も契約であり当事者の意思の合致が必要である以上、合意形成に至るまでどれだけ適切なプロセスを踏んできているかが適切な利用規約となるための重要な鍵となります。サービスの利用・提供に関してトラブルを避けるためにも、利用規約を使用してビジネスを行う場合は、専門家である弁護士に必ずご相談ください。

利用規約(サンプル)

利用規約(サンプル)
この利用規約(以下、「本規約」といいます。)は、_____(以下、「当社」といいます。)がこのウェブサイト上で提供するサービス(以下、「本サービス」といいます。)の利用条件を定めるものです。登録ユーザーの皆さま(以下、「ユーザー」といいます。)には、本規約に従って、本サービスをご利用いただきます。

第1条(適用)
本規約は、ユーザーと当社との間の本サービスの利用に関わる一切の関係に適用されるものとします。

第2条(利用登録)
1. 登録希望者が当社の定める方法によって利用登録を申請し、当社がこれを承認することによって、利用登録が完了するものとします。
2. 当社は、利用登録の申請者に以下の事由があると判断した場合、利用登録の申請を承認しないことがあり、その理由については一切の開示義務を負わないものとします。
(1)利用登録の申請に際して虚偽の事項を届け出た場合
(2)本規約に違反したことがある者からの申請である場合
(3)その他、当社が利用登録を相当でないと判断した場合

第3条(ユーザーIDおよびパスワードの管理)
1. ユーザーは、自己の責任において、本サービスのユーザーIDおよびパスワードを管理するものとします。
2. ユーザーは、いかなる場合にも、ユーザーIDおよびパスワードを第三者に譲渡または貸与することはできません。当社は、ユーザーIDとパスワードの組み合わせが登録情報と一致してログインされた場合には、そのユーザーIDを登録しているユーザー自身による利用とみなします。

第4条(利用料金および支払方法)
1. ユーザーは、本サービス利用の対価として、当社が別途定め、本ウェブサイトに表示する利用料金を、当社が指定する方法により支払うものとします。
2. ユーザーが利用料金の支払を遅滞した場合には、ユーザーは年14.6%の割合による遅延損害金を支払うものとします。

第5条(禁止事項)
ユーザーは、本サービスの利用にあたり、以下の行為をしてはなりません。
(1)法令または公序良俗に違反する行為
(2)犯罪行為に関連する行為
(3)当社のサーバーまたはネットワークの機能を破壊したり、妨害したりする行為
(4)当社のサービスの運営を妨害するおそれのある行為
(5)他のユーザーに関する個人情報等を収集または蓄積する行為
(6)他のユーザーに成りすます行為
(7)当社のサービスに関連して、反社会的勢力に対して直接または間接に利益を供与する行為
(8)その他、当社が不適切と判断する行為

第6条(本サービスの提供の停止等)
1. 当社は、以下のいずれかの事由があると判断した場合、ユーザーに事前に通知することなく本サービスの全部または一部の提供を停止または中断することができるものとします。
(1)本サービスにかかるコンピュータシステムの保守点検または更新を行う場合
(2)地震、落雷、火災、停電または天災などの不可抗力により、本サービスの提供が困難となった場合
(3)コンピュータまたは通信回線等が事故により停止した場合
(4)その他、当社が本サービスの提供が困難と判断した場合
2. 当社は、本サービスの提供の停止または中断により、ユーザーまたは第三者が被ったいかなる不利益または損害について、理由を問わず一切の責任を負わないものとします。

第7条(利用制限および登録抹消)
1. 当社は、以下の場合には、事前の通知なく、ユーザーに対して、本サービスの全部もしくは一部の利用を制限し、またはユーザーとしての登録を抹消することができるものとします。
(1)本規約のいずれかの条項に違反した場合
(2)登録事項に虚偽の事実があることが判明した場合
(3)その他、当社が本サービスの利用を適当でないと判断した場合
2. 当社は、本条に基づき当社が行った行為によりユーザーに生じた損害について、一切の責任を負いません。

第8条(免責事項)
1. 当社の債務不履行責任は、当社の故意または重過失によらない場合には免責されるものとします。
2. 当社は、何らかの理由によって責任を負う場合にも、通常生じうる損害の範囲内かつ有料サービスにおいては代金額(継続的サービスの場合には1か月分相当額)の範囲内においてのみ賠償の責任を負うものとします。
3. 当社は、本サービスに関して、ユーザーと他のユーザーまたは第三者との間において生じた取引、連絡または紛争等について一切責任を負いません。

第9条(サービス内容の変更等)
当社は、ユーザーに通知することなく、本サービスの内容を変更しまたは本サービスの提供を中止することができるものとし、これによってユーザーに生じた損害について一切の責任を負いません。

第10条(利用規約の変更)
当社は、必要と判断した場合には、ユーザーに通知することなくいつでも本規約を変更することができるものとします。

第11条(通知または連絡)
ユーザーと当社との間の通知または連絡は、当社の定める方法によって行うものとします。

第12条(権利義務の譲渡の禁止)
ユーザーは、当社の書面による事前の承諾なく、利用契約上の地位または本規約に基づく権利もしくは義務を第三者に譲渡し、または担保に供することはできません。

第13条(一般条項)
1. 本規約の解釈にあたっては、日本法を準拠法とします。
2. 本サービスに関して紛争が生じた場合には、当社の本店所在地を管轄する裁判所を専属的合意管轄とします。
以 上

□上記利用規約を精読の上、同意します。
(本サービスをご利用の場合は、□にチェックを入れてください。)

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