会社が公告をしなければならないときってどんな場合?どうやって行う?
法務


この記事の目次

1.会社の公告方法には何があるか

「会社が行う公告」と聞いてすぐに思いつくのは「決算公告」だと思います。
株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しなければなりません。(会社法第440条)
ではどこに公告するのでしょうか。
会社が公告方法として定めることができるのは次のいずれかです。

①官報
②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙
③電子公告



会社の登記簿を見ると、「商号」「本店」の下に「公告をする方法」とあります。
「官報に掲載してする」「日本経済新聞に掲載して行う」「電子公告の方法により行う」などの例が考えられます。
「公告をする方法」を定めているのは定款です。定款に定めが無い場合は「官報」となります。
大多数の会社では日刊新聞紙よりも公告費用が廉価である「官報」となっているかと思います。

それでは官報を例にとって、決算公告を掲載するにはどうしたら良いでしょうか。
独立行政法人国立印刷局のホームページを見ると、全国にある官報販売所等が検索できますので、掲載申込みを行います。

※参考:官報販売所等一覧 - インターネット版官報

登記のように管轄があるわけではないので、どこでも受け付けてもらえます。
資本金5億円未満かつ負債合計200億円未満の会社で株式譲渡制限のある会社は貸借対照表の「要旨」を公告すればよいので、掲載料金は7万4331円からとなります。
掲載日は「号外掲載」で土日祝日を除く中10営業日程度が必要です。
定時株主総会で計算書類の承認を受けた後、すぐに申し込めば、2週間程度で掲載されることになります。

2.どんな場合に公告しなければならないのか

決算公告以外で会社が公告を行うのはどのような場合があるでしょう。
公告をしなければならない場合は会社法で定められています。 例えば「基準日」です。

株式会社は一定の日(基準日)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(基準日株主)をその権利を行使することができる者と定めることができます。 定時総会における議決権行使、配当受領、株式分割の場合などです。

この基準日について定款に定めが無い場合は、2週間前までに当該基準日および基準日株主が行使できる権利の内容を公告しなければなりません。(会社法第124条第3項)
この公告は「会社の定めた公告方法」で、官報または時事に関する日刊新聞紙または電子公告です。

また、資本金の額の減少(減資)を行うとします。
株式会社が資本金又は準備金の額を減少する場合、当該会社の債権者は異議を述べることができます。(会社法第449条第1項) 債権者が異議を述べることが出来る場合には、株式会社は「官報」に公告し、かつ、知れている債権者には、格別に催告しなければなりません。

この場合は「官報限定公告」で、「会社の定めた公告方法」ではないことに注意が必要です。

3.電子公告とは何か

それでは、会社の定める公告方法を「電子公告」とする場合、どのような手続となるのでしょうか。
株主総会で会社の公告をする方法を「電子公告」と定め、登記を申請します。
この場合、公告ホームページのURLも登記する必要があります。

電子公告が掲載されたページへのリンクがわかりやすく設定されていれば、トップページのアドレスでも構いません。
その後、「電子公告調査機関」へ調査依頼をしなければなりません。

これは公告期間中、公告の内容である情報が正常に掲載されていたか、改ざんがなされていないか等を判定して、その結果を記録するためです。
掲載紙が存在する官報等の場合と異なり、この電子公告調査機関が作成した調査結果通知書が、適法に公告がなされた客観的資料となります。
紙面の掲載費用に代わって、電子公告調査費用がかかるということになります。

4.決算公告だけをホームページで開示することもできる

電子公告を選択すると、アドレスの登記と調査機関への費用の支払いが必要ということがわかりました。
大抵の株式会社は想定できる公告として、まずは決算公告になるかと思います。

電子公告を選択していなくても、自社の公告方法が官報または日刊新聞紙の場合、決算公告として貸借対照表の内容を電磁的方法で開示することができます。
これは決算公告の特例にあたり、調査機関の調査は不要で、貸借対照表の要旨でなく全文を5年間ホームページに掲載する必要があります。

URLの登記も必要ですが、この方法を選択すれば、決算公告費用は原則かからないということになります。

まとめ

決算公告を怠ると100万円以下の過料となります。
また、合併、組織変更、減資などの際は法定の公告に最終貸借対照表の開示状況の記載が必要となりますので、留意しましょう。

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