介護ビザとは。~在留資格「介護」の取得方法~
法務


この記事の目次

1.介護ビザ(在留資格「介護」)とは

2018年11月現在、新たな在留資格「特定技能」の内容が審議されていて、ニュースで目にすることは多いと思います。 その中に、「介護」も含まれると考えられていますが、すでに在留資格の中に「介護」が存在することはご存知でしょうか?

日本で外国人が住み続ける(在留)するためには、在留資格が必要なことは知られていると思います。 留学、日本人の家族がいるなど、その在留資格には様々な種類があります。その一つがいわゆる就労ビザです。
仕事のために日本に在留する外国人は、この就労ビザを取得する必要があります。外国人がこの就労ビザを取得できる職種は限られています。実は、この就労資格が与えられる職種の中に「介護」が今まで含まれていませんでした。

そのため、高齢化が進む日本では、介護の現場で外国人が現場で働くことは、永住権を持つ外国人や特殊な在留許可資格のある外国人でなければできず、慢性的な人手不足が問題となっていました。
そこで、2017年9月1日から在留資格に「介護」が加わった改正入国管理法が施行され、介護の仕事をする外国人に在留資格が与えられるようになりました。

※正確には、ビザは日本に入国する際の査証であり、在留資格とは別個の存在です。しかし、巷ではビザ≒在留資格として認識されているため、混同して使用されているのが現状です。そのため、今回は、就労により取得する在留資格を「就労ビザ」、介護就労により取得する在留資格を「介護ビザ」と便宜的に使用しております。

2.介護ビザ(在留資格「介護」)の要件とは

在留資格「介護」の代表的な要件

①介護福祉士の資格
②介護福祉士として業務に従事すること。
③日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。


ここで、注意していただきたいのが、介護福祉士の資格についてです。介護福祉士の資格を取るには、様々なルートがありますが、在留資格が認められる介護福祉士の資格取得ルートは決まっています。

在留資格が認められる介護福祉士とは

①2年以上介護福祉養成施設で就学すること。
②国家試験に合格すること。(経過措置あり)


今まで、介護福祉養成施設の卒業生は、国家試験を受けることなく介護福祉士になることができました。しかし、法(注1)改正により、平成29年度から介護福祉養成施設の卒業生も国家試験に合格することが必要となりました。
ただし、平成33年度までの卒業生は、介護福祉士試験に合格しなくても(不合格又は受験しなかった者)、卒業年度の翌年度から5年間は介護福祉士となる資格を有する者とする経過措置(注2)が設けられています。

■注1:社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律(平成19年法律第125号)
■注2:経過措置の詳しい内容は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのホームページをご覧ください。

3.介護ビザ(在留資格「介護」)を取得する流れ

では、「介護」の在留資格を0から取得するためには、どうすればよいでしょうか? まずは、「留学」の在留資格で介護福祉士の資格取得のために介護福祉士養成施設に入る必要があります。そこで2年以上修学した上で、介護福祉士の国家試験に合格しましょう。(経過措置あり) 晴れて介護福祉士の資格を取得したら、在留資格を「留学」から「介護」に変更します。(「介護」の在留資格要件は先述のとおりです。) (入国管理局ホームページ参照)

留学が終わり、一旦帰国した後、「介護」の在留資格で入国をすることも可能です。また、すでに介護福祉士の資格をお持ちで別の在留資格を取得している方が、「介護」の在留資格に変更することも可能です。

在留状況に問題がなければ、在留期間の更新が可能であり、その更新回数に制限はありません。 また、介護福祉士で在留資格を取得した方の配偶者やお子さんが「家族滞在」の在留資格で在留することも可能です。

4.まとめ

いわゆる介護ビザは、高齢化が進む日本において、今後ますます浸透していく在留資格だと考えられています。 先述のとおり、「介護」の在留資格取得のためには、まず「留学」の在留資格を取得し、そこから在留資格の変更をするなど手続きが煩雑です。

また、新たな在留資格「特定技能」の中に介護も含めて審議が進められています。(2018年11月現在)そのため、どの在留資格なら取得できるか、どの在留資格がふさわしいかの判断はますます複雑化することが予想されます。
在留資格の取得には、2か月から3か月かかる場合もあります。そのため、いわゆる就労ビザをご検討の方は、早めに申請取次行政書士(注3)にご相談ください。

■注3:ビザ・在留資格申請の手続きができる行政書士は、「申請取次」の資格を持った行政書士に限られます。

■参考:「法務省入国管理局」ホームページ

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