契約書の読み方超入門~ビジネスマン必読。5分で本質を理解する
法務


ここをご覧の皆様は、契約書を一読して、その内容のほとんどすべてを明確に理解できますか。優秀なビジネスマンの方は、だいたいの内容を把握する、ということはできるでしょうが、それでもこれを完ぺきにやることは実際にはかなり難しいでしょう。
以下で、契約書の簡単な読み方を学び、どこが落とし穴になりやすいか、把握しておきましょう。

この記事の目次

1.読まなければ話にならない

そもそも、契約書は、これから行おうとしているビジネスをどのように進めていくかを記載した文書なので、実際にビジネスを推進していく責任者や担当者は、契約書を最低一度は読んでおかなければなりません。法務あるいは弁護士に確認を任せ、事業部門は一切読まない、という丸投げはとっても危険です(どこの取引先に何をいくらで売るのか、間違って記載していても法務も弁護士も普通は気が付くことはできません)。

契約書は長いものが多く、独特の言い回しで記載されている文書なので、とっつきにくいです。ただし、だいたいの契約書は、さまざまなバリエーションがあるものの、ざっくりと以下のような条項が記載されています。

・その契約書が扱う事柄の範囲
・契約の成立に関する事項
・双方の権利と義務(例えば、売買ならば、売主が何を売る、買主は代金をいくら払うか。業務委託ならば委託先が、何をいつまでにやるか、委託元がいくら払うか、等が本質的に重要な内容です。これらに合わせて、製品や成果の確認、所有権、知的財産権の帰属、といった関連する条項についての合意もなさます。)
・契約の終了
・違反があった場合処理(損害賠償、解除)
・その他「一般条項」と言われる定型的な条項(秘密保持義務、反社会的勢力の排除、譲渡禁止、準拠法、管轄等)


契約の成立と終了までは、おおよそ時系列に問題となりやすい順番に並んでいることが多く、この箇所について、「こちら側と、相手側が、いつまでに/どのような場合に、何をしなければならないのか、頭の中でまとめなおして理解する」のがコツです。

2.8割は書いてある通りだが

契約書の内容がトラブルになった場合、最終的には、裁判所が法的な観点から契約書を解釈し、その解釈に沿った判決をし、法律でその結果を強制できることになります。
裁判所が契約書をどう解釈するか。主に契約書の文言を見て、当事者はこういう意思で契約をしたのだろう、という「合理的な意思」を探る、という手法を採ります(なお、契約書外の事情が考慮されることもあります)。

そうすると、契約書を作成する段階では、契約書にどのような内容が記載されているか、がまず重要です。
つまり、ビジネスマンが読んでも、その言葉の意味さえ分かれば、「8割方は契約書が読める」と言ってよいでしょう。

逆に言えば「8割しか読めていない」のです。では、残りの2割は何でしょうか。例えば下のような事例です。

①書いてある通りの効果が生じないものがある。
やや極端な例ですが、労働契約で「残業代が発生しない」という合意をしたとしても、それだけでは無効です。残業代を支払わなくてよい、結論にはなりません(契約書に記載するだけでは足りず、法令、判例の要件を満たす形で、裁量労働制や、みなし残業の制度を導入する必要があります)。

②法令や判例等と合わせて理解しないと、正確な効果が理解できないものがある。(特に法律用語に注意。)
例えば、共同で製作したキャラクターの著作権について、取引先から「両社で権利を持つことにしましょう。」と言われ、契約書上「共有」と合意した場合、自社にも権利があると考えて他社にそのキャラクターを独断でライセンスした場合、著作権侵害となってしまいます。

法的な観点がわかっていないと、想定とは異なる合意をしてしまう可能性があります。契約書を完璧に理解するためには、法務部門や弁護士のリーガルチェックが必要になってきます。企画しているビジネスの重要部分については、法的な観点から問題がないか、必ずチェックする必要があります。

3.契約書に書くべきではない内容

契約書に合意を記載すれば、原則としてはその合意は法的な効力を持った合意とすることができます。なので、取引先に約束させたい事項があれば、それを記載するのがよいでしょう。
しかしながら、なかには契約書に記載すべきではない内容もあります。

法律に反する内容、ビジネス上の道理に反する内容、従前の合意と反する内容などがそうした内容です。そういう契約条件を提示した会社の品格が疑問視されてしまいますし、相手方が、足元を見られた、騙された、不当な条件を押し付けられた、などと感じてしまうような(又はあとから気が付いてしますような)場合、それ以降その取引先との関係を上手くすすめることは難しいでしょう。

まとめ

まず、ビジネスマンとしては、自らが責任者又は担当者となってビジネスを行おうとするならば、自分で契約書を読まなければなりません。自社と相手方の権利義務を、どちらが、「いつまでに/どのような場合に、何をしなければならないのか」に落とし込んで理解するのがコツです。

契約書は、原則として書いてある通りの効果が生じますが、そうならない場合もあり、重要な部分については、想定した通りの効果が生じるか、確認が必要となってきます。 また、契約書には、記載すべきでない内容もあります。

契約書について疑問点があるならば、その点だけでもプロへ相談することをお勧めします。
契約書とビジネスに精通した弁護士に相談するのが最も確実です。

弁護士は、主に企業を顧客とする弁護士、主に個人を顧客とする弁護士が居て(中間の弁護士も多いです)、比較的契約書に強いのは前者の弁護士です。企業を顧客とする弁護士も、主に取引関係の分野を専門に扱う弁護士とそうでない弁護士が存在し、前者の方が契約書に強い弁護士が比較的多いです。

会社にとって重要な契約であれば、専ら企業を顧客とし、取引関係を専門とし、かつ、契約書が属する分野に明るい弁護士に確認を依頼するのが良いでしょう。

※関連記事:
『契約交渉超入門~取引先との契約交渉を上手に進めるための3つのポイント』

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。