顧問弁護士のススメ
法務


この記事の目次

1.顧問契約って何?

顧問契約とは、弁護士に対して毎月一定の金額を顧問料として支払うことで、顧問料の範囲で(主に)様々な法律相談ができる契約です。最近は、働き方が多様化したことに伴って、企業(会社)だけでなく、フリーランスエンジニアやインフルエンサーなど個人事業主の方も顧問弁護士を付けるケースがとても増えています。

一方で、特に弁護士の顧問契約の場合、ハードルが高いと思われていることもあるでしょう。今回、弁護士との顧問契約がどのようなものか、イメージを持っていただければ幸いに存じます。

2.顧問契約のサービス内容

そもそも、顧問弁護士は何をしてくれるのか、ということに興味があり、実際にどうなのか?とお考えの企業様・個人事業主様も少なくないようです。実際、興味がある場合には、顧問契約の相談については無料としている法律事務所もあるようですので、一度お話を聞いてみるのも有効かと思われます。

相談の流れとしては、通常の法律相談と同じく、相談のアポイントをして、顧問契約について説明を受けることになります。そして、弁護士から顧問の内容や契約条件の説明・提示を受けて、顧問を付けることになったら、(法律)顧問契約を締結します。
では、弁護士との顧問契約はどのようなサービスが含まれているのか、見てみましょう。

(1) 平時の対応(ご相談や社内整備のお手伝いなど)

ビジネスをする中で、「これは法律的に問題ないのか」「適法だとしても、どういったリスクがあるのか(ないのか)」、など疑問が生じることがよくあります。そのような場合、顧問契約をしていれば、契約で決まった稼働時間の範囲内で、顧問弁護士に対して、事務所での直接面談や電話・メール等などで質問できます。また、契約書のチェックについては、月数通を無料対応しているところが少なくありません。(※契約書などの作成の場合は別途料金発生する場合がでてきます。)

このように、平時の対応としては、社内の整備(上記のほか、契約書・就業規則等のひな形の整備や、労務面での整備も含む)に、日常から会社の状況を熟知している顧問弁護士が活用されます。

(2) トラブルへの対応

顧問弁護士は、例えば、労使トラブルに会社側に立って対応したり、民事訴訟を提起する・されることについて対応したりします。債権回収の対応もここに含まれます。それらの際、顧問弁護士は、顧問先であれば、事情をあらかじめ知っているので、迅速に対応することができます。また、個別の事件・案件については、顧問料とは別途費用が掛かることが通常ですが、その際にも割引(およそ10~30%程度)を適用する法律事務所が少なくありません。これらのことが「弁護士との顧問契約は保険のようなもの」と言われる理由になります。

3.メリット・デメリット

まず、顧問弁護士のメリットとしては次のことが挙げられます。

(1)顧問先の場合、一見の顧客とは異なって、会社の顧問税理士・社労士と協議したり、事業のことを深く調べたり、法律のご相談ごとを超えたささいなことも含めて交流をしたりします。その結果、お互いをよく知り合った上で対応できるので、相談での回答や契約書等検討がスムーズになり、提供するサービスの質が向上します。

(2)顧問先でない顧客の場合、相談の都度、相談料を支払った上で相談を受けることになります。また、法律事務所が業務繁忙の場合、相談日程の優先順位が下がる(相談まで日時がかかってしまう)、場合によっては対応できないとすることがあります。

一方、顧問先であれば、裁判期日など必要な事柄を除いて、優先的に対応することになります。また、利益相反などの特別な事情がなければ顧問先からの相談や事件対応を断ることも滅多にないといえるでしょう。何より「こんなことまで質問してもいいだろうか」ということも安心して質問できる点は大きいと思われます。(一見意味のなさそうな事柄でも意外と重要だったりすることもあります)
最近では、電話・メールだけでなく、オンラインでの相談やチャットワーク・スラックなどのチャットツールでの回答も積極的に行われるケースが増え、利便性がより向上しています。

(3)相談者や顧客とお話させていただいていると、よく「弁護士の顧問料は高い」「弁護士はもしものときに依頼すればよい」というお声をいただきます。その理由として、弁護士は、バックオフィス部門のアウトソーシングとしての位置付けで、売り上げに直接貢献していないことなどが挙げられるでしょう。

確かに上記の点は否定できない部分はありますが、「顧問弁護士〇〇」と御社HPなどで表示し、法律面にしっかり対応していることが取引先など外部・内部に伝わることで、事業の信頼度向上につながるという面があるといえます。また、契約締結までの場面で、相手方から不当な契約条件が提示された際にも、顧問弁護士が迅速にチェックし、場合によっては直接対応することで、本来得られるべき売上や御社の商品・サービスの価値を守れることもありうるでしょう。

次に顧問契約のデメリットとしては以下が考えられます。 相談がない月であっても、顧問料の支払いがあるということが挙げられます。顧問料の相場としては、事業規模や想定の利用頻度などにより金額が変動しますが、基本料金を毎月3~5万円とするところが一般的と言えそうです。

ただ、弁護士は顧問料を頂くことで、迅速・適切に相談にお応えできるよう時間的・業務的な余裕をもって取り組むことができ、また、相談がない時には、顧問先に対して、より質の良いサービスを提供できるよう研鑽できるので、顧問料はサービス向上に必要なコストと見ることもできます(実際に、必要になりうる書籍購入等をしたりすることも少なくありません。)

まとめ

・(法律)顧問契約は、月額の顧問料を支払うことで、法律相談や法律文書のチェック(月数通程度)を中心に幅広く対応する内容の契約です。
・顧問弁護士を付けることで、法律・契約面についての疑問を、幅広く、すぐに聞くことができ、安心して本業であるビジネスに集中することができます。
・毎月の顧問料を支払う必要はあるものの、捉え方によっては、顧問料も弁護士の研鑽に使われるので、提供されるサービスの質の向上に寄与するという面があります。



自分で分厚い法律関連の書籍等を購入して調べる手間や時間と顧問契約を締結した場合の費用(顧問料)とを比較すると、弁護士の顧問契約はリーガル面でのアウトソーシングとして十分に活用する価値があるのではないでしょうか。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。