契約書の内容以上に、誰と契約するかも大切
法務


契約書を作成して欲しい、新規の取引相手から送られてきた契約書の内容をチェックして欲しい というご依頼は非常に多いです。
しかし、この契約は会社にとって本当に必要なのか、長期的にみたら締結したことによるリスクの方が大きいのではないか という視点が抜けていることが、案外あります。
信頼関係は商売の基本ではないか。信頼できない相手と取引などすべきではない。
と感じる方が大多数だとは思いますが、全てではないのです。

この記事の目次

1.契約書の限界

実は、契約書で予防できることには限界があります。
契約書のチェック項目としては、そもそも依頼者様に一方的に不利な契約書ではないのか。どのような業務をする対価としていくら払うという基本が明確に記載されているか。対価の支払方法が明確か。契約期間をどのように定めるか。どのような場合に契約を解除できると定めるか。中途解約の場合どのように精算するか。その他事案に応じた条項等、非常に多岐に渡ります。

しかし、どのような内容の契約書を作成したとしても、紛争になるときはなってしまうのです。

2.契約前の言動で判断

紛争が発生するときは、その前に予兆があることが多いです。
相手方担当者が取引する前から首をかしげることを言ってきていた。言ってることとやってることが一致していなかった。ちょっと怪しい会社だなと感じていた。等々

結婚もある意味契約ですが、離婚をしたいというときも、結婚前から相手のここが許せなかったなどと言われることが多々あります。その時点で別れて結婚しないという選択肢もあったのに、その選択肢を取らなかったのです。思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか。笑

3.判断するためのコミュニケーション

その様な予兆を感じ取るには、やはり取引候補の相手と密接なコミュニケーションを図るしかありません。以前よりは最初からZoomなどでコミュニケーションを図る機会も増えたことと思いますが、それでも雑談や趣味の話を交えるうちに、相手の会社について様々な情報を感じ取ることができます。

営業の電話がきて、相手の言うとおり話が進んでいった。では、繁華街の客引きに付いていったらぼったくり店だった。という可能性が高まるのと同じなのです。

まとめ

事業をすること自体にリスクはありますし、新たな取引をすることにもリスクがあります。なので殆どがそのリスクを軽減する契約書を作成することで、契約しないようアドバイスすることは稀です。
しかし、契約書を作成するとしても、どのような契約相手なのかをしっかりと聴取しないと、想定されるトラブルが予想できませんし、そのトラブルを防ぐための契約書条項も適切なものを提案できません。

依頼を受けた弁護士としても、何か月か継続的にご相談頂き、依頼会社の商売のやり方を把握できないと、その依頼会社にとって最適なアドバイスができません。
当たり前ですが、上場企業とベンチャー企業とでは、リスクに対する考え方が全く違います。既に何をしても利益が出ているのであれば、できる限りリスクを取らない所謂ガチガチの選択肢を取れば良いですが、ベンチャー企業は多少のリスクを取っても利益優先にならざるを得ないでしょう。

上記の視点は、専門家に依頼するときも同じです。専門家とも相性があるので、相性が合わないのに取引をしていくことは、お互い不幸でしょう。
まずは、長期的に相談できると思われる弁護士を探し、連絡し、コミュニケーションを図っていくことで、弁護士側も適切なアドバイスを提供でき、会社にとっても長期的に良い結果が待っていることでしょう。

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