【2018年古物営業法改正】既に営業許可を受けている場合でも、届出を怠れば無許可営業?!
法務


この記事の目次

1.古物営業法上の営業許可とは

古物営業法とは、古物を売って利益を得る事業をしている者に対する法律です。現在、古物営業をするには、公安委員会の許可が必要です。 古物営業とは、簡単に分けると以下のとおりです。

無許可営業をした場合は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。最近は、古い物を個人で売ることが流行っていますが、自分の使わなくなったものをオークションサイトなどで売ることは古物営業に当たりませんので、営業許可は不要です。ご安心ください。
平成30年10月24日に一部施行された改正古物営業法は、この許可に係るものです。そのため、関係者にとって無視できない重要なものだといえます。

2.改正古物営業法の重要ポイント~「主たる営業所等届出書」~

現在では、営業所等が所在する都道府県ごとに古物営業の許可を得ることが必要です。しかし、改正古物営業法(では主たる営業所等の所在地を管轄する公安委員会の許可を受ければ、その他の都道府県に営業所等を設ける場合には、届出で足りることとなります。 そのため、今後複数の営業所を持つ方でも、一つの許可で足りるため、手続きが簡便になります。

しかし、既に古物営業許可を受けている方に必要な手続きが生まれました。
それが、「主たる営業所等届出書」です。
改正法の全面施行前に既に古物営業許可を受けている方は、改正法の全面施行日までの間に「主たる営業所等届出書」を提出しなければ、許可が失効し、引き続き古物営業を続けることができなくなります。

つまり、すでに古物営業許可を受けていても、この全面施行日までに「主たる営業所等届出書」を提出しなければ、全面施行日後に無許可営業となるのです。
逆に言えば、この「主たる営業所等届出書」を提出し、かつ、全面施行日までに許可を受けている方は、新法許可を受けているとみなされるのです。

では、前面施行日はいつでしょうか?
実はまだ決まっておりません。しかし、改正法の全面施行日(公布の日(平成30年4月25日)から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日)ということは決まっています。

すでに、古物営業許可を取得されている方は、まだまだ先だと安心せず、なるべく早くこの「主たる営業所等届出書」を提出しましょう。

参考:警視庁ホームページ

3.「主たる営業所等届出書」の提出の仕方

①主たる営業所

「主たる営業所」とは、なんでしょう?そのままですが、営業の中心となる営業所のことです。ここで、注意して頂きたいのが、法人登記上の「本店」や、企業組織上の「本店」等が、「主たる営業所」になるとは限らないということです。
実態として「営業の中心となる営業所」でなければ、ここでいう「主たる営業所」に該当しません。

②届出対象者

届出対象者は簡単に分けると2種類です。
(1)平成30年10月24日以前に許可を受けている古物商又古物市場主
(2)改正法の全面施行日までの間に許可を受けた古物商又は古物市場主

つまり、すでに古物営業許可を受けている方も、今後改正法の全面施行日までの間に古物営業許可を受けようとする方も、この届出が必要だということです。
また、営業所が一つしかない方でもこの届出は必要ですのでご注意ください。

③提出期限

改正法の全面施行日までです。これは、平成30年4月25日から起算して2年を超えない範囲内ということしか、現在決まっておりません。

④届出場所

主たる営業所の所在地を管轄する警察署の防犯係が窓口です。
警察署一覧は、警視庁ホームページから調べることが可能です。

⑤手数料

無料です。

⑥必要書類

必要書類は、主たる営業所等届出書(他府県にも営業所がある場合は、別記様式その2も添付)です。こちらは、警視庁ホームページからダウンロード可能です。
営業所が一つの場合は、「主たる営業所等届出書」のみの提出となります。 複数の公安委員会で許可を受けている場合は、別記様式その1「主たる営業所等届出書」に加え、別記様式その2「その他の営業所又は古物市場」の添付も必要です。これは、主たる営業所以外の全ての営業所(又は古物市場)を書くこととされています。また、都道府県ごとに作成する必要がありますのでご注意ください。



参考:警視庁ホームページ

4.まとめ

今回は、「主たる営業所等届出書」をメインにお話しました。
お話した内容をまとめると以下のとおりです。

今回の古物営業法の改正はこれだけではありません。また、一見簡単そうに見える届出書も、パターンによって届出先や書類も異なるため、実は複雑です。この届出を怠ると、全面施行日後は無許可営業となってしまうので、なるべく早く提出しましょう。
こちらの届出は、行政書士に頼むこともできます。ご自分で手続きをすることに不安を感じたら、お近くの行政書士にご相談ください。

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