賃金改善のための福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金について解説
法務


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福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の概要

福祉・介護事業所は、少子高齢化への対応のみならず、新型コロナウイルス感染症への対応も迫られています。
最前線で働く福祉・介護職員の処遇改善を支援するため、国の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づいて、職員の処遇改善を実施する事業所に対して、国の予算の範囲内で「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金(以下、「特例交付金」という。)」が交付されることになりました。

令和4年2月から9月までの間、収入を3%程度(月額9,000円相当)引き上げるための措置を実施することを目的とした事業です。
対象となる賃金改善期間は、令和4年2月から同年9月までの時限措置ですが、10月以降についても、賃金改善の水準を維持することが求められています。(10月以降は臨時の報酬改定が実施され、同様の措置が継続される見込みです。)

対象事業所

現行の「福祉・介護職員処遇改善加算」(Ⅰ)、(Ⅱ)又は(Ⅲ)を算定する障害福祉サービス施設・事業所等(以下「施設・事業所」という。)に勤務する福祉・介護職員。施設・事業所において、福祉・介護職員以外の職員を改善の対象に加えることも可能ですが、特例交付金が福祉・介護職員の処遇改善を行うものであることを十分に踏まえた上で実施する必要があります。
ただし、「就労定着支援」「自立生活援助」「地域相談支援」「計画相談支援」「障害児相談支援」に勤務する職員については、対象外です。

対象職種

特例交付金の対象となる「福祉・介護職員」とは、福祉・介護職員処遇改善加算と同様で、以下のとおりです。
「ホームヘルパー」「生活支援員」「児童指導員」「保育士」「障害福祉サービス経験者」「世話人」「職業指導員」「地域移行支援員」「就労支援員」「訪問支援員」「夜間支援従事者」「共生型障害福祉サービス等事業所及び特定基準該当障害福祉サービス等事業所に従事する介護職員」

交付額

(一月当たりの障害福祉サービス等報酬総額)×サービス別交付率



※サービス別交付率
居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・重度障害者等包括支援3.6%
就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型1.3%
生活介護1.1%
共同生活援助(介護サービス包括型)・共同生活援助(日中サービス支援型)・共同生活援助(外部サービス利用型)2.4%
施設入所支援・短期入所・療養介護 2.6%
児童発達支援・医療型児童発達支援・放課後等デイサービス
居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援
1.9%
自立訓練(機能訓練)・自立訓練(生活訓練)1.7%
福祉型障害児入所施設・医療型障害児 入所施設3.5%

主な賃金改善の要件

「基本給」「手当」「賞与等」のうち対象とする賃金項目を特定した上で実施するのですが、特定した賃金項目を含め、賃金水準を低下させないようにしなければなりません。
また、令和4年10 月以降においても、特例交付金により講じた賃金改善の水準を維持することが求められます。

新規事業所も対象に

本年4月以降に開設する新規事業所は、令和4年2、3月の賃金改善はできませんが、その他の要件を満たす場合は、特例交付金の対象になります。

10月以降は、事前の届出が必要

前述したとおり、10月以降は臨時の報酬改定が実施される見込みです。報酬改定により、国保連請求になりますので、事前の届出が必要になるものと考えられます。

交付金分は実績報告が必要

交付金は、本年2月分から9月分として、6月から11月まで交付されます。(10月分以降は、交付金から通常の国保連請求になります。) 6月から11月まで受領した交付金の実績報告が令和5年1月末までですので、忘れずに報告するようにしましょう。

まとめ

特例交付金は、賃金水準の低い、福祉・介護職員の賃金改善のために実施されたものです。10月以降も臨時の報酬改定により継続される見込みですので、現場の福祉・介護職員の処遇改善のため、ぜひ、現行の「福祉・介護職員処遇改善加算(特定加算)」と併せて、取得を目指してほしいと思います。

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