弁護士から見た顧問契約のメリットとデメリット
法務


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弁護士と顧問契約をしてみようかなと思っている方、顧問契約を既にしているけれど、何となくコストばかりかかっているような気がしている方…、弁護士との顧問契約には様々なご意見をお持ちの方がいらっしゃると思います。
顧問契約のメリットは、一般的に、①タイムリーな対応が期待できる、②気軽に相談できる、③会社の状況を理解した弁護士からの法的アドバイスがもらえるといったことがメリットとされていることが多いように思います。

これって本当にそうなの?と思ったことはありませんか。
そこで、弁護士側は顧問先をどのように考えているのかという視点から顧問契約のメリット・デメリットを検討してみようと思います。 なお、以下はあくまでも私見に過ぎませんので、その点は予めご了承ください。

顧問契約とスポット対応の違い

まず、顧問契約は、依頼者と一定の期間を定めて契約を締結し、毎月定額の顧問料をお支払いいただく一方で、弁護士は原則として個別の費用を頂かずに依頼者において日々生じる契約書チェックや法律相談などに対応するというものです。更新が予定されており、継続的な関係を前提にしています。

他方、スポット対応は、ある特定の案件について依頼を受けて対応し、その案件について定めた報酬を頂くというもので、継続的な関係を前提にはしません。SHARESのサービスはこちらになります。

顧問契約とスポット対応で仕事のクオリティに差はあるのか?

弁護士にとって顧問先は固定のお客様です。スポット対応の依頼者は、今後固定のお客様になっていただける可能性を秘めたお客様です。
ですから、顧問先については、今後も取引を続けていただくためにしっかりと仕事をしますし、スポット対応の依頼者についても今後固定のお客様になっていただくためにしっかりと仕事をするというのが通常だと思います。
そのため、私は依頼を受けた以上、仕事のクオリティで差をつけるようなことはしていませんし、しようとも思いません。

では、何が違うのか?

仕事のクオリティで差を付けないのであれば、顧問契約とスポット対応で何が違うのでしょうか。私は、弁護士の中での優先順位や距離感なのではないかと考えています。

既に述べたように、顧問先は固定のお客様で継続的な関係が前提です。顧問先がたくさんあれば事務所の経営は安定します。依頼者が弁護士を自由に選べるこのご時世に、数いる弁護士の中で自分をビジネスの継続的なサポート役として選んでくれているわけですから、大変ありがたいことですし、非常に光栄な話です。当然、弁護士もその期待にしっかりと応えようと思っています。
ですから、顧問先については、契約書のチェック一つとっても、できるだけ早くレスポンスしよう、土日祝日であっても緊急対応が必要と言われればできる限り対応しようというメンタリティになりやすいのです。

例えば、私の場合は、メールはもちろん、ご希望に応じ携帯電話やLINE、Skypeその他のツールを使ってできるだけタイムリーに顧問先とご連絡を取れるようにしています(もちろん、弁護士にも一応休日がありますので、いつどんな時でも繋がる!という訳ではないのですが。)。

また、弁護士も顧問先とより良好な関係を築き、末永くお手伝いさせていただくことを望んでいることがほとんどですし、そもそも顧問弁護士は必然的に役員や法務・総務のご担当者様とコミュニケーションをとる機会が多くなります。 その結果、ちょっとしたことでも聞けてフランクに相談できる距離感が出来上がりますし、弁護士の回答も、顧問先の状況に適合したものになっていきます。
また、顧問契約は継続的な関係ですから、例えば「去年の12月頃に相談した●●の件なのですが、進捗がありまして、実は…」というようなちょっと期間の空いた継続相談だってもちろん可能です。

このように、顧問契約のメリットとして語られることの多い、①タイムリーな対応が期待できること、②気軽に相談できること、③会社の状況を理解した弁護士からの法的アドバイスがもらえることは、弁護士の側から考えても当然生じるメリットであるということがお分かりいただけるかと思います。

逆にいえば、皆様の顧問弁護士が、相談してもレスポンスがとても遅かったり、何となく相談するのが億劫になったり相談しにくい関係値なのであれば、せっかく顧問契約をしているメリットを十分享受できていない可能性があるということです。

顧問契約にデメリットはあるのか

さて、良いところばかりのように見えますが、顧問契約にもデメリットはあります。 それは、相談が発生しない場合でも固定でコストがかかってしまうという点です。相談件数が少なく、毎月1件あるか無いかという程度であればスポットで対応してもらった方が、費用を確実に抑えて良質なサービスを受けられます。

なお、最近は月々数千円程度からの顧問契約もあるとの話を耳にしますが、その顧問料を支払うことで何をどこまで対応してもらえるのかしっかりと確認しないとかえって高くついてしまう可能性もありますのでご注意ください。

まとめ

今回は顧問契約に焦点を当ててお話しをしてきましたが、先に述べたように、顧問契約であってもスポット対応であっても、対応の質が変わることは基本的にありませんから、顧問契約をするということが唯一絶対の答えではありません。

大事なことは、相談しやすいのか、きちんと説明してくれるのか、根気強く対応してくれるのかなどをしっかり見ていただき、どのような形態にせよ、最終的に皆様が相談しやすい弁護士をビジネスのサポート役として選んでいただき、ちょっとしたことでも相談できる環境を作っておくことだと思います。
私も弁護士の一人として皆様からのご相談を心からお待ちしております。

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