新型コロナウィルスによる資金繰りの悪化は個人にも
法務


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住宅ローンが払えなくなったら・・・・

新型コロナウィルスの感染拡大により、「販路が伸びない」、「営業ができない」、「想定した利益を大幅に下回った」そのようなご相談をよく受けます。当然ながら会社の業績は従業員、つまり個人の資金繰りにも直結します。

夫婦共働きで憧れのタワーマンションを買ったのにコロナの影響で収入が下がってしまった・・・・
住宅ローンの返済が負担となっている方、今後の状況に不安になっていらっしゃる方に住宅ローンが払えない場合の対処法をお話いたします。

新型コロナウィルスが家計に与えるダメージ

コロナウィルスによる企業の業績悪化に伴い、家計の圧迫が容易に想定されます。
住宅ローンの支払いに関して次のような問題の発生と拡大がコロナウィルスの終息後も考えられます。

・外出自粛による企業・事業主の業績の悪化
・出勤停止や業務自粛・業務停止による収入減
・ボーナスカット、残業代カットによる収入減
・会社の業績悪化による倒産、解雇
・新たな就職先が見つからない


企業の業績の悪化は大量の解雇や倒産などにつながります。
東京商工リサーチの調査では、倒産した企業件数は2020年3月末時点では25社でしたが、5月1日までにさらに89社が倒産しました。
内訳としましては、負債額3億円未満と小型の倒産が少なくとも半数を占めています。

外出自粛や訪日外国人客の激減が体力の弱い中小・零細企業を直撃した結果となっています。
企業の資金繰りは日増しに悪化していますので、倒産数は増加傾向にあると思われます。企業の業績悪化・倒産の結果として給与が減る、収入がなくなるなどし、家計の中での住宅ローンの圧迫を感じる世帯が今後も増加するでしょう。

住宅ローンの支払いが滞るとどうなるのか?

住宅ローンを滞納あるいは延滞すると、不動産の売買代金を分割で返済する権利(期限の利益といいます)が失われてしまいます。そして、お金を貸した金融機関は残っている住宅ローンの全額を一括で返済することを要求してきます。

残りのローンを一括で返済できない場合、金融機関は担保となっている自宅を強制的に売却し、その売却代金から貸したお金を回収します。

この、担保不動産を強制的に売却するのが競売です。競売は所有者の同意なしに売却することを裁判所が認め、裁判所が所有者に代わり、物件の購入者(最高価買受人)をオークション形式で決定します。
しかし、競売での落札価格は一般の不動産の売却価格よりかなり下がってしまいます。

では、競売でも住宅ローンが残った場合はどうなるのでしょうか? 結論としましては、住宅ローンの支払い義務は継続します。家が無くなっても住宅ローンを支払い続けなければならないのです。

このように、住宅ローンの滞納を続け最終競売になるということは避けたいことです。

競売になる前に早めの対応を

では、まずは、ご自身の資金繰りを見直しましょう。つまり家計の見直しです。

固定費の削減

無駄な保険や携帯代金など圧縮しましょう。

本当にその家に住み続ける必要があるのか?

ライフプランについて見直しましょう。見栄やプライドなどで大事な家族を路頭に迷わせることになりませんか?

金融機関に相談する

金融機関に素直に相談しましょう。
確かに金融機関に相談することに抵抗がある方が多いのは事実です。
ですが、早めの相談をすることで精神的にも経済的にも楽になる可能性が高くなります。

一般社団法人全国銀行協会のウェブサイトでも公開されていますのでご参考ください。
住宅金融支援機構よりフラット35での借り入れをされている場合にも住宅金融支援機構ウェブサイトで情報が公開されています。
また、住宅ローンの支払いでボーナス払いを設定されているにもかかわらず、ボーナスカットの可能性がある場合にも早めに金融機関に相談しましょう。

競売になる前に任意売却を

どうしても、生活が苦しくなって住宅ローンを滞納してしまう場合は「競売」になる前に、任意売却しましょう。
任意売却は、債権者である金融機関に住宅ローンの残債が残ってしまう場合でも、債権者の同意を得て売却できる制度です。

任意売却は、競売に対して、残債の分割払いや損害金の免除、引越し代の控除など、多くのメリットがあります。詳細についてはご相談ください。

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