債権回収って何?どうやって回収するの?弁護士費用はどの程度?弁護士が解説します
法務


債権回収したいけれど、どんなもの?
どんな手続があるの?
弁護士の費用はどのくらい?

今回は債権回収について説明します。

この記事の目次

債権回収って何?

債権回収と聞いて、イメージは湧きますか?
怖い取立屋さんが執拗に電話したり、家まで押し掛けてきたり、といった良くないイメージのある言葉かもしれません。 法律の世界では、金銭債権の回収手続全般を指し、よく用いられている用語です。

「債権」というのは、誰かが、誰かに対して、何かをするよう求めることができる法的な権利のことです。 このうち金銭債権は、金銭の支払いを請求することができる権利です。

金銭債権としては、個人間での借金の返還請求とか、企業間の売買や請負契約の代金請求、企業の個人顧客に対する各種サービス料の請求から、交通事故の損害賠償請求まで含む、かなり広い意味の用語になります。

債権回収って、どうやってするの?

①まずは交渉から。

債権回収の方法は、大きく言えば、相手と「交渉」して回収するか、「法的手続」をして回収するかの二つです。
まずは、本人(代表者)名義の文書を作成し、いくらの金銭を支払えという内容の通知を行う「交渉」から始まりますが、ここで検討すべきポイントを説明します。

差出人の名義をどうするか?


最初から弁護士に依頼するケースもあります。
しかし、弁護士が出てきただけで拒絶反応を示す相手もいます。

相手の属性や性格などを考えて、本人名義で送るのか、弁護士名義で送るのか考える必要があります。 なお、本人名義で送るとしても、文案作成のみを弁護士に依頼する方法もあります。

請求の発送方法をどうするか?


通知の発送方法としては、証拠に残る方法がよいでしょう。
たとえば、電子メールやファックスは、送信した内容や日時が記録に残ります。もっとも、メールやファックスだと、ややインパクトに欠ける面があります。

そのため、代表者や責任者の記名押印の文書で格式だった「書面」で通知することで相手に一定のインパクトを与えることができます。

ここで、「内容証明」というのを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
内容証明郵便では、同じ書面を郵便局に3通提出し、1通が郵便局の控え、1通は相手に送り、1通は発送者の控えとなります。

内容証明は、文字通り、送った文書の内容まで記録として残るメリットがあります。また支払を催告した後に履行期が到来して遅延損害金が発生するというケースもあるので、そういった場合は内容証明郵便を利用し、後の裁判の証拠として押さえておく必要があります。

なお、最近では電子内容証明サービスというのがあり、インターネットだけで発送できるようになっています。

内容証明といっても郵送方法の一つでしかないので、それ自体が法的手続の書類というわけではありません。
とはいえ、受け手としては、発送者側の本気度が伝わるので、一定のインパクトを与える効果が期待できます。内容証明の差出人名義人を本人名義で送る場合、弁護士名義で送る場合とケースバイケースで、弁護士名義の方が当然インパクトが大きいですが、これも事案や状況に応じて最も効果的な方法を考える必要があります。

■本人名義 →回収はしたいがなるべく穏便にしたい場合

■弁護士名義→最終的に裁判をしても回収するという強い意思表示を示したい場合


のように使い分けがあります。

②法的手続を利用した債権回収

相手との交渉が決裂した場合は、「法的手続」をするかどうかです。
代表的な「訴訟」による方法ですが、まず押さえたいポイントは「判決をとる手続」と「判決を実行する手続」の二段階の手続に分かれていることです。

「判決をとる手続」は、お馴染みの「訴訟」のことで、訴訟の最後には「判決」が下されます。
なお、訴訟の中にも通常の訴訟、請求金額や利用回数に制限のある少額訴訟、あるいは訴訟とは違いますが支払督促という簡易な手続などいくつかメニューがあり、事案に応じて適切なものを選択する必要があります。

訴訟手続で判決が下されたからといって、自動的に支払手続まで進むわけではありません。
実際にお金を回収するには別に「判決を実行する手続」である「強制執行の申立て」を行わなければなりません。

金銭請求の強制執行は「差押え」という手続になります。具体的には不動産の差押え、預貯金の差押え、勤め人であれば給与の差押えといったメニューがあります。

強制執行の方法はそれぞれ一長一短がありますので、債務者の状況や事案、費用対効果に応じて最も効果的な方法を検討する必要があります。

債権回収にかかる弁護士費用はどのくらい?

債権回収を弁護士に依頼する場合は、弁護士費用がかかります。
弁護士費用は各法律事務所で自由に設定できますので一概にいくらという基準は決まっていませんが、債権回収で比較的多い弁護士費用の内容としては「着手金」と「成功報酬金」の二段構えの報酬設定です。

「着手金」というのは、弁護士に事件を委任して動いてもらうに当たって最初に発生する費用で、基本的には、交渉の成否、裁判の勝敗にかかわらず、失敗しても返還はないものです。一般には、着手金は請求額の数%という形が多く、請求額に応じて%が変わる設定の法律事務所が多いと思われます。

「成功報酬金」というのは、文字通り、案件が成功した場合に発生する弁護士費用です。債権回収においては、実際に相手から支払いを受けた金額の何%という形で算定し、概ね着手金の倍額程度に設定している法律事務所が多いと思われます。

事案によっては、たとえば、着手金を少なくする代わりに、成功報酬金の%を高く設定するケースがあったり、相談者の事情を踏まえて柔軟に調整したりと様々ですので、法律事務所に見積もりの依頼をすることが必要になります。

まとめますと、弁護士に依頼する際には「着手金」の金額と「成功報酬金」の金額をチェックし、説明を受けていただければ大まかな費用の内容はご理解できると思います。

まとめ

債権回収について概要を説明しましたが、いかがでしたか。
交渉の進め方や法的手続のメニュー選択においては、ポイントをしっかり押さえて、もっとも合理的で費用対効果の高い方法を選択しましょう。

交渉の上手な進め方、法的手続のメニュー選択はある程度の経験と実績が必要になりますので、債権回収に長けた弁護士に相談するのがよいでしょう。

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