東京都「建設業許可申請・変更の手引き」詳細解説Ⅱ
法務


建設業における東京都知事許可の「建設業許可申請・変更に関する手引き」について 判りにくい個所を抜粋して、解説します。

この記事の目次

一般建設業許可 財産的基礎等の「要件」について


〔許可基準の表〕 4 財産的基礎等

下線部分は、一般建設業許可を新規申請する場合、又は更新申請をする場合における財産的基礎要件についての内容です。

注意するポイントは、上記表の下線部①~③のいずれかに該当していれば要件を満たすということです。

「建設業許可申請・変更」ポイント①


下線部①にある自己資本とは、資本金の額ではありません。法人の場合は貸借対照表「純資産の部」の「純資産合計」の額をいいます。 例えば、資本金300万円でも繰越利益余剰金等が200万円以上であれば要件を満たすことになりますし、資本金が500万円でも赤字(欠損金)の場合には要件を満たさないことになります。

自己資本の要件を満たしているか否かは申請書類として提出する「財務諸表」の数字で判断します。
仮に下線部①を満たしていない場合、下線部②を満たす必要があります。

「建設業許可申請・変更」ポイント②


下線部②の資金調達能力とは、いざとなれば500万円以上の現金を調達できるという証明です。取引銀行から500万円以上の残高証明書を取得し、その原本を提出します。
通帳を提出するのではありません。金融機関から有料で残高証明書を発行してもらう必要があります。

そして、500万円以上の残高を証明した日から1か月以内に申請を行う必要があります。
古い残高証明書では、現時点で資金調達能力があるとは言えないという訳です。

実務的には、申請書類の準備と残高証明書の発行(通帳の残高が500万円を超える)のタイミングを計る必要があります。
例えば、月末に多くの入金があるが同時に支払いもあるなど、残高を証明してもらう日が限定されるケースがあります。「今月のタイミングを逃すと次は来月でないと500万円の残高にならない」等の理由から申請日がだんだん先延ばしになり、そうなると取得日から3か月以内の会社謄本(履歴事項全部証明書)や公的書面(住民票他)など取り直しということになります。
ケースバイケースではありますが、このあたりが建設業許可申請の難しさでもあります。

さて、もう一つ残高証明書で注意する点があります。
「1か月以内に申請」するという条件の基準日はいつかということです。 それは残高を証明した「〇年〇月〇日現在」の日付が基準日となります。稀にこの残高証明をした日付と残高証明書が発行された日が異なるケースがありますので、残高証明書に2つの日付があるときは注意が必要です。
申請に行ったら、「この残高証明書、1か月過ぎてるよ~。」と指摘され、取り直して再申請ということにもなりかねません。

尚、これもよく質問されることですが500万円以上の残高について、その調達方法などを明らかにする必要は一切ありません。

「建設業許可申請・変更」ポイント③


下線部③は更新申請の際は、財産的基礎の要件を問わないという意味です。(一般建設業許可に限る) 東京都知事許可を取得し、5年間の有効期限を前に更新申請する場合は「自己資本」だの「資金調達能力」など一切必要ないということです。 決算が赤字だから、許可の更新ができないという訳ではありませんのでご安心下さい。

尚、これはあくまでも一般建設業許可の話です。
特定建設業許可に関しては「財産的要件」をクリアーしないと更新ができません。

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