【FinTech(フィンテック)開始前に】電子決済等代行業の登録を
法務


この記事の目次

1.電子決済等代行業の登録が必要な事業者とは

平成30年6月1日から国内で電子決済等代行業を営むには、「電子決済等代行業」の登録が必要となりました。
例えば、インターネットを利用し、振込先や振込金額といった情報を銀行に伝達するといった方法を用いているのであれば、原則として電子決済等代行業者としての登録が必要となります。

フィンテック事業を始める場合、その事業が電子決済等代行業の該当するか確認してください。
なお、登録には約半年かかると言われていますので、余裕をもって手続きを進めて頂ければと思います。


(金融庁HP)

もっとも、以下の場合は、電子決済等代行業に該当しないとされています。

(改正銀行法施行規則1条の3の3第1号)
1預金者による特定の者に対する定期的な支払を目的として行う行為
2預金者による当該預金者に対する送金を目的として行う行為
3 預金者による国、地方公共団体、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人、同条第三項に規定する大学共同利用機関法人又は地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人に対する支払を目的として行う行為
4 預金者による商品の売買契約又は役務の提供に係る契約の相手方に対するこれらの契約に係る債務の履行のみを目的として、当該相手方又は当該契約の締結の媒介(当該履行に係る為替取引を行うことの指図(当該指図の内容のみを含む。)の伝達により行う媒介を除く。)を業とする者(以下この号において「相手方等」という。)が当該契約に基づく取引に付随して行う行為であつて、当該行為に先立つて、法第二条第十七項第一号の銀行と当該相手方等との間で当該履行に用いる方法に係る契約を締結しているもの

上記の文章だけでは電子決済等代行業に該当するかどうか判別しづらいこともあるかと思います。そのため、フィンテック事業を始められる場合には、まずはお近くの専門家か金融庁に問い合わせることをお薦めいたします。

2.登録の流れ


①事前相談

財務局において、事前相談として、登録申請予定者が申請概要等の提出をし、 当該者及びサービスの概要等について、説明をします。

②申請書のドラフト審査(約2~3ヶ月)

サービスが電子決済等代行業に該当する場合、まずは、登録申請書のドラフトを提 出し、申請書の記載内容に過不足がないか、体制等が「銀行法第 52 条の61 の5(登録の拒否)」の要件を満たしているかなどについて、事前審査にクリアしなければ、本申請には進めません。

③本申請及び本審査(標準審査期間2か月)

申請書のドラフト審査に合格した場合、本申請をし、審査がやっと開始されます。この本申請をしてからの標準審査期間は2か月と言われていますが、今後、フィンテック事業者が増えれば、それ以上に審査期間が長くなることが予想されます。

④登録後:事業報告

登録が完了しても終わりではありません。その後は、「電子決済等代行業に関する報告書」を定期的に提出する必要があります。

参考:「電子決済等代行業者の登録申請時の留意事項等 」

3.必要な管理体制・添付書類

フィンテック事業において、システムリスク管理の審査が重点が置かれているため、以下の項目が審査対象として挙げられています。そのため、フィンテック事業を開始される場合、以下の項目を中心に管理体制を構築されることをお薦めいたします。

(1)当該電子決済等代行業者におけるシステムリスクに対する認識等
(2)システムリスク管理態勢
(3)システムリスク評価
(4)情報セキュリティ管理
(5)サイバーセキュリティ管理
(6)システム企画・開発・運用管理
(7)システム監査
(8)外部委託管理
(9)コンティンジェンシープラン
(10)障害発生時等の対応


また、下記のような膨大な添付書類が必要となります。そして、それぞれ「電子決済等代行業者の登録申請時の留意事項等 」などを参照しながら、審査に通るように記載する必要があります。これらの書類は、不備があれば再提出などが求められ、その場合、審査期間が予定より延びることもあります。

そのため、確実に手続きを進めたい場合は、行政書士を始めとする専門家にご相談頂ければと思います。

【添付書類一覧(法人の場合)】
1銀行法第52条の61の5第1項各号(第1号ロを除く。)のいずれにも該当しないことを誓約する書面
2電子決済等代行業の業務の内容及び方法を記載した書類
3登録免許税納付書
4定款及び登記事項証明書(これらに準ずるものを含む。)
5申請者が外国法人であり、かつ、国内に営業所又は事務所を有する場合は、国内における主たる営業所又は事務所の登記事項証明書
6役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)の履歴書(役員が法人であるときは、当該役員の沿革を記載した書面)
7 役員の住民票の抄本(役員が法人であるときは、当該役員の登記事項証明書)又はこれに代わる書面
8 役員の婚姻前の氏名を当該役員の氏名に併せて登録申請書に記載した場合において、上記7に掲げる書類が当該役員の婚姻前の氏名を証するものでないときは、当該婚姻前の氏名を証する書面
9 役員が銀行法第52条の61の5第1項第2号ロ(1)から(6)までのいずれにも該当しない者であることを当該役員が誓約する書面
10 登録の申請の日を含む事業年度の前事業年度に係る貸借対照表又はこれに代わる書面(登録の申請の日を含む事業年度に設立された法人にあっては、当該法人の設立の時における貸借対照表又はこれに代わる書面)
11 申請者が会計監査人設置会社であるときは、登録の申請の日を含む事業年度の前事業年度の会社法第396 条第1項に規定する会計監査報告の内容を記載した書面

4.まとめ

以上が、電子決済等代行業の登録の簡単な流れです。実際には、以下のような法令やガイドラインを一通り目を通して申請する必要があります。
また、フィンテック事業は今後も進化し続けることが予想されるため、それに伴い新しい基準やガイドラインも更新される可能性もあります。

スムーズに手続きを開始しても半年かかると言われているため、確実に電子決済等代行業を開始されたい場合は、早めに行政書士を始めとする専門家にご相談頂ければと思います。

【関連法令・ガイドライン】
1銀行法
2銀行法施行令
3銀行法施行規則
4 「銀行法施行令等の一部を改正する政令等(案)」に対するパブリックコメントの結果等について
5 電子決済等代行業者の登録申請時の留意事項等
6 その他の法令等に定める電子決済等代行業者の登録申請時の留意事項等
7 パンフレット『電子決済等代行業に関する新しい制度がはじまりました。』

参考:金融庁HP

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