東京都「建設業許可申請・変更の手引き」詳細解説Ⅰ
法務


建設業における東京都知事許可の「建設業許可申請・変更に関する手引き」について判りにくい個所を抜粋して、具体的に詳細を説明します。

この記事の目次

東京都に確認資料として提出する書面の内容


【専任技術者の確認資料】
〔技術者としての要件を確認するもの〕 4 エ ①

下線部分は、専任技術者の過去における実務経験を証明する場合で、過去(現在を含む)に勤務していた(いる)建設会社又は一人親方で建設業を営んでいた期間、許可を取得しようとする建設業について実務経験があったのか否かを証明します。

事実上は、新規申請を行う申請者である会社自身又は一人親方として自営業を営んでいた期間ということになると思われます。それは過去勤務していた現時点でつながりのない会社が煩雑な過去の帳票類を提出することは考えにくいからです。
身内等がやっている会社がこの実務経験を証明するケースも稀にはあります。

証明者は建設業許可を有していないので、もちろん許可を必要としない軽微な工事をやっていましたという前提になります。 基本的には工事請負契約ですので請負契約書を準備します。1年間を証明するのに請負契約書の写し(コピー)を4~5件提出することになっています。仮に10年間の実務経験を証明する場合であれば40~50件分を期間万遍なく提出することになります。

請負契約書がない場合には、注文書と請書の写し(コピー)を提出します。注文書と請書も取り交わしていない場合には、請求書と入金が確認できる資料を提出します。複合的に提出することも可能です。

上記の証明書類は、自ら作成できるような書面のみでは認められないということを意味してします。 よくあるパターンは、請求書の控えはパソコンにデータとして残っていてプリントアウト、入金を確認できる資料は、金融機関の通帳の写し(入金部分がわかるようにコピーする)、これらのセットを提出するケースです。通帳は原本を持参し、コピーと照合されます。
経験の期間を算出するのに重要なポイントは、一番古い証明書類の日付と一番新しい証明書類の日付の間で期間をカウントします。

例えば、請求書と通帳の写しで証明する場合、一番古い請求書の日付と一番新しい請求書の日付の間が何年何月あるかをカウントします。基本的に月単位です。
実務経験の期間ですから、会社設立しました、個人事業主として独立しました、の日付でカウントするのではないので気を付けて下さい。

さらにもうひとつ、証明書類の内容は許可を取得する建設業に関する請負工事であったことが明確に判断できるものでなければなりません。
何の工事をしたのか明確でない場合には実務経験として認められない可能性が高くなります。その場合、追加で請求書の明細や見積書その他現場図面等追加資料を求められることがあります。

ここまでは、東京都に確認資料として提出する書面の内容でした。

重要な点


実は、ここからがとても重要な話になります。

東京都の建設業許可取得のハードルが、神奈川県や埼玉県に比べ一段と高くなっている原因とも言える部分です。

それは、手引き抜粋の()赤字の(期間通年分の原本提示)(原本提示)についてです。

(期間通年分の原本提示)とは、許可を取得する建設業をその1年を通して万遍なく工事を請け負っていたか否かを確認するため、その1年分の請負契約書や注文書と請書又は請求書を提示して下さいということです。
申請窓口担当者(都の職員)は、その提示された原本をパラパラと確認し、1年を通して許可を取得する建設業を営んでいたのかどうかを目視します。

あまりにも請負金額や請負件数が少ない場合、期間通年として経験したとは見なされないこともあります。
例えば、ある月の請求書の枚数が少なく、売り上げも30万円程度である場合は建設業の実務経験と認められないなど…。

10年間の実務経験を証明する場合、上記の提示書類も10年分ということになります。 10年分の請求書、10年分の確定申告書、通帳の原本その他を準備するとなると大きめのスーツケースでガラガラと申請窓口に申請を行うことも珍しいことではありません。

最後に証明書類(請求書)の内容について、「専任技術者」の実務経験については人工単価による請求書は認められますが、「経営業務の管理責任者」の過去の経営経験を証明する際は認められません。 人工の単価請求では、ただ人を現場に送り込んだもので建設業を営む者として経営の経験とはカウントされませんので十分に気を受ける必要があります。

その他、建設業許可申請・更新の際に不明点がある場合は、大切な許認可ですしスムーズに手続きができるようSHARESの専門家にご相談ください。

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