【廃業時も破産を避けられる!】~廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的考え方の公表~
法務


この記事の目次

1.廃業時における「経営者保証ガイドライン」の基本的考え方の公表について

2022年3月4日、廃業時における「経営者保証ガイドライン」の基本的考え方が公表されました。 従前より、別稿にて、経営者保証ガイドラインによる保証債務の整理のメリットはお伝えして参りましたが、より廃業時に特化した形で、「基本的な考え方」が示されたものです。
特に、ゼロ円弁済も許容されることが明確化された点は大きなポイントと考えられます。
以下、当職が経験したゼロ円弁済の事例をご紹介いたします。

2.社長について個人破産せずに、自宅も残して、ゼロ円弁済(金融機関に弁済をしない)で債務整理できた」事例

(1)会社(主債務者)の状況
A社は約3億円の金融債務を負っており、A社代表者はその金融債務を連帯保証していました。A社は感染症による環境の変化による売上の減少で公租公課等の延滞がかさんだことから、事業継続は不可能と判断してA社は破産手続を選択しました。

(2)社長(保証人)の状況
A社代表者(社長)については、年齢は70代でしたが、まだ再チャレンジの意欲もあり、何とか「破産」というレッテルを避け、ブラックリストへの掲載がなされない方法を望んでいました。 また、A社代表者は、見るべき資産は保有しておりませんでした(破産法上の自由財産99万円の範囲内の財産しか保有していませんでした)が、唯一の資産として、自宅を所有しておりました。金融機関に返済する資産はないものの、家族のために自宅を残したいと希望していました。

(3)そこで、上記の社長の希望を実現するために、経営者保証ガイドラインに基づいて、保証債務を整理することを目指しました。
具体的には、保証債務整理の方法として、特定調停手続を用いる方法と中小企業再生支援協議会の手続を用いる方法がありますが、本件では後者を選択し、対象債権者と協議のうえ、弁済計画案を策定し、無事、自宅を残し(オーバーローンであり、住宅ローンは残ります)、かつ、金融機関に返済しない内容(いわゆるゼロ円弁済)にて弁済計画が成立しました。

A社代表者は個人破産せずに自宅を残して、かつ、金融機関には弁済しないで債務整理を行うことができ、ブラックリストにも掲載されなかったわけです。

3.経営者保証ガイドラインによる保証債務整理のメリット

経営者保証ガイドラインによって保証債務を整理することの主なメリットは、

①「個人破産を避けられる」
②「ブラックリストや官報に掲載されない」
③「自宅等を残せる場合もあり、個人破産よりも多くの財産を残せる場合もある」


というものになりますが、上記の事例では、①と②のメリットを感じることができつつ、③についてもオーバーローンの自宅を残すことができた事例と言えます。

4.終わりに

金融機関からお金を借りて返済できないことは辛いことですが、経営者が一生懸命事業に向き合ってきた結果ですので、決して恥じることはないと思います。

是非、今回公表された「廃業時における「経営者保証ガイドライン」の基本的考え方の公表」も踏まえて、個人破産せずに自宅等を残したうえで保証債務を整理することをご検討ください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

※関連記事:
『円滑な廃業のために、経営者保証ガイドラインの活用によって、個人破産せずに、自宅等の財産を残す手法とは』
『個人破産せずに自宅等を残すことができた経営者保証ガイドラインの事例』
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