コスパ最強!ビジネスを始める際に必ずやっておくべき法務対応
法務


ベンチャー企業や中小企業において、法務は後回しにされがちです。差し迫った対応が必要になる場合を除いて、効果が目に見えにくく、そもそもどういう法的な問題について、どうコストをかけて検討、対応すべきか、ということ自体がなかなかわかりにくいことがその理由となっているようです。

本稿では、ビジネスを始める際に必ず行っておくべき優先順位の高い法務対応をご紹介します。
それは、今後自社が積極的に展開していくことを想定している製品、サービスについて、契約書のひな型又は約款等、使用する文書を整備しておく、というものです。

これを行った場合のメリットは、以下のようなものです。
①ビジネスのリスクを把握し、あらかじめ回避することができる
②自社の利益を最大化することができる
③外部からの企業の評価を上げることができる
以下、順に説明します。

この記事の目次

①ビジネスのリスクを把握し、あらかじめ回避することができる

自社の契約書、規約を作成するにあたり、該当するビジネスを法的に評価します。その際に、ビジネスの法的リスクが発見されることがあります。
例えば、ビジネスのスキームに業法その他の違反が発見された場合に、ビジネスの内容を見直し、法に違反しない内容にしたうえで進める、などの対応をとることによって、リスクを回避してより安全にビジネスを進めることができるようになります。

ビジネスが違法であり、多額の賠償責任を負担せざるを得なくなった等、取返しのつかない重い責任を負ってしまうケースもあります。
ビジネスの適法性に特に疑いがない場合でも、プロに相談することにより問題が発見される可能性がありますので、ある程度以上の規模でビジネスを始める場合は、必ず法的な確認を得る機会を確保しましょう。

②自社の利益を最大化することができる

自社の契約書、規約を作成するには、ビジネス上おかしくない限度で、また、法的に許される限度で、自社の利益を最大化する契約条件を検討して記載するのが通常です。
ビジネスのサポート経験が豊富な弁護士であれば、より貴社の利益につながる条件についてアドバイスをすることができるため、貴社の事業を成功させるためにも、積極的に自社の契約書、規約を整備する意味があるといえます。

③外部からの企業の評価を上げることができる

貴社がビジネスを行う際、契約書、規約等の文書を、貴社のお客様にお渡しするかと思います。相手方企業の能力によっては、貴社が望むか望まないかにかかわらず、これらの文書からいろいろな情報が読み取られてしまいます。

例えば、契約書であれば、法的に正確な表現を用いて記載された契約書かどうか、記載すべき事項が記載された契約書かどうか、といった点から、貴社の法的な対応力がどの程度であるかが伝わります。
また、提示している契約条件や交渉態度(他の同種の製品、サービスの契約書の契約条件と、どの程度離れた条件を提示しているか、契約交渉においてどのような条項にこだわっているのか等)から、貴社のものの考え方や、いわゆる「社風」が伝わることもあります。

これらの情報は、貴社のお客様が貴社を評価するための情報として利用される可能性があるため、ビジネスを行っている会社としてきちんとしたおかしくない内容のものを整備しておくことをお勧めします。

まとめ

法的サービスについては効果が目に見えにくいものも多いですが、契約書のひな型又は約款等の整備には、以上のような効果があるため、事業的な観点で見ても、総合的にコストパフォーマンスはかなり優れたものです。私としては自信を持ってお勧めできる対応と考えます。

本記事に目を通していただいた事業者の方で、まだ契約書のひな型又は約款等、使用する文書を整備していない、という方は、ぜひ整備するようお勧めいたします。

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